魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

一白世界(3)

2013年09月11日 | 日記・エッセイ・コラム

先日、「一白世界(1)、()」で、「七つの会議」の話をしたが、
同じ作家の「半沢直樹」が大好評なので観てみた。
大爆笑しながら観てしまった。
先日話した通りの、ワンパターンで、しかも、マンガ仕立てだ。

どう考えても、藤沢周平をパクっている。でなければ、よほど感化されているか、一白にかかると、やはり全てこの調子になる、としか言えない。
そう思いながら観ているから、シーンや台詞一つ一つに、『また、でた また、でた 』と、大爆笑してしまう。

今年の流行語大賞に、すでに事実上ノミネートされた
「やられたらやり返す。倍返しだ

この台詞は原作に有るのか無いのかは知らないが、作品全体をよく象徴した、「天に代わって鬼退治」や、「この紋所が目に入らぬか」と同じ種類の、TVドラマの決め台詞だ。

こういう点でも、勧善懲悪の時代劇や、やくざ映画の伝統パターンを良く再現している。

ことに、「やられたらやり返す」は、一白の真骨頂で、人間関係の情に生きる一白は、誰かの「お陰」と感謝する反面、誰かの悪意に「やられた」と思い込みやすい。
また、一白は会社の部門で言えば「事」だが、社員の心情を気づかいながら配置を決める。裏返せば、情による支配と被支配の繋がりに生きるので、主従の親分子分関係が大好きだ。

したがって、極めて優しかった人が、いつの間にか独裁的で、高圧的な態度になる。大学教授のセクハラ事件なども多い。

安倍一白内閣
一白の、いかにも「切れ者」風の行動は、有力な人材に幅広くコネを繋いでいるからだが、実は自分自身は、その関係を操るのが主体で、地味な作業は人任せだ。
人材に頼り切っているから、言葉が確信的で、行動が早い。
半沢直樹の中でも、常に、上下の人材が息を合わせて動く。

一方で、情に流される傾向も強く、第一期安倍政権では「お友達内閣」と揶揄され、それで失敗した。
今回は六白の麻生を馬にして、派手な甲冑で自在に走り回り、大活躍だが、内心は前回の失敗の「倍返し」を目論んでいるのだろう。

半沢直樹のように、段取りの良い胸の空くような活躍ばかりイメージしていると、社長がコケたり、思いがけない大事件で、大外から足をすくわれないとも限らない。
実際、オバマ社長はコケそうだし、原発、国債、世界景気、大災害・・・と、今まさに地雷原を歩いている。

「倍返し」はあくまで小説だ。
好事魔多し。あまりに素早い、あまりに手際の良い、うまい話は、かえって危ない。われらが「安倍直樹」が腹痛にならないよう、ハラハラドキドキしながら祈っている。