魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

ドンデン

2020年05月09日 | 大転換
アメリカの老舗デパートなど、コロナショックで、倒産する企業の中には、それ以前に既に苦しくなっていた企業も多い。これは既に死んでいた大木が台風で倒れるようなもので、伸び始めた若木が折れるのとは意味が違う。
大きな嵐の後、再建後の新しい景色はどうなるのかをよく見極めて、資金投入する必要がある。経済救急救済のトリアーシだ。
もちろん、個人の救済とは別問題であり、産業別の再建強化策の話だ。

今回の経済災害の後、世界はどう変わるか。これは第二次大戦の後、世界がどう変わったかを思い起こしてみるのがわかりやすい。一番大きな変化は国際基軸通貨のポンドからドルへの移行だが、環境は既に第一次大戦後に生まれていた。
今、既に起こっている環境変化といえば、仮想通貨の出現で、それを先取りした中国が元の仮想通貨化を目論んでいる矢先、コロナ災害を自ら起こした。
これは偶発事故だろうが、失うものがない中国は、大チャンスと捉えているだろう。
しかし、そう簡単な答えに結びつかないのが、今回の歴史的大災害だ。

大局的に見れば、いよいよ、産業革命パラダイム250年の大転換であり、もしかすれば、もっと大きな、大航海時代に始まった、グローバル化の大転換なのかも知れない。
産革パラダイムの終わりであれば、通貨概念の転換であり、グローバル世界への転換であれば、通貨の消失だ。
いずれにせよ、当面はドル体制の沈下であり、銀行時代(金融政策)の終わりだ。
仮想通貨が大きくなるに従い、基軸通貨の意味が薄れ、経済覇権の形が変わる。
中国の狙いは、アメリカのドルの力を削ぎ、製造、物流の実物経済で覇権を握ろうというものだろうが、チャンスが少し早すぎた。世界が、製造の中国依存から手を引けば、皮算用に終わってしまう。つまり、世界の出方次第だ。

何はともあれ、このドサクサを経て起こることは、社会の仮想化であり、Aİ、デジタル、ロボット、自動化と、「仮想パラダイム」が始まる。
安い労働力はロボットに代わり、通勤や旅行や物流も形が変わり、移動インフラ全体がガラリと変わる。
これらの運用のために、社会は、高度にAİ管理されることになるが、中国がやって見せている人民管理は、始まりの始まりで、デジタル社会に向かう試行における錯誤に過ぎない。包丁は殺人鬼が持てば凶器になり、料理人が持てば利器になる。

コロナ大恐慌時の、経済救急救済のトリアーシで、真っ先に救うべきは、デジタル関連のベンチャーで、これは実績に関係なく救い、逆に、最後にするのは、デパート、仲買、金融機関、不動産、イベント会場など、産革パラダイムの屋台骨だったような分野だ。
社会概念のドンデン返しが起きる時、通貨と同様、未来社会にはほとんど必要のない遺跡になるだろう。