shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Revolver」各国盤バトルロイヤル②

2020-04-24 | The Beatles
前回は3枚中2枚がハズレという惨憺たる内容でしたが今回はちょっと凄いです。私もSさんも判定に迷うくらいスーパー・ウルトラ・ハイレベルな三つ巴戦となりました。

④オーストラリア盤(1/1, 161g)
 Sさん:これは良いステレオですねー
 私:いやぁ、文句のつけようがないですね。それにしてもA①「Taxman」のこのベース、ホンマに凄いなぁ。これもうほとんどリード・ベースですよ。一番目立ってる...(笑)
 Sさん:これはレベル高いですねー。A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスなんて実にキレイな響きです。
 私:A⑥「Yellow Submarine」も実に細かい音までしっかり出てますね。
 Sさん:ステレオの値打ちがありますよね。これもう完璧やと思います。B①「Good Day Sunshine」のドラムの響きが良いですねー
 私:有象無象の国内盤やUS盤とは根本的に違う音ですよ、これは。特に低音の出方が違います。
 Sさん:高音は似せれても低音はUKマザーが飛び抜けてますね。これは確実に優勝候補の一角ですね。
 私:細かくあーだこーだ言うのがバカらしくなってくるくらい良い音ですよ、これは。

⑤デンマーク盤(1/1, 161g)
 私:何だかお互いに口数が減りましたね、前回のインド、ドイツとは真逆の意味で...(笑)
 Sさん:思わず聴き入ってしまいました。次は?
 私:デンマーク盤です。
 Sさん:おぉ、これも良いですねー
 私:今までで一番音圧が高いですね。これはヤバいわ(≧▽≦) ヴォリューム触ってないですよね。
 Sさん:いいえ、とんでもない。明らかに音がデカいですね。
 私:しかも音がデカいだけじゃなくてクオリティーもかなり高いですよ、これ。
 Sさん:B面は音質が更に良くなってますよ。特にベースの音。
 私:B⑥「Got To Get You Into My Life」のベースの圧が凄いですよ。圧倒されます。これOZ盤と続けて片面ずつもう1回聴きましょか。
 Sさん:それは良い考えですね。でもその前にUK盤を聴きませんか?

⑥UK盤(1/1, 166g)
 私:わかりました。これは去年手に入れたばかりなんですが、例の「Dr.Robert」表記のアーリープレスでスタンパーもめっちゃ若いヤツです。
 Sさん:うわー、これも凄いなぁ。A①「Taxman」のベースがめちゃくちゃ太い。
 私:めっちゃ立体的に聞こえますよね。音像が目の前にすっくと立ち上がる感じ。
 Sさん:A④「Love You To」のシタールもエエ音してるし。
 私:A⑥「Yellow Submarine」の波の音なんか超リアルでビックリです。
 Sさん:UK盤はすごいなー、やっぱり。
 私:B⑦「Tomorrow Never Knows」、もう鳥肌立ってきた...(≧▽≦) もう1回片面ずつ聴きましょう。

【延長戦】
《OZ盤B面》
 私:じゃあさっきまでの流れもあるんでB面からいきましょう。
 Sさん:OZ盤はまず何と言ってもヴォーカルが良いですね。
 私:そうそう、ヴォーカルだけですごい圧をかけてきますよね。
 Sさん:ヴォーカルに限って言えばこれがベストかも。
 私:少なくともさっき聴いたUKとは互角ですね。それとB②「And Your Bird Can Sing」のベースの重いこと! 他のUKマザーの盤はスピードと切れ味で勝負という感じだったのでこの重厚感とは好対照ですね。どちらも捨てがたいんだけど。
 Sさん:B③「For No One」のバックのピアノの音もキレイですよ。
 私:これは悩ましいですね。前回聴いたノルウェー盤を基準とすると、ノルウェーA面が95点でB面105点、それに対してこのOZ B面は120点あげたいです。じゃあ次はもう一度UKのB面を...

《UK盤B面》
 Sさん:ひょえ~、ドラムの音が凄い。
 私: これはまためちゃくちゃ解像度の高い音ですね。
 Sさん:圧倒されますよね。
 私:OZは独自性が感じられる音なのに対し、こっちはマスターテープに一番近い音という感じ。とにかく実に生々しい音です。
 Sさん:同じUKマザーのノルウェー盤と比べても、音の傾向は同じなのにこっちの方が音が大きいですよね。
 私:UKのB面には130点でも140点でもあげたいくらいです。
 Sさん:わかります。でもOZ盤は私の好みの音なので審査員特別賞あげて下さい。
 私:同感です。じゃあ次はDK盤のB面を。

《デンマーク盤B面》
 Sさん:やっぱり音のデカさはこれが一番ですね。
 私:う~ん、何回聴いてもこれは凄いわ。
 Sさん:ただ、ベースの音に限って言うとUKの方が若干上かな。
 私:そうそう、音そのもののクオリティーという点ではUKが勝ってますね。やっぱり鮮度の差かな?
 Sさん:ポールが聴いたらUK盤の方が喜ぶかも...(笑)
 私:難しいけど、これも120点かな。UK盤にはちょっと届きませんね。じゃあ次はOZ盤のA面いってみましょう。

 《OZ盤A面》
 Sさん:やっぱりUKマザーなのにUK盤とはちょっと違いますね。でもこの音、個人的には大好きです。
 私:この違いはオーディオ的にも実に興味深いです。
 Sさん:UKは鮮度の高い音、こっちはロックっぽい音、とでも言うのかな。後期の音に近いです。このベースの音、ポールは結構好きやと思いますよ。
 私:言い換えればモダンな音、ですね。
 Sさん:楽器の鳴りが良いですね。A④「Love You To」なんか、インド盤よりもシタールの音がキレイですもんね(笑)
 私:目の前でシタール弾いてるみたいな感じですね。A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスもキレイですし、A⑥「Yellow Submarine」のアコギの響きもたまりません。OZ盤ってレベル高いなぁ... う~ん、125点!

《デンマーク盤A面》
 Sさん:音が変わりましたね。生々しい。
 私:相変わらず凄い音圧ですね。目の前に迫ってくるような感じです。A②「Eleanor Rigby」のアグレッシヴなストリングス、凄いなぁ... めっちゃ厳しいというか、辛口のサウンドですね。
 Sさん:迫力はこっちですね。A④「Love You To」のタブラが凄い! でもシタールの鳴りはOZ盤の方が良かったです。倍音がよく出てるのがOZ盤の一番の長所ですね。A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスもOZ盤の方が一枚上手です。
 私:迫力のDK盤 vs 優雅さのOZ盤といったところかな。
 Sさん:A⑥「Yellow Submarine」のスネアの音の抜けの良さもOZ盤の方が上ですね。
 私:A⑦「She Said She Said」、めっちゃ迫力あるなぁ...
 Sさん:ベースがデカいですね。
 私:トップ・シンバルのバシャ~ン!も強烈ですね。これもA面と同じ120点かな。

《UK盤A面》
 私:これはもう何て言うか、解像度こそが大正義なんやなぁと痛感させられる音ですね。
 Sさん:A①「Taxman」のベース・ラインですが、太さとスピード感を高い次元で両立してますね。
 私:A②「Eleanor Rigby」もめっちゃ力強いですし、もう何も言うことないです!
 Sさん:はい、これはホンマに素晴らしい音です。A⑥「Yellow Submarine」の左chのギターの音なんかもう凄いですよね。最も鮮度の高いアナログでしか聴けない極め付けの音です。OZ盤も物凄く良かったけど、こっちはちょっと別格やなぁ...
 私:これはもう150点あげてもいい。最高の音ですよ。これ聴いたら他はもうエエわ、って言いたくなるくらい凄いです。まさに本家の意地を見せつけられた、という感じ。「Revolver」ステレオLP部門の優勝はもちろんこのUK盤、審査員特別賞はOZ盤ということで決まりですな。
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