転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



現地時間では、まだほんの何時間か前の出来事なのだが、
イーヴォ・ポゴレリチが、12月14日金曜日の夜、
パリ19区104文化センターでリサイタルを行った。
そして、それをお聴きになった方々のご感想を、英語や日本語で、
今朝は起床直後から次々と、ネットで読ませて頂くことができた。
日本時間の昨夜、この演奏会に出かける前にパリ在住の友人某氏が、
「果報は寝て待て」
との言葉を残してネットから姿を消されたのだが、
うむ、全くもって至言であった!

皆様のご感想から、私は、
「自分が5月に聴き取ったものは、やはり間違っていなかった!」
という確かな手応えを得ることができた。
これが何より嬉しかったことだった。
演奏家としてのポゴレリチは今、かつてなく充実した状態にあって、
彼の追求する世界はますます色濃く、個性的に輝いているようだ。
プログラムは結局、主催者サイトの記載通りで、
前半が、ショパンのソナタ2番、リストのメフィストワルツ、
後半が、ショパンの夜想曲作品48-1、リストのロ短調ソナタ、
アンコールは無し、……ということで来日公演と同じ構成だった。

私の期待したオール・ベートーヴェンのプログラムは、
まだ「出し惜しみ」状態のようだが、それも良いと思う。
彼は若い頃から、次々と新しい曲を弾くピアニストではなかった。
むしろ、限られた同じ曲と長く一緒に過ごす過程で、
見事な熟成そのもののように、
完成度の高まっていくところを聴かせてくれるのが、
ポゴレリチという演奏家の醍醐味なのだ。

ちなみにこのところ、しばしば興味深く思っているのは、
彼を80年代にしか聴いたことのなかった方が
久しぶりに今年のリサイタルを聴かれると、大抵、
「やっぱり相変わらず凄いですねー!」
という方向で、褒めて下さることだ(笑)。
なるほど、途中を全部すっ飛ばして、
最初と最近だけをダイレクトにくっつけると、そういうことになるのか。
いや、もう、正味の話、ここに来るまでの間と言ったら、
ホントにえらいことだったのだ、特にこの数年!
「無限」地獄とか、百物語とか!知らんだろうけど(^_^;!!

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