あるきメデス

あちこちを歩いて、見たこと、聞いたこと、知ったこと、感じたことなどを…

中公新書「電車の運転」を読む

2009-02-24 22:12:38 | 鉄道
 安全性や正確性、そしてCO2発生がほかの交通機関に比べて少
ないことから、いま鉄道が見直されています。

 最近は、ちょっとした書店にも、鉄道雑誌や図書のコーナーが設け
られるようになり、「鉄ちゃん」ならずとも、鉄道関係の書籍が目に
つくようになりました。

 そんな鉄道関係の書籍としては、少し異色の本が発売されています。
昨年(2008年)5月25日が初版の、中公新書「電車の運転」です。



 最近は7版くらいのが書店に並んでいて、結構売れているようです。

 著者の宇田賢吉氏は、旧国鉄とJR西日本で蒸気機関車、電気機関
車、新幹線を含む電車の常務を経験された運転手でした。



 鉄道の特長から話を起こし、運転操作の基本である、発車と加速、駅
間の走り方、止まる、といった一連の運転操作について、運転手の対処
や、電車の動力装置、走行抵抗、速度制限、ブレーキのシステムなどに
ついて、技術面なども含めきめ細かく述べられています。



 さらに、線路と架線、安全のこと、より早く、運転手の思い、といった章
もあり、技術的解説や運転手の対応、フェルセーフの考えといったこと
なども記されていて、安心して電車に乗れる背景に、膨大な技術や設
備、運転手のきめ細かな対応などが込められていることが分かります。



 勤務に、通学に、買い物に、レジャーや旅行にと、電車のお世話になっ
ている人は相当の数に上ることでしょう。バスや飛行機など、ほかの交
通手段に比べて安全で正確と思われている、電車の運転の背景を知る
ために、好い1冊かと思います。



 いままで、このような本がなかったのが不思議なくらいです。電車の中
で読んで、この電車がどんな技術や設備、運転手の思いで動いているの
かを知りながら、目的地に向かうのも、よいのではないでしょうか。

 「電車の運転」 宇田賢吉著 中公新書 272頁 本体840円

 

 
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