魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

複合現象

2013年02月20日 | 占いばなし

以前も書いたが、星の吉凶作用の話題として、もう一度。

吉凶二つ以上の要素が同居するとどうなるか
四柱推命などでは特によく言われるのだが、凶星があっても、それを打ち消す別の凶星や、あるいは、別の吉星が同居すれば、凶が打ち消されるという考え方が一般的にある。

例えば、「冲(180゜)があっても、空亡していれば凶が消える」などが典型だが、これではアバウトすぎる。

四柱推命を知らない人のため、少しだけ解説すると、
十二支が、子-午など真反対の位置に在る場合(惑星で言えば180゜のオポジション)。かつ、いずれかの支が空亡しているような場合。
空亡とは、巷で大殺界や天中殺で知られるもの。10干12支を順次組合せると、余る2つの十二支。(例:甲子で始まれば戌と亥が余る)
空亡は虚しく亡ぶ、その人本来の能力が失われるとされる十二支。

悪い配置があっても、空亡が悪い要素も削ぐので、凶が消えるという考え方は、「香水をまけば硫化水素が無くなる」みたいな話で、はなはだ危険だ。  臭いはごまかせても、毒性は消えないからだ。

確かに、火事と破産が同時に起これば、一度で済み、順番に起こるより、ダメージは少ないかも知れないが、どちらも確実に存在する。
悪いことが起こったら、寝ている方が良いみたいな話でもある。

どうせ悪いのだから、居直って寝てしまえば、良いか悪いか?
良い場合も悪い場合もあるが、起きていれば、少なくとも逃げることはできる。寝るとは空亡の例えだが、本当に寝込むのと、動物や忍者のように寝て起きているのとは、結果が多少違う。

通常、「冲」は、肉体、精神、行動が過剰反応し、不安定になり、破壊や不幸につながる。
「空亡」は、本来の能力や作用のウラ目の時だから、「冲」による動揺が100%では起こらない。
しかし、怒って刀を振り回せば怪我をするからと言って、寝とぼけて振り回すのなら、狙いが付かないから怪我をしないと言うことには成らない。

寝とぼけた人間が刀を振り回すのは、正気の人間が振り回すより、危険な場合もある。
二つの要素の同居によっても、相殺にならないのは、つまりこういうことだ。様子は違うが二つの要素は消えるわけではない。

もちろん、一つの要素だけの時とは様子が違うから、二つが組み合わさった場合の効果や結果は、双方の要素の「取り合わせ」として考えるべきものだ。塩とコショウを組み合わせると別のテーストになる。

あらゆる占いに、この組合せの変化を考慮しなければならないが、
何も占いだけではない。様々な機器や組織、人間の行動は、すべて、複合的な要素が絡み合っている。
物事すべて、単純な原因と結果で割り切れるものではない。

・・・と、こういう考え方は、日本人の得意とするところで、中国人は逆に、複雑な事象を陰陽論のように単純化して考える。
日本人から観れば、理解不能のバカげた行動パターンは、悠久の視点に立てば、大きく的を射ているのかも知れない。

野田前総理が「大局」を口にして、ますます中国政府を怒らせたが、中国人にしてみれば、大局とは人間のあずかり知るようなことでは無いからだ。
信じたことをする。後は天にまかせる。どうもそういうことらしい。