shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ユニークなアレンジで聴く「ビー・マイ・ベイビー」カヴァー特集

2015-03-22 | Wall Of Sound
①Leslie Grace
 「ビー・マイ・ベイビー」で色々YouTube検索していて偶然見つけたのがレスリー・グレースという女性シンガーによるこのロネッツ・カヴァー。面白そうなのでオフィシャル・ビデオを視聴してみるとイントロからカスタネットが鳴り響くバリバリのウォール・オブ・サウンドで、歌詞も英語とスペイン語が交互に出てきてエキゾチックな薫りがムンムン...(^O^) これは中々エエ雰囲気やなぁと悦に入っているといきなりコンガが乱入してきて一気にラテン・ムード全開のコモエスタな世界へと突入... 何とも摩訶不思議な「ビー・マイ・ベイビー」である。
 調べてみると彼女はドミニカ系アメリカ人ということで、シュレルズの「ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロウ」のバチャータ風カヴァー(←こっちもコンガのアメアラレ攻撃が凄まじい...)で大ブレイクしたとのこと。オールディーズのカヴァーにコンガの乱れ打ちというのは私的にはどうしても違和感を覚えるし、伸びやかな良い声してるんやから出来ることならオーソドックスなアレンジで聴いてみたいという思いもあるが、いつの間にかこのミスマッチ感覚が病み付きになりついついリピートしてしまう。困ったものだ...(-。-)y-゜゜゜
LESLIE GRACE - Be My Baby (Official Video HD)

LESLIE GRACE - Will U Still Love Me Tomorrow (Official HD Video)


②Steve Tyrell
 最近YouTubeに自動再生という機能が加わった。要するに一つの動画を見終わって10秒間放置しておくと勝手に次の関連動画が始まるというおせっかいな機能なのだが、そのおかげで知ったのがこのスティーヴ・タイレルだ。私はこれまで色んなロネッツ・カヴァーを聴いてきたが、まさかあの「ビー・マイ・ベイビー」をこんなジャジーなアレンジで聴けるとは思わなんだ。彼は60年代の終わり頃にレコーディング・プロデューサーとしてB.J.トーマスやディオンヌ・ワーウィックらと仕事をしていた人で、それが1999年にジャズ・シンガーへと転身してスタンダード・ナンバーを歌ったアルバムをリリース、その後もシナトラ集やバカラック集なんかを出しているクルーナー・タイプの歌手だ。
 この「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーはコンコード・レーベルから先月リリースされたばかりの「ザット・ラヴィン・フィーリング」というアルバムに収録されているのだがこれが意外な拾い物で、ジャジーなギターのイントロに始まり、ジョージ・シアリング・クインテットを想わせるような軽妙洒脱なコンボ演奏(←特に1分55秒からのシアリング風サウンドにはクソワロタ...)をバックに歌うタイレルの渋~いヴォーカルがめっちゃエエ感じ...(^.^)  男の哀愁を漂わせるハスキー・ヴォイスで聴くガール・グループ・クラシックスというのもオツなモノだ。聴けば聴くほど味わい深い “大人の” 「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーである。
Steve Tyrell: Be My Baby


③Mix Market
 あの「ビー・マイ・ベイビー」をあろうことかパンク・カヴァーするという暴挙に出たのがミックス・マーケットという日本のロック・バンドだ。私はインディーズ・シーンには何の興味関心もないので彼らの事は名前すら知らなかったが、大好きな「ビー・マイ・ベイビー」を演っているということで興味本位で購入。雰囲気としては以前取り上げた 6% is MINE によるジブリのパンク・カヴァー集に近いモノがあるが、説得力溢れるヴォーカルとアグレッシヴな演奏が鮮烈な印象を残した 6% is MINE盤に比べると、このミックス・マーケットの方はヴォーカルも演奏も軽量級でいまいちインパクトに欠ける。曲を単なる素材として扱っているだけのような感じがして、オリジナルへのリスペクトや愛情といったものがあまり伝わってこないのだ。歌詞の一言一句をしっかりと歌い、演奏の重心を下げればもっとクオリティーの高い作品になったかもしれない。まぁカタイことを言わずに「ビー・マイ・ベイビー」のパンキッシュな珍品カヴァーとしてサラッと楽しむのが正解なのかもしれないが...
Mix Market - Be My Baby
コメント (6)