魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

タワマン

2022年11月11日 | 日記・エッセイ・コラム

高層ビルからの転落事故が止まない。一月一回ぐらいの事故があると言うから驚く。
高層とかタワマンとか言うらしいが、住人はパワマンのつもりだろう。
近藤春菜が、夢のタワマンに住んだら、住人環境の居心地が悪くて、庶民的な町に引っ越したと話していた。
南青山に児童相談所を建てる話が出たら、住民がステータスが傷つくと猛反対したそうだ。昔、仕事の都合で南青山にいたことがあるが、戦時中生まれの地元の人が麻雀をしながら「俺ンチあの道路のあたりにあったんだ」とポソっと呟いた。勝手にステータスだと思っている新参者は古今東西どこにでもいる。

ガムシャラにガンバる人は、案外、何のためにガンバっているのか解らないから、何か証が欲しい。宝石、豪邸、高級車から勲章まで、勲章がなければ「自分へのご褒美」にする。
すると、そのニーズに目を付けた亡者が「王様、これが目に見えない服です」と騙して金を儲け、その金でまた豪邸に住む。歌舞伎町のホストと客のようなサイクルが回っている。
こういう世界から離れることを解脱という。近藤春菜は悟って解脱したのだ。

タワマンも、ただ見晴らしが良いだけではなく、ガンバリの証のパワマンであり、不正直不動産の売る「見えない衣装」だから、ホストと客の勝手な世界と言ってしまえばそれまでかも知れないが、その高層から落下して命を落とす子供には何の責任もない。
ニュースでは、子供が窓に近づかないようにする話で終わっていたが、これは、建築業者の問題だ。
二階建てぐらいならまだしも、高層を売り物にするような住宅には、落下防止の対策を義務化すべきだ。それを外すのは住人の判断に任せるとしても、防火対策並みの基準があっても良いし、それで高くなるなら、お客様も、なおさらにお喜びになるだろう。