あるきメデス

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関東百駅巡礼歩行 JR東海道線 鴨宮駅(神奈川)

2009-02-22 21:52:07 | 関東百駅巡礼歩行
 2009年2月14日(土)



 関東百駅巡礼歩行の第52番で、JR東海道本線の鴨宮(かものみや)
駅に行く。

 私がこの駅に下りたのは、開通前の東海道新幹線の試乗で、当時の
国鉄鴨宮電車基地に行った昭和39年(1964)の早春だったと思う。
以来45年ぶりになる。

 明け方までの強風と激しい雨が上がり、すっかり好天となった。今日
の参加者は、カメラの私を入れて11人。駅前で記念撮影をして、10時
18分に出発した。


 駅前を南に向かい、下菊川を斜めに横断し、まず酒匂(さかわ)神社へ。

 
 黒松や背の高いクスなどに囲まれた境内に、イチョウの古木がある。
 落ちていた葉を見て、葉の割れ目が深いのと、浅いので雌雄が分か
るという話になった。

 ところが、割れ目が深い方が雌という人と、ズボンのようなのが雄で、
割れ目の少ないスカートのようなのが雌と聞いているという2つの説が
出て、どちらが本当だろうかということになった。

 この先行く方向に図書館マークがあるので、あとで寄って調べることに
して、神社を出る。
 
 国道1号線に入ると、東京から81㎞の標識が立ち、近くに、長い黒へ
いと長屋門のある旧家らしい屋敷があった。 


 その前にある酒匂不動尊の角から、細道を海岸に向かう。すぐ先の空き
地のカヤの木の下に、「明治天皇酒匂行在所(あんざいしょ)跡」の石碑が
立っている。

 明治天皇が箱根行幸の帰路、立ち寄ったところで、名主だった鈴木家が
あり、その後、松涛園という旅館があったことが記されていた。

 海岸に近い松林のところに出たが、西湘バイパスの向こうの海側に回
れない。 


 少し東側に回ったら、バイパスの下をくぐるトンネルがあり、海岸に出ら
れた。朝方までの強風は治まっているのだが、まだ海は波がかなりあり、
ゴウゴウと激しい海鳴りを響かせている。


 砂浜に沿って下菊川の河口まで進み、川沿いを国道1号に回る。国道
の酒匂橋からは、箱根連山の山すそに、富士山が姿を見せてくれた。


 橋を渡って酒匂川右岸の遊歩道を少し進む。気温が上がって暑い
ので、日差しを避けて松林の下で昼食とする。

 12時11分に出発、向こうに見える上流の小田原大橋を渡り、再び
左岸沿いに回った。

 南鴨宮一丁目の住宅地の中にある小田原市立かもめ図書館に行き、
酒匂神社で決着がつかなかった「イチョウの葉による雌雄鑑別法」につ
いて調べることにした。

 司書の方も何冊か植物図鑑などを調べてくれたが、葉で判定するこ
とを記したものは見つからない。結局、小田原評定は「雌雄決せず」と
いうことになった。

 工場の構内に大きなコンクリート製の輪が飾ってあるPS三菱の工場
横から、JR東海道線と新幹線の下を抜けて北側へ出た。

 新幹線沿いにある明治製菓の工場横を東へ進む。鴨宮の古い住宅
地に入り、加茂神社に寄る。

 境内は狭いが、太いケヤキとイチョウがご神木として祭られていた。

 新幹線のそばまで進み、左折して北へ。両側に広い敷地でりっぱな
建物の民家が並び、その中にかやぶき屋根の家が残っていた。庭の
梅も、なかなかの古木である。

 奥様が道路を掃除していたので、お断りして庭に入り、建物やよく手
入れされた広い庭を拝見する。

 さらに、南側の別棟の玄関先に飾ってあるという、ひな人形も見せて
下さった。

 これは、奥様がお嫁入りしたときに持参したものとのこと。ほかに数組
のおひな様が飾ってあった。

 「すぐ先に、もっとりっぱな文化財のかやぶきの家もあります」と、I さん
の奥様はご案内して下さる。しかし、大きな門は閉ざされ、庭に入って見
ることはできず、門のすき間から勝手に撮らしてもらう。

 安政4~5年(1857~8)建築のもので、戦後、三越の社長など、財界
で活躍した岩瀬英一郎氏の生家。小田原市文化財に指定されていた。

 岩瀬邸の角を西に向かう。近くの光照寺には、市天然記念物で、樹齢
300年というヒイラギの古木が立っていた。

 その先は新興住宅地で、住宅が尽きた北側は田園地帯。丹沢や箱根
などの山並みの展望が広がり、ナノハナが咲き、柿畑などもあり、距離は
わずかながら、気持ちよいカントリーウオークのフィールドになっていた。

 国道255号を越えて飯泉の集落に入り、坂東三十三観音霊場第五番
札所の勝福寺(しょうふくじ)に行く。 

 「飯泉観音」とも呼ばれ、父の仇討ちで知られる曾我兄弟は、ここの
仁王門に納められている仁王像から力を授かった、といわれていると
のこと。

 また、篤農家として知られる二宮金次郎は、文化元年(1804)、18
歳のときに参詣し、観音信仰に目覚めたという。

 広い境内には、ケヤキ、ムクノキ、イチョウ、クスノキ、カヤなど木々が
豊富だが、特に本堂前のイチョウは、高さ30m、胸高周囲7.5m、推
定樹齢700年の巨木で、遠くからも目に入った。


 境内にはほかに、寛文6年(1629)製の銅鍾や、宝永元年(1704)
製で竜頭船の形をした青銅の水鉢など、貴重な文化財が目につく。

 宝暦8年(1758)造営で、県下でも最大級という堂々たる仁王門を
出て、酒匂川の左岸堤防沿いに出た。

 逆光に霞む箱根連山などを見ながら、国道255号の飯泉橋を渡る。 


 酒匂川の右岸堤防を下水処理場のそばまで進み、扇町五丁目へ。住宅
に囲まれた梅畑の梅が見ごろだった。

 ちなみに、小田原は関東でも有数の梅の産地。途中でも見ごろな白梅、
紅梅をあちこちで見た。

 近くの大雄山線 五百羅漢駅から皆さんは帰路につく。私は、少し先の
小田急線足柄駅に14時59分に着いた。

 (参加 11人、天気 晴後快晴、距離 11.5㎞、地図(1/2.5万)
 小田原北部、歩行地 小田原市)


 この日、小田原市の最高気温は26.1℃になったとか。2月としては
新記録となる高温で、シャツを腕まくりしても暑かった。

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