魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

三人兄弟

2012年03月10日 | 兄弟関係

男の子三人兄弟がいた。長男は、その辺りでは相手がいないほど喧嘩が強かった。三つ年の離れた、次男と三男はお兄ちゃんに憧れていた。
ある日、末っ子が年上の子に悪態をついて怒らせ、脅されて逃げ帰ってきて次男に話すと、すぐ、長男に、三男がやられた話をした。

長男はそれを聞いて、
「どこにいるんだ」と、弟達を従えて、駆けだしていった。
横町まで来ると、長男は相手を見て、
「あ、あれはダメだ」と、帰り始めた。
弟たちは、なんでお兄ちゃんが仕返しをしてくれないのか、解らないまま付いて帰った。
相手は高校生で、お兄ちゃんは小6だった。

これは、子供の頃に実際にあった話だが、それを話してくれた三男は、お兄ちゃんにもかなわない相手がいることを知って、笑い話で話してくれたのだった。

その時にも、漠然と何かを感じたが、兄弟関係のことなど考えたことも無かったから、忘れていた。何しろ小学校低学年のことだ。

ふと思い出すと、この件なども、全く兄弟関係の典型だ。
お兄ちゃんは、常に、弟を従え、面倒を見てやらなければならないと思っている。そのリーダシップも、喧嘩が強くなった一因でもある。

末っ子は、自分も兄と同じように、強くなったような気になっているから、見境無く喧嘩を売る。
中間児は、見境無く喧嘩をしかけるようなことは無いが、上と下のマネージャーとして参加し、三兄弟の一翼を担って、近所ではちょっとした顔だ。
長男は試行錯誤しながら、喧嘩に強くなったので、身の程は心得ている。

末っ子は、兄が、コントロールしていることには全く気づいていない。それどころか、兄の力が及ばなかったことに、ガッカリしながら、それを笑い話として捉える。自分自身、恥をかく意識より、笑いを取った事に価値を感じるからだ。しかし、兄にとっては、かなり顔が潰れた事態なのだが、それは知らない。

この、下の子の無責任、無鉄砲は「始末は誰かがしてくれる」生い立ちから来ているが、勢いはあるので、上の子にはできないことをして、大成功をすることがある。この場合、必ず、それを支える上や下の人々がいる。

中間児は、常に№2のマネージャーとして認められ、成功する。面倒見の良いマネージャー癖は、とても親切だが、イジメの仕掛け人にもなる。とにかく、目立たないことが、得になることを知っている。

長子と末っ子は、中間児のような「賢さ」は無い。どっちにしても表だった言動しかできない。長子は末っ子の尻ぬぐいで窮地に追い込まれることが少なくないし、末っ子は尻ぬぐいする人がいない時は、あっけない最後になる。
また、ともに裏が無いから、正面切った大喧嘩をし、中間児が漁夫の利を得ると言うことも良くある。