shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ジョン・レノンのギター・ソロ名演特集

2012-12-08 | The Beatles
 ジョージのスライド・ギター名演特集に続いて今日はギタリストとしてのジョン・レノンに注目、よく引き合いに出される「オール・マイ・ラヴィング」の三連符カッティングを始めとするリズム・ギターではなく(←ひねくれ者!)、数少ないながらも印象的なギター・ソロの中から名演をピックアップしてみました。

①Get Back
 私がまだビートルズ初心者だった頃、初めてルーフトップ・セッションの映像を見た時に “何でジョンがリードでジョージがリズム・ギターなんやろ???” と不思議に思ったものだった。 “トゥイッケンナム・スタジオでのリハーサルでジョージがブチ切れてスタジオを出て行ってしまい、ジョージ不在のままジョンがリード・ギターを弾いてこの曲のプリプロダクションを進めたために、ジョージが復帰してからもジョンがリード・ギターを担当しジョージはサイドにまわった” というのが事の顛末らしいのだが、後にジョンはインタビューで “ポールはA面の大部分を自分が取ってしまって申し訳なく思ってソロをくれたんだ。” と言っている。まあどちらにしろ、そういった偶然がすべてプラスに働くのがビートルズの凄いところで、ジョンのドライヴ感溢れるソロといい、ジョージの正確無比なストロークといい、まさに後期ビートルズを代表するロックンロール・ナンバーである。
Get Back (''Let It Be Sessions'' [Reprise]) - The Beatles

The Beatles - Rooftop Concert 1969 (Part 1/2)


②The End
 私にとって「アビー・ロード」最大の聴き所は「ジ・エンド」における3人のギター・ソロ回しに尽きると言っても過言ではない。以前このブログでもソロの順番に関して色んな角度から考察したが、やはり “ポール→ジョージ→ジョンの順で3回” と考えるのが妥当だろう。オーソドックスなフレーズをアグレッシヴにキメるポール、滑らかなチョーキングがめちゃくちゃカッコ良いジョージ、リズム・ギター的解釈の荒々しいプレイが圧巻のジョンと、まさに三者三様の面白さなのだが、B面の大半を占めるシンフォニックな流れの最後にこのギター・バトルを配したところに彼らのロックンロール・バンドとしての意地を見る思いがする。
Rock Band : The Beatles - The End Expert Guitar 100% FC


③And Your Bird Can Sing
 「リヴォルヴァー」は加速度級数的に洗練の度合いを高めていくポールとサイケ路線まっしぐらで不気味なくらい生々しい歌声を聴かせるジョンという対比の構図で二人の天才が実にユニークな音世界を作り出しているアルバムだが、この「アンド・ユア・バード・キャン・シング」もポールの「グッド・デイ・サンシャイン」と「フォー・ノー・ワン」に挟まれながら圧倒的な存在感を誇っている。特にジョンとジョージのギラギラしたツイン・リード・ギターはいつ聴いてもゾクゾクさせられるカッコ良さだ。
The Beatles Rock Band And Your Bird Can Sing Outfit #2 (Budokan)


④Yer Blues
 「ホワイト・アルバム」収録のこの「ヤー・ブルース」は歪んだ音でのたうち回るように唸りを上げる荒々しいギター・ソロが “淋しくてもう死んでしまいたい!” という苦悶の歌詞に拍車をかけ、ブルージーな苦しみを巧く演出している。まさに “フィーリング一発!” を身上とするジョンならではのプレイと言えるだろう。尚、この曲はエリック・クラプトンをフィーチャーした「ロックンロール・サーカス」(←キース・リチャーズがベース弾いてます...)や「ライヴ・ピース・イン・トロント'69」でもやっているので聴き比べてみるのも一興だ。
The Beatles - Yer Blues (2009 Stereo Remaster)

Old Clapton rare with John & Mike old joke


⑤For You Blue
 スライド・ギターはソロになってからのジョージの十八番だが、この曲でジョンはラップ・スティール・ギター(←膝の上に乗せてスライド・バーで弦を押さえて弾くタイプのギターのこと)を使ってブルージーな伴奏を付けており、味わい深いプレイでこの曲に絶妙な彩りを添えている。間奏部分でジョージが “エルモア・ジェイムズ(←50年代に活躍したブルース・ギタリストでスライド・ギターの名手)のコピーじゃないぜ” と笑いながら歌うなど、リラックスした雰囲気が伝わってきてゆったり気分で楽しめるところがいい。因みに私はこのラップ・スティール・ギターというものを映画「レット・イット・ビー」で初めて見て興味を持ち、万年筆を使って(笑)ビートルズ好きの友達とよく “フォー・ユー・ブルーごっこ” をして遊んだものだ。
The Beatles - For You Blue(subtitulado al espaool)

Elmore James - Shake Your Money Maker (with lyrics)
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