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岐阜の続き・・今回の旅のもう一つのメインは、岐阜の「迎賓館サクラヒルズ川上別荘」萬松園の見学ツアー。
萬松園は昭和8年、川上貞奴が菩提寺である貞照寺に年三回の参拝時に滞在する為に建てられたという別邸。
貞奴自ら内装に4年かけて完成したというこだわりの26部屋は、細部に渡って趣向が凝らされ、見どころ満載の建物だった。
各部屋、解説を聞きながら、案内して頂いた。
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茶色く見える建物の屋根瓦は、特注の鋳物製だそう。実物が庭の片隅に置かれてて、触らせてもらったが、ずっしり重く、当時は、今の値段で1枚3万円ほどもしたとか。
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「桐の間」は天井も高く、折り上げ天井、桐文様の透かし彫りの入った欄間、
福沢桃介と開発した桃山発電所の風景が描かれた襖絵があり、
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三間の広い畳床、壁面は打雲紙貼りが施され、花頭窓も。
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源氏香をモチーフとした襖の引手。
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「梅枝の間」には杉戸に、中国風の意匠「胡蝶の夢」をテーマにした絵が描かれ、皮付きの赤松、大きな節が現れたこぶしがインパクトのある天井が見られた。
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最も興味深かった部屋は、中国風の「藤袴の間」。
ガラス戸に雷文、羅漢竹で氷割れ文様がデザインされ、
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金唐紙が使用された引戸や、棚板の裏の見えない部分にも施された網代など、細部にまで、行き届いた細工がされている。
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ガラス戸の下部は、蝙蝠の意匠で細かく編み込まれ
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天井の網代も渋い。
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仏間として使われていた「御法の間」は、天井には天女が描かれ、
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襖に金泥で描かれた菩提樹から、
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腰壁に描かれた蟻の行列が仏間を回り、菩提樹へ戻る様子は、輪廻転生を表している。
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こちらのお部屋は船底天井に、大きな欠け円窓があり、絣のようなデザインの竹節の桟が入っている。
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そして唯一の洋室のサンルームは、床がタイル貼り。
窓ガラスはひし形のステンドグラス。外の庇も、光が取り込めるよう、
ガラスの庇が使用されている。
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床は、つやつやと光沢のある、グレー~黄土色のタイルが貼り巡らされる。
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広い風呂場には、木製の浴槽が二つ。床と腰壁にはタイルが使用されていた。
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茅葺屋根の民家風の部屋も。
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部屋毎に趣向が凝らされた引手いろいろ。
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廊下の壁にかかる、鳳凰の彫刻が施された額は、
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蓋を開けるとスイッチプレートが隠されているなど、見た目の細やかな配慮がされている。
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他では見たことのない金属の板を透かし彫りし、扉の装飾に使用したものも。
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4年間かけて、内装を手がけたと言われるだけあり、ひと部屋ひと部屋、細部にまでこだわりが感じられ、とても見応えのある建物だった。