転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



ビタミンカラーのガーベラの花束を買った。
今日明日、巧くいけば明後日も、神社や実家に行かなくて良い。
有り難や~~(T_T)。こんな日も無いとね。

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昭和の民なら分かってくれると信じてる 缶クッキー独り占めのロマン(おたくま経済新聞)
『ちょっとした特別なときやお中元お歳暮などで家へとやってくる「缶クッキー」。子ども時代の私にとってはとても特別な存在でした。』『3人きょうだいという事もあり、食べるときはもちろん「均等に」山分け。』『そんな子ども時代を過ごしてからうん十年……。すっかり当時の事なんか忘れきっていたのですが、ある日訪れたスーパーで偶然にも「缶クッキー」の特売が行われていました。記憶ってすごいですね、子どもの頃みた缶デザインに似ていた事もあり、見た瞬間思い出がぶわっとよみがえってきました。』『次に出てきたのが「今なら“誰にも邪魔されずに独り占め”できるんじゃ?」という欲望。』『あの頃夢見た「缶クッキー独り占め」が、大人になった今だからこそできる事に気がついたのです。』

私の日記に食べ物ネタが少ないことからも明らかなように、
私は元来が、「食」はどうでもいい人間だ。
健康管理上の栄養面の問題に関心があるだけで、
工夫したり手間暇かけたりして、より美味しいものを食べたい、
という熱意は、日常的にはほとんどない。
しかし、そのような私でも、上記の記事内容は理解できる。
子供の頃に特別だった品には、今でも奇妙な憧れや執着があるのだ。

写真の、丸形の缶のクッキーには、私も見覚えがある。
ロイヤル・ダンスクの青い缶のクッキーではないだろうか。
しかし私にとってはそれよりも、泉屋スペシャルクッキーズのほうが
ハッキリとした、しかも結構切ない記憶となって、心に残っている。
上の記事を読んで、そのことを久しぶりに思い出した。

私は一人っ子だったので、きょうだいと分け合うことへの不満を
日々の生活で経験することは無かったのだが、それ以前に、
「戴きものでなければ、決して我が家にやって来ない品」
というものが、いくつかあった。
泉屋スペシャルクッキーズはその最たるもの(大袈裟)で、
私にとって大変魅力的な品であったにも関わらず、
母が、「乾いたもんなんか美味しぃない」と常々言っていて、
クッキーとかビスケットなどのお菓子を家で買うことは無かったのだ。

泉屋スペシャルクッキーズは、贈答品などで忽然と姿を表すのだが、
神棚に供えられていて、開封する日は親が決めることになっており、
夏休みや正月など、親戚やイトコたちが来ていて大人数のときが多かった。
「乾いたもん」が嫌いな母は、家族だけのときには
食べきれないと考えて、そういう機会を選んでいたのだろう。
もちろん、皆で食べるので、クッキーはあっという間に無くなった。

母の好みは、和菓子では「練り切り」とか、
洋菓子でも「洋ナマ」、つまりショートケーキの類いだった。
私もそれらは別に嫌いではなかったのだが、
誕生日だとか祭だとかには買って貰える可能性が高かったので、
年に一度、登場するかどうかの泉屋スペシャルクッキーズの貴重さと、
それへの絶ちがたい憧れには、及ばないものがあった。
私は、泉屋スペシャルクッキーズへの憧憬を抱いたまま成長し、
学生の頃でも、百貨店の地下などで泉屋のコーナーを見ると、
何かとても好ましいものを感じたりしていたものだった。

時は流れ、今や私はレッキとした大人、というか、
かつての、小学生だった私の母の年齢を、遙かに超える婆さんになった。
母は、私よりもっと婆さんになり、私のほうが保護者になったので、
彼女はもはや、私のすることにとやかく言わない。
私は、誰かの許可を得なければ、クッキーを買って来られないとか、
それを開封できないという立場ではなくなったのだ。
今更自覚を新たにしたのだが、たとえ贈答品レベルの品であろうと、
現在の私には、自分の食べる菓子を自分本位に決定する自由も、
思いつきでそれを購入する財力もある(笑)!

――ということで、私はこのほど、ささやかな決意をした。
次に何か、自分の節目とか、自分をねぎらう必要のある日が来たら、
私はきっと、泉屋スペシャルクッキーズの、いちばん大きな缶のを買おう
5000円超するが、どうってことはない、宝塚大劇場のA席相当ではないか。
今の私には、一存で買える!

『「独り占めした事実」だけを満喫できればいいのです。』『誰にも邪魔されず、誰の手も伸びてこずに、一人でゆったり向き合える缶クッキーとの時間。あれから四半世紀以上の時がすぎて叶えた時間はまさに至福。』『「独り占めした」という体験を得られただけで大満足。』『あの頃の私に教えて上げたい「大人になって夢を叶えたよ!」と。』

まさにコレだ。子供の頃の夢を、今、叶える(笑)!
幼い頃、おそらく多くの人が、親が良いと判断したものしか与えられず、
家族やきょうだいで分け合わなければならず、
自分の望みどおりに買って貰ったり食べたりすることができなくても、
そういうものだと思いながら過ごした筈だ。
育てて貰っている間は、我慢せねばならないことが多いのは致し方ないのだ。
私自身も娘に対して、きっと抑圧的な親であったにちがいない。
しかし、一旦、自分が大人になりさえすれば、すべては思い通りだ。
この程度のことなんて、過去のあれこれは自由自在に、
取り返せるのであり、やり直せるのである(笑)。
例えばガチャガチャだって回し放題!食玩なんか大人買い!
大人になるって、トシを取るって、素晴らしいことですねぇwww

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