shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ロッカーたちの「ビー・マイ・ベイビー」カヴァー特集

2015-03-28 | Wall Of Sound
①Graham Bonnet
 強面で鳴らすロッカーたちの中にもキャッチーなポップスをこよなく愛する者は意外に多い。あのリッチー・ブラックモアがアバの大ファンだというのはその筋では有名な話だが、そんなリッチー率いるレインボーの2代目ヴォーカリストとして活躍し、そのユニークな “血管ブチギレ・シャウト” で「オールナイト・ロング」や「ロスト・イン・ハリウッド」といった不滅の名作を残した “ハードロック界のやっさん” こと、グラハム・ボネットも見かけによらず(失礼!)歌モノ・ポップスが大好きなようだ。
 西城秀樹もカヴァーした「孤独のナイト・ゲームズ」が入っている81年リリースのソロ・アルバム「Line-Up」はそんな彼の嗜好がよく表れた好盤だが、ポップな選曲の中でもとりわけ異彩を放っていたのがこの「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーだ。4オクターブといわれるハイトーン・ヴォイスで “ウォ~ウ ウォ~ウ ウォ~♪” とこめかみに青筋を立ててシャウトするグラハムと、一聴してそれとわかるコージー・パウエルの爆裂ドラムのコラボで聴くヘヴィーなロネッツ・カヴァーというのも中々オツなモノだ。
Graham Bonnet - Be My Baby(The Ronettes cover)


②Blue Oyster Cult
 ブルー・オイスター・カルトという名前を聞いてすぐに音が浮かんでくる人は少ないだろう。特に日本のリスナーにとっては “名前だけは聞いたことあるけど、曲は聴いたことがない” バンドの一つではないか。そもそも “青い牡蠣の教団” などという怪しげな名前だけで良識ある音楽ファンは眉をひそめそうだし、“ヘヴィー・メタルの元祖” というキャッチ・コピーも敬遠される一因になっているのかもしれないが、彼らの音楽はヘビメタというよりも “重厚でちょっと翳りのあるアメリカン・ロック” という感じで、アイアン・メイデンやジューダス・プリースト的なメタル・サウンドとは全く違う。私は “アメリカ版モット・ザ・フープル” 的な捉え方をしている。
 1977年にリリースされたアルバム「Spectres」はメロディアスな楽曲が多く収録されているのでBOC入門盤に最適な1枚だと思うのだが、同アルバムのCD化にあたってボーナス・トラックとして追加収録されたのがこの「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーだ。深~いエコーのかかったイントロ、やる気があるのかないのかよーわからん浮遊ヴォーカル、気怠さ満点の揺らめくバック・コーラスと、何度も繰り返し聴くうちにクセになる麻薬のような中毒性を内包した、文字通りカルト的魅力横溢のロネッツ・カヴァーになっている。
Blue Oyster Cult - Be My Baby


③Ultima Thule
 ウルティマ・トゥーレは「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーを色々集めていて偶然見つけたスウェーデンのロック・バンド。基本的にはストレートアヘッドなガレージパンクなのだが、ポップ・メタル色が強いので結構楽しめる。カスケーズの「リズム・オブ・ザ・レイン」やボックス・トップスの「ザ・レター」のカヴァーなんかめっちゃエエ感じで、まだまだ世界には未知の良いバンドがいっぱいおるなぁ... と改めて実感した次第。
 この「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーはYouTubeで見つけたもので(←最近このパターンばっかりやな...)、彼らが1992年にリリースした「För Fäderneslandet」(←読み方わからへん...)というアルバムに入っているのだが、何と言ってもイントロから炸裂するエッジの効いたギターのシャープなリフが最高に気持ち良いし、ビシバシ決まるパワフルなドラムの響きも痛快無比で、初期のシーナ&ザ・ロケッツを想わせる荒削りでアグレッシヴな音作りがたまらんたまらん...(≧▽≦)  パンキッシュなロネッツ・カヴァーならコレでキマリ!と言いたくなるカッコ良い演奏だ。
Ultima Thule - Be My Baby


【おまけ】YouTubeの自動再生でこんなん↓見つけました。最近の素人さんはレベル高いですね(←シンセは余計やけど...)。エッグマラカスを振ってる女の子の笑顔がめっちゃキュートです(^.^)
The Ronettes / Be my baby 2015 Rock version!
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