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東窯工業タイル見本室と最後のお別れ&拓本とりに

2022-06-11 | 建築巡り・街歩き【愛知・岐阜】

いよいよ昨日から東窯工業旧事務所棟のタイルの切り出し救出作業が始まった。
数日前にタイル見本室との最後のお別れと、拓本を採りに伺ってきた。
事務所の中は以前あった机や棚などが撤去されて、タイルが全て見える状態に。


事務所棟の中で、この状態で見ることができるのはこれが最後であるので、
まずは一枚一枚のタイルを写真に収める。


三本杉がモザイクで描かれた杉江製陶所のマークモチーフのデザイン。


以前は机などがあった為、隠れて見えなかったタイルも。










































そして見学会の際には、什器や荷物に隠れてほとんど見られなかった第二室の
クリンカータイルの部屋。


この中でも特に、入口に敷かれてる小ぶりのクリンカータイルが好き。
ダークブラウンに紫がかった色合いがいいなあ。


お隣は、少し大き目の赤っぽいブラウンのクリンカータイル。


手前のデザインはあまり見かけない。


クリンカータイル部屋の中に少し、無釉タイルも混じる。


こちらはキャラメル型(と勝手に呼ぶ)
一つ一つのマス目には細かく網目模様が入る。


無釉タイルが2パターン。
この蜀江文様柄は、今自分でも作ってるタイルのテーマのひとつ。


そして第三室。
こちらは窯変がすばらしい風合いを醸し出している美しいタイルが敷き詰められた部屋。



奥の方は以前テーブルや物が置かれ、埃も厚く溜まっていたが
お掃除のおかげで全貌が現れていた。
奥には明るめのタイルがまとまっている。


本当に何度見ても惚れ惚れするタイルたち。















端に溜まる釉薬の美しさ。








一番奥の網代に組まれたタイル。


一通り写真に収めた後は、フロッタージュを。
紙の上からタイルをなぞり、何度も塗り重ねると浮かびあがってくるシルエット。
そのシルエットにはタイルの現物とはまた違う美を感じた。





一人静かにタイルと向き合い、無心になれる至福のひとときを過ごすことができた。


フロッタージュをした後、解体が進む構内を少し案内して頂けた。
建物がいくつか密集していたはずの構内が、もうすでにガランとただっ広い
広場になりつつあって、あっけなさと寂しさを感じる。


蔦の絡まる2本の煙突とがれきの山。


最後に取り壊されるという双子窯がポツンと残されていた。


双子窯の内部へ。


窯の内部は塩釉が積み重なり、独特の味わいと景色が生み出されていた。






移動し、こちらもまだ残っている4階建ての棟、
土管の型枠やモザイクタイルの貼り板など、様々なものが
発掘されたという所。





タイルなどの乾燥に使われたのではないかという棚。


ガラス越しに外のやわらかな緑が目に入った。


屋根の上には無造作に土管が転がる。
屋根の棟瓦として土管が使われていたのだとか。


屋根越しに2本の煙突を眺める。


事務所棟第1室のタイルをコラージュしてみた。
あらためて、さまざまなデザインのモザイクタイルを一同に見渡すことができる本当に稀有な場だったということを再認識できた。
今後、できるだけまとまった形で再びお目見えする日を待ち望みたい。




残念ながらこちらの工場とタイル見本室はなくなってしまいますが、
今後、これらの美しいタイルたちを少しでも多く、より良い形で保存公開できますように、杉江製陶所「見本室タイル」緊急救出プロジェクトのクラウドファンディングにご協力をお願いします。詳細はこちら→


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