魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

謀略の鬼

2020年04月18日 | 日記・エッセイ・コラム
頭にきたトランプは、WHOへの資金拠出を停止した。国際機関がおかしな動きをするのは、今に始まったことではない。年々おかしくなっている。
アメリカの言い分は、アメリカのために働けと言っている訳ではない。公平であれと言っているだけだ。

しかし、既存の知識やシステムを使うのは、中国の方が何枚も上手だ。中国だけではない。在るものに逆らわない東洋の自然主義は、発明よりも利用に長けている。
人間主義の欧米は、人の手で国際機関を創ったり、ルールを作ろうとするが、自然主義の東洋はルールには逆らわず、変えようとは思わない。
枠の中で努力する日本。抜け道や利用を考える中国。ルールは方便に過ぎない朝鮮。いずれも、欧米のようにルールを自己実現の武器とは考えていない。

在るものを使う中国は、日中戦争の蒋介石が、日本と対決する連合軍を味方につけ、共産党は国連やWTOへの加盟にこだわった。在るものに逆らわず、「利用」に知恵を絞るのは、その後の「パクリ」産業立国に通じる、リアリズムでもある。
金を得て国際的立場が向上すると、あらゆる国際機関に手を回し、既存の環境を徹底的に利用しようとしている。
アメリカが支配権行使の、名目上の国際組織と考えていたものを、中国は、名目組織そのものに入り込むことで、国際正義という建前を盾にしてアメリカに対抗しようとしているのだ。
中国のトップは、組織内で成り上がった、謀略の鬼だ。国際組織に関われば、水を得た魚になる。というより、ウイルスだ。人間に入り込んで増殖する。

ルール作りしかできない欧米
思い通りにいかなければ、ルールそのものを変える欧米は、その裏付けとして、何らかの「力」か「妥協」を必要とするが、既存組織を利用する中国は、組織内に入ってしまえば、相手の力を利用して、知恵や謀略を駆使する。5000年の老獪な知恵だ。
トランプの拠出金停止は、「金」の力による、ルールのごり押しだが、そのルールに入り込む中国には勝てない。結局は、ルールの変更か、新ルールの創設でしか対抗できないだろう。
一方、中国の苦手とすることは、ルールの創設や力の行使だ。一帯一路や海洋進出は、かえって中国の足元をすくう。
中国が火をつけたこの状況の場合、米中どちらが有利かといえば、国際組織の建て前に食い込んで勝負している中国のほうが、どう見ても有利だ。

やはり、自分の土俵で戦う方が有利ということだろうが、日本の得意技は、格闘技でもなければ、たぶらかしの水商売でもない。しいて言えば、縁日の曲芸師だろうか。面白おかしく人目を引きつけてなんぼだから、黙々と自分の技を磨くしかない。