shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

【追悼】志村けん

2020-04-12 | TV, 映画, サントラ etc
 コロナウイルス感染による世界の死者数がついに10万人を突破したらしいが、一番ショックだったのは何と言っても志村けんさんの死だった。彼の死を知ったのは3月30日の朝で(命日は3月29日... 奇しくも私の父と同じ日だ)、親しくしている顧客から「志村けん亡くなりましたねぇ... ショックですよ。」と聞かされ、「えっ、ウソでしょ...」と自分の耳が信じられなかった。もちろんコロナで入院してICUに入っていることはニュースで見て知ってはいたが、まさか1週間かそこらで亡くなるなんて夢にも思わなかったからだ。その後、ネットは彼の死のニュース一色になったが、あまりにも急な死だったこともあって、私は “悲しみに暮れる”というよりは “まだ実感がわかない” というのが正直なところだった。
 それから数日経ったある日の夜中のこと、YouTubeのオススメ動画でたまたま “志村けんのバカ殿” シリーズでも一番好きだった由紀さおりとの年齢詐称ネタを集めた動画を見つけたので何気なく見始めたところ、これがもうめちゃくちゃ面白くて真夜中なのに何度も大声で笑ってしまい(3:23の「オカマのあとは養老院か!」なんかもう腹筋崩壊ですわwww)、気がついたら夜の3時を回っていた。その時初めて “あぁ、もうこの人はこの世にいないんやな...” とその死を現実のものとして受け入れると同時に、強烈な喪失感に襲われた。緊急事態宣言による外出自粛で日本中が暗く沈んだ気持ちになっているこんな時にこそ志村さんの笑いが必要なのに、その本人が真っ先に逝ってしまうなんて何という悲劇だろう? コロナは我々日本人から “人間国宝” と言っても過言ではないコント界のスーパースターを奪ってしまった。
バカ殿様 由紀さおり 年齢詐称


 私が持っているレコードで志村さん関連の盤は「ヒゲのテーマ」のシングル盤1枚きりで、それも何年か前にヤフオクで同じセラーから何枚かシングル盤を買った時にたまたま100円で出ていたのを見て“おぉ、懐かしいやん... 送料変わらんし、100円やったら買うとこか...” という軽い気持ちで買ったものだ。さっき久々に針を落として聴いてみたが、例のメロディーが鳴り出すと同時に自然と身体が動いてあのダンスせずにはいられない。困ったものだ(笑)
8時だョ!全員集合「ヒゲダンス グレープフルーツ刺し」


 志村さんはガチのビートルズ・ファンとしても有名で、66年のビートルズ武道館公演だけでなくポールの東京ドーム公演にも足を運び、ラジオ番組でその時の喜びを大コーフンしながら語っていたが、言葉の端々からビートルズ愛がビンビン伝わってくるのが嬉しかったし、特に“「Something」のウクレレの時に泣いちゃった...” というくだりにはめっちゃ共感してしまった。私にとっては “不世出のお笑いの天才” であると同時に “ビートルズ・ファンの同志” でもあったのだ。ひょっとすると今頃天国でジョンとジョージに会ってアイ~ンとかやって2人を大笑いさせてるかもしれない。
 ドリフターズ解散後の志村さんの活躍を想うと、ちょうどビートルズ解散後にウイングスを率いて再び世界制覇を成し遂げた頃のポールの姿がダブってくる。だから私なりにドリフターズをビートルズに例えると、天才型の加藤茶がジョンで努力型の志村けんがポール、仲本工事がジョージで高木ブーがリンゴにあたるのではないかと思っている。いかりや長介はさしずめジョージ・マーティンといったところか。
【芸々】 志村けん「ポールマッカートニービートルズを熱く語る」


 志村さん、今までたくさんの笑いを本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。R.I.P.