転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



舅も姑も、家紋には全く関心がなかったようで、
主人は成人しても、家の紋が何なのか全然知らなかった。
私自身も、今時、紋がどうだろうが、日常生活には全く関係ないと思う。
しかし墓石に家紋が入っていない、というのは、石屋さんによると、
「そですね、五十基に一基くらいスかね」
という話だったので、やはり、これは威張れた話ではなかった(^_^;。

私の実家は、「二重亀甲に梅鉢」という図柄の紋なのだが、
これは「男紋」で、使うのは父だけだった。
母と祖母は、自分の紋付に、めいめい違う紋をつけていた。
女は未婚既婚問わず「母方の紋」を使うことになっていたからだ。
父親や息子達は家に代々伝わる家紋を受け継ぎ、
妻と娘達は、妻が実家からつけてきた家紋を使う。
妻が実家からつけてきた紋というのは、
元を正せば妻の母がお嫁入りのときに自分の母から貰った紋で、
娘達が、また、それをそのまま結婚の際につけて出る。
つまり、うちの田舎では、和服につける家紋に関しては、
徹底した「男系」「女系」の区別があったわけだ。
なんしろ凄い辺境で、土着民だけで暮らしている村だから、
こういうことは綿々と受け継がれて、変わることがなかったのだ。

ところが、私の母方の祖父の生家がある北陸の一地域では、
また少し事情が違っていたようで、母の話によると、
「嫁入りのときには実家の紋をつけて来て、
結婚後は、婚家の紋を使う」
というのが妻側の決まりだったそうだ。
つまり、女性は、独身ならば父親と同じ紋を使い、
結婚したら夫と同じ紋を使う、ということだ。
これはこれで、一家族につき家紋が常にひとつで、
かつ、姓と紋が一致しているので、わかりやすい、
という良さはあったのだろうと思う。
全国的には、こちらのほうが一般的な考えかもしれない。

まあ、実家のキッコーマン柄には、私は全く関心はないし、
母親と娘とが同じ紋を使うほうが、
着物が使い回せて経済的なのではないか、と思うので、
娘には、実家の母の着物をそのまま譲ればいい(娘、迷惑?)
と考えている。しきたりの細かい家に嫁ぐことさえなければだが。
ちなみに私自身の和服は色無地と喪服しかない(爆)。

さて、そんなことは、今、どうでもいいのだ。
当面の問題は、このほど建てる、うちの墓石にどんな紋を彫るかだ。

私「同じ名字の親戚の墓、どっかにないの?」
夫「昔、オヤジが墓参りに行きよった記憶はあるんじゃが、
 ……車がないと行けんようなとこだったような」
私「ま、まあ、車で到底行けない、墓参りが登山、
 という私の実家よりずっと良いよ。行って紋を見てこようか」
夫「でもワシ、あんまり場所をよう覚えとらんよ」
私「誰に訊いたらわかるかね」
夫「……………」
私「……………」


とりあえず、うちの墓は、「五十基に一基」のタイプになりそうだ。

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