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転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



松緑が講談からの翻案を手がけた2作目、
『俵星玄蕃』を見逃したくないと思い、
また、行く以上は舞踊の『猩々』も観なければと、
22日23日の一泊二日で歌舞伎座に行って来た。
観た順は、22日が第三部の『猩々』『天守物語』、
23日(本日)が第二部の『爪王』『俵星玄蕃』。

猩々の松緑はあまりにも愛らしく(!)、
俵星玄蕃は打って変わって「格好いい!」が炸裂していて、
実に見応えのある二日間であった。行って良かった!!
勘九郎・七之助の中村屋兄弟の充実ぶりも素晴らしかった。
勘三郎亡きあと、苦労していることは傍目にも感じていたが、
なかなかどうして、二人ともそれぞれに華もあり存在感もあり、
一回りも二回りも大きくなった舞台姿に、感じ入った。

今回、『俵星玄蕃』は余すところなく観尽くしたいと思い、
2等席を奮発したのだが、快適さを最優先し、
一計を案じて「1階最後尾のヘリ」を取った。
これが大正解であった。
周囲に人がまばらで隣もおらず、私の目の前を遮る観客も居なくて、
ストレスフリーの観劇をすることができた。
舞台を観るのに、欠けたところのない視界ってイイもんですね(^_^;。
私はとにかく上背がないので、真ん前に人が居るだけで、
見える舞台が半分になりかねず、いつも苦労して来たのだ。
歌舞伎座1階の2等席は、17列のカド番が取れなければ
22列の端っこ一択だなと、今回学んだ(^_^;。
もし私が東京在住で、同じ演目の二度目があったら、
次は幕見のお立ち台に上がりたいもんだが。

感想は改めて書きたいが、いよいよ年末で忙しいので、どうなるか。
今回旅行中、お天気は申し分なく、どこへ行っても人が多くて行列で、
クリスマスの東京は、何かと桁が違った(^_^;。
感染防止対策としてのマスク着用は任意、という世の中になって以来、
私は新幹線に乗るときはFFP3マスクをがっつり着用している。
歌舞伎座内は『マスク推奨』で、全体的に着用率が高いのでKF94にしている。
それでも、どこで何のウイルスを拾うかわからないという意識は常にあり、
東京遠征は毎回、ちょっとした賭けの気分である(汗)。

  

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行ってきた!
16日(木)昼夜、17日(金)昼と、歌舞伎座を観てきた。

今度こそ、『マハーバーラタ戦記』を、全身全霊をあげて!堪能した。
初演時は「超絶面白かった!!!!!」のみで強制終了させられた感
(同じ日の夜がポゴレリチのリサイタルだったので)だったが、
今回は、『マハーバーラタ』のみを、心身ともに正対して、隅々まで観た。
やはり、物凄い傑作だとの思いを新たにした。
新作歌舞伎の試みは様々にあるが、この作品が芸術祭十月大歌舞伎で初演され、
6年後の今、また歌舞伎座の、しかも吉例顔見世大歌舞伎で再演されたのは、
まことに相応しいことであり、未来に繋がる出来事になったと、嬉しく思った。
また、観れば観るほど、哲学的にも深いテーマの作品だった。
戦争と平和を繰り返す人間の姿と、シヴァ神が踊ればこの世が滅ぶという件は、
世界中が戦争を始めた今であるからこそ、いっそう胸に迫るものがあった。

それにつけても、
ほれご覧、芝のぶは素晴らしいと、私の言った通りであろう!?
と誰にか分からないが一人で勝ち誇りたい気分になった(笑)。
そして、小さい丑之助が、あまりにも神々しかった。
神であった。文字通り。
それこそ、最強のシャクティを授けられて生まれた子なのでは(大汗)。

*****************

幕間になるたびに、神社用スマホに4~5件、着歴や留守録が入っているのには閉口した。
その意味では、今回は観劇時以外は全く解放されず、
せっかく良い舞台を観に来たのにとムカつき、しまいにスマホを叩き割りたくなった。
「○○建設です。ファックス送信しましたのでご確認ください」
「株式会社○○です。新年安全祈願の件で」
「○○神社総代です。祭の授与品の清算について、また電話します」
「○○町の○○です。七五三の予約をお願いします」
「○日に参拝します。御朱印いただけますか」
「○○社えびす祭について、確認です。よろしくお願いします」
「○○(=総代長)です。お疲れ様です。社務所の裏に熊が出たそうです」

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国立劇場が閉鎖されている間、菊五郎劇団の新春初芝居はどうなるのか、
と心の片隅で気にはしていたのだが、忙しくて検索できていなかった。
今朝、改めて調べたところ、新国立劇場中劇場で公演があるとわかった。

令和6年初春歌舞伎公演(日本芸術文化振興会)
2024年1月5日(金)~2024年1月27日(土)新国立劇場中劇場
午後1時開演(午後4時50分終演予定)
一、梶原平三誉石切 一幕  鶴ヶ岡八幡社頭の場
二、芦屋道満大内鑑 一幕三場 -葛の葉-
三、勢獅子門出初台 常磐津連中

一方、通常なら菊五郎劇団二番手格の松緑は、今回は上記の公演に出ない。
歌舞伎座で『荒川十太夫』の再演があるのだ。
壽 初春大歌舞伎(歌舞伎美人)
2024年1月2日(火)~27日(土)歌舞伎座
昼の部:一、當辰歳歌舞伎賑 二、荒川十太夫 三、狐狸狐狸ばなし
夜の部:一、鶴亀 二、寿曽我対面 三、息子 四、京鹿子娘道成寺

歌舞伎のことだけ考えていれば良いのなら、
神社の正月奉仕がほぼ終わる1月15日以降のどこかで行けば
一泊二日で両方観られるのだが、
今年の1月後半には、某P氏が来日しているのである(汗)。
まず、20日(土)21日(日)で、私は大阪と豊田を聴くことが決まっている。
そして、このかたの東京公演が1月27日(土)にある。
イーヴォ・ポゴレリッチ ピアノ・リサイタル2024
2024年1月27日(土)19:00 開演 東京/サントリーホール

短期間で何往復もしたくないとなると、最短ですべてを満たすには、
1月26日(金)の始発で行って歌舞伎座昼夜を観て、
翌27日(土)に新国立の千秋楽を観て、その夜にP氏のリサイタル。
夜公演では、おそらく夜行のサンライズ出雲・瀬戸には間に合わないから、
27日も泊まって、28日(日)のなるべく早い新幹線で広島に帰る。
28日に、仮に厄祓いその場の予定が全くなければ、
多少は東京でゆっくりしても良いのではあるが、
そもそも歌舞伎がどちらも27日千秋楽なので、28日に東京に居ても、
食にも観光にも関心のない私には、たいして意味がないのである。

こういうのは首都圏に住んでいればどうにでもなるのにと思い、残念である。
せっかくの良い公演を、短い滞在期間に無理に詰め込んで、
どれもこれも消化不良に終わるようなことは、本意ではないのだが、
時間も予算も体力も限度がある中で回しているので、選択の余地がない。

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11月に再演される『マハーバーラタ戦記』だが
前に出ていなかった鶴妖朶王女の配役が、中村芝のぶ(しのぶ)、と発表された。

歌舞伎座新開場十周年 吉例顔見世大歌舞伎
(2023年11月2日(木)~25日(土))
(歌舞伎美人)

私としては嬉しいことだ。
私は以前から芝のぶに心惹かれている。
これまで、幹部級の役がつかなかっただけで、実にいい役者なのだよ!
今回の配役実現には、菊之助の熱意もあったのではないかと想像している。
今の菊之助の立場になれば、こうして、実力のある役者さんに
積極的に大きな役をつけて行くことも大切な務めだろう。
これでまた、今回のマハーバーラタ再演がいっそう楽しみになった。

私が最初に芝のぶを発見し、真ん中で使うべきだと感じたのは
2005年の春だった。あれから18年!!

観た!(2005年04月04日)

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11月歌舞伎座顔見世の昼の部は、『マハーバーラタ戦記』の再演!
2023年11月2日(木)~25日(土)歌舞伎座新開場十周年 吉例顔見世大歌舞伎(歌舞伎美人)

2017年の初演を私は観ているのだが、あのときは、
昼に『マハーバーラタ戦記』 、夜にポゴレリチのリサイタルで、
あまりにも素晴らしいというかヒド過ぎる組み合わせであった。
超重量級の公演を二度、たった1日で観る(聴く)しかなかったために、
私のキャパを大幅に超え、取り返しのつかない、勿体ないことになった。
ゆえに、私は印度伝の再演を待ち侘びていた。
再演があるなどと誰も言っていないが、あれほどの作品、
しかも新橋や浅草でなく歌舞伎座で初演した以上は、
一度きりのイベントではなく、きっとまた歌舞伎座に帰って来る筈、
と信じていた。

その願いは、5年を経て、ここに叶えられることになった。
しかも今度こそ、ポゴレリチは、居ない。
彼は来年1月に来ることが決まっている。11月歌舞伎座は無傷だ。
私は、すべてを忘れて印度伝のみに没入し、
思うさま、気力体力時間を費やして、味わい尽くせる。
実際には一泊二日しかできないとは思うが、
かなうことなら1日目に昼の部・夜の部、2日目に再度昼の部、
という具合に、印度伝は二度、観たいものですね。

しかし、配役を見比べてみると、今回のは、前回の重要人物が何名か、居ない。
これから発表されるのか、演出そのものが変更になるのか。
特に、初演で七之助の演じた鶴妖朶王女が、現時点で出ていない。
彼女がいなければこの物語は成り立たない筈で、一体どうしたことか。
私はこれを梅枝で観たいのだが、梅枝は夜の部のほうで、
初役で時姫を演らなければならないので、印度伝は出られないのだろう。
持ち味は全然違うがゆえに、いっそ米吉ではどうか?
などとも思ったが汲手姫になっているし。

(初演) 2017年10月1日(日)~25日(水)芸術祭十月大歌舞伎(歌舞伎美人)

菊五郎は、10月の国立劇場の大役があるから、11月の顔見世はお休みか。
仙人久理修那は錦之助が演るが、那羅延天が見当たらず……。
居並ぶ神々の真ん中に那羅延天が居ないと、光が激減するよ(汗)。
とはいえ、菊五郎は脊柱管狭窄症で無理のできない状態なのだろうし、
私はそれが頭にあるので10月も観に行きたいのはヤマヤマなのだが、
というかそもそも今月の国立も松緑の大判事清澄があるので
本来、ファンとしては外せないのに、
もうクビが回らない忙しさで、どうにもこうにも。

令和5年9月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』<第一部>(国立劇場)
令和5年10月歌舞伎公演『妹背山婦女庭訓』<第二部>(国立劇場)

松緑は11月歌舞伎座顔見世の夜の部『松浦の太鼓』では大高源吾。
ほかに、夜の部は前述の梅枝の時姫@『鎌倉三代記』もあるし、
『娘七種』では左近が静御前を踊るうえ、
みっくん(巳之助)と尾上右近で『三社祭』もあり、
これはこれで楽しすぎる配役で、やはり11月歌舞伎座は何としても観なくてはと。

うおぉぉぉ、「どこでもドア」が要る!!!

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市川猿之助に関する先日のNEWSポストセブンの記事に
昨今ないほど楽しい箇所があった(リンクは貼らない)。

『誰に叱られることもなく自由に振る舞ってきた“裸の大将”だった猿之助さんは』

は、裸の大将!!??
それは、山下 清!!

いや、案外イイのかも?
「裸の王様」&「お山の大将」のハイブリッド爆誕……www

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市川猿之助、任意聴取開始/これまでの経緯(日刊スポーツ [2023年5月25日8時20分])
『歌舞伎俳優市川猿之助(47)が18日に東京・目黒区の自宅で両親とともに倒れ、両親が亡くなったことについて24日、警視庁が都内の警察施設で猿之助から再び事情を聴いていることが捜査関係者への取材で分かった。この日から正式な任意聴取が始まったという。』

5月18日の昼前、家族のLINEで主人とやりとりしていたら、
突然に娘が登場し、
『市川猿之助と両親が家で意識不明のところを発見されたんと』
と言うので、まさに青天の霹靂、最初は私は、
『市川猿之助両親が』の間違いではないかと思った。
四代目段四郎がもう長い間病気で、老夫婦の介護生活だろうということは
私のような単なる歌舞伎ファンにも想像ができていたからだ。

しかし第一報は誤りではなく、3人全員が救急搬送とのことで、娘も
『詳細は不明と。ガス漏れとかかね(汗)』
と言い、私も、家族全員ならその線だろうと思い直し、
就寝中に自宅でなんらかのトラブルが起きて皆が意識不明になり、
楽屋入りの時間になっても猿之助と連絡がつかないから
マネジャーが家に行って発見したのだろう、
……等々と、想像していた。

その後にわかっていることは、段四郎と夫人が亡くなったことと、
一命を取り留めた猿之助の供述として報道されていることが、
今のところすべてだ、と言うべきだろう。
猿之助の供述自体も、厳密に正確に報道されているのかどうか、
私には判断のしようがないし、更にその他の周辺の事情についてはもう、
全く憶測の域を出るものではないと思う。

公演中だった明治座の『猿之助奮闘歌舞伎公演』は、代役で続行されており、
昼の部の市川團子、夜の部の中村隼人、ともに文字通りの大奮闘で、
相手役や共演の役者さんも含めて、既に高い評価を得ている。
六月歌舞伎座も配役変更と発表され、
中村壱太郎が猿之助の役を務めることになった。
ピンチはチャンスで、彼らにはこれを大きな飛躍の機会として
一段階も二段階も登り、新たなスターとなって貰いたいと心から願っている。

私は、前から書いている通り、基本的に舞台のことしか眼中にない。
それを演っている人の素行とか品行とか、人格などは
自分にとって好ましければ嬉しいが、そうでなくても構わない。
観客として座っているときには、私は、その部分は一切観ていない。
私の思う、良い舞台かどうか、がすべてだ。
歌舞伎ファンは役者に甘い、
という非難があったが、客としての私は甘くないぞ(^_^;。
仮に、いかに人間として真面目で品行方正で真摯であったとしても、
オモロない、と私が思う役者さんの舞台には、お金は出さない。
実際、幾度か観て、私の中で「アカンな」という評価が定着し、
観る気が失せた役者さんもいる。いちいち書かないけど(^_^;。
(私が観ない、というだけだ。好きな人は観たら良いのだ、勿論)

四代目猿之助は、私にとって本当に大切な役者だった。
芝居も踊りも卓越したものがあり、
エンターテイナーとしての陽の魅力が大きく、
頭の回転も速く声も良く、何より、人を惹きつける舞台の華があった。
今、私が最も強く思っているのは「彼を失いたくない」ということだ。
私は、また彼の歌舞伎が観たい。それも出来るだけ早くに!
彼だけが生き残ったのは、まだ為さねばならないことがあると、
舞台の神さまがお思いになったからではないのか。

社会的には、それはなかなか許されないことかもしれないし、
御本人もまた、二度と舞台に戻りたくない、のかもしれない。
だからこれは、歌舞伎を観る者としての私のエゴだと承知しているのだが、
観客としての私は、こんなことで四代目に終わって貰いたくないのだ。
事情聴取に応じ、事実を供述し、非のあるところは非として認め、
裁判になるのであれば判決に従って必要な年月を過ごしたのち、
心身を養い、時間がかかっても、市川猿之助には復活して頂きたいのだ。
まさに今月、明治座で演じていたのは「不死鳥の男」だった。
私は彼の蘇りの日を、待っていたいと、心から強く思っている。


追記(6月10日):文芸春秋2023年7月号において、
歌舞伎研究・劇評家の渡辺 保氏が、
『嫌疑が晴れたあかつきには猿之助に早く復帰してもらいたい。私自身は「猿之助を励ます会」の発起人になってもいい、それくらいの思いを持っています。』
と書かれている。
私も観客のひとりとして、強い共感を覚える。
市川猿之助は、歌舞伎役者として、それほどまでに重要な存在なのだ。
『早く』は困難かと思うが、『必ず』復帰して頂きたい。
そうでなければ、歌舞伎の失うものが、あまりにも、大き過ぎる。

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あらしちゃん(尾上松緑)オンステージな夏巡業 東コース
とりあえず福山と豊橋の、それぞれの昼公演三等席を取った。
現時点では、実際に7月になったとき行けるかどうか、全然わからない。
いろいろな意味で(汗)。
しかし、とにもかくにも「夢」を買った(^_^;。

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市川左團次さん死去 闘病明かさず…盟友の尾上菊五郎、市川團十郎がショック
「毛抜」粂寺弾正「助六」意休など当たり役
(2023年4月17日 5時30分スポーツ報知 )
『歌舞伎俳優の市川左團次(いちかわ・さだんじ、本名・荒川欣也=あらかわ・きんや)さんが15日午前3時48分、右下葉肺がんのため死去した。82歳だった。最後の舞台出演は今年1月、国立劇場「初春歌舞伎公演」だった。』『がんを周囲に明かさず、今月2日開幕の歌舞伎座公演に向けて直前まで稽古に参加していたこともあり、突然の訃報に歌舞伎界に衝撃が走った。』『幼い頃から何度も共演してきた盟友の尾上菊五郎(80)は「本当に突然の報(しら)せでしたので、驚きと共にさみしい気持ちでいっぱいです」』『「いろいろな思い出が胸にこみ上げてきました。役者としても人間としても明るく優しい、ちゃめっ気もある、素晴らしい仲間です」。』『昨年12月の市川團十郎襲名披露公演では、松本白鸚(80)の代役で口上の進行役をつとめ、新團十郎に「日本のみならず、世界各国で大輪の花を咲かせることを期待しております」と激励した。團十郎は「生まれた時からお世話になった大恩人です。市川宗家としての私に対して『市川宗家である』ということを左團次さんは行動で示し続けてくださいました。歌舞伎界にとりましても大変な損失です」と別れを惜しんだ。』

病名は知らなかったが、左團次があまり元気でないということは
なんとなく聞いていて、年齢的にも心配はしていた。
舞台以外では、常に穏やか、かつ、飄々と機嫌の良い役者さんで、
それは裏を返せば素晴らしく強靱な精神力の持ち主であった、
ということだろう。
記事の写真は『助六』の『髭の意休』で、
左團次の当たり役と言われたものの一つだが、
役者にとって本当に心身ともに忍耐の要る、物凄くキツい役だそうで、
白鸚が幸四郎時代に演じ、千秋楽のあとカツラを投げたという逸話がある。
左團次ならばこそ、あれほどに意休を追求することができたのだろう。
そういえば、あらしちゃん(松緑)は左團次に意休を教わったと言っていた。

左團次が巡業で演じた『極付幡随長兵衛』の幡随院長兵衛も私には忘れ難い。
かなり昔の記憶だから、30年以上前かもしれない。
敵役を務めることの多い左團次が、町奴・長兵衛を
堂々たる男伊達として見せてくれて、胸のすく舞台だった。
最後の、湯殿の長兵衛は、文字通り、大きかったねぇ……。

最近では、菊五郎と演じた『夕顔棚』も心に残る名舞台だった。
コロナ前だったから、2015年6月の歌舞伎座だ。
今年の六月にも、観られる筈だったのに。
もう、あの「よしよし♪」と酌をしてくれていた爺さんは、居ないのだ……。
可愛い婆さん、未亡人になっちゃって、ひとりぼっちだよ……(泣)。

なつおちゃんが先代の團十郎を襲名したとき、
「これでようやく團菊左が揃った」
と皆が喜んだものだった。
初代辰之助が死んでからは、菊五郎の弁天の隣にいる南郷は左團次だった。
菊五郎劇団でもいつも左團次が一緒だった。
最後の出演となった『通し狂言 遠山桜天保日記』まで、私は見せて貰った。
趣味は「のぞき」と「パンツ集め」、好物は「油っぽいものなら何でも」(笑)。
いつだって、破天荒で可笑しい左團次だった。
どうかあの世でも、大いに「かぶく」人であってください(笑)。いつまでも!

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少し前から、きおいちょ(紀尾井町)ファンの間で囁かれていた、
この夏の全国公立文化施設協会主催 東コース 松竹大歌舞伎
の全容が歌舞伎美人のサイトに出た。
関東以北しか無いかと思っていたが、福山と岡山があるではないか!
これは行かねば!FFP2マスクをつけてでも(笑)!
(なお、松竹は劇場内でのマスク着用を3月13日以降も「推奨」とする由。
3月13日以降の各劇場における劇場内でのマスクの着用につきまして(PDF))

更に、岡山と福山のほか、穂の国とよはし芸術劇場PLATもある。
ここは、2015年夏に鴈治郎の追っかけで行ったのだ
広島から新幹線1本で行けて、豊橋駅直結の便利な劇場だ。
今でもメールで各種公演案内を送って貰っている。
週末は神社関係で呼び出されて不本意なことになる可能性があるから、
いっそ豊橋にしようかしらん。
そういえば前の豊橋のときは台風が来て、やきもきさせられたのだったな。
季節的に、最初から複数箇所、検討しておいたほうが良いかもしれない。

演目としては松緑ファン必見、あらしちゃんオンステージである(笑)!
『菊畑』(きくばたけ)吉岡鬼一法眼、
『土蜘』(つちぐも)叡山の僧智籌実は土蜘の精。
相手役は、ばいちゃん(梅枝)で、共演は左近ちゃん、
ほか亀蔵さんに、萬太郎くん、新悟ちゃん、
……これって、もしかして「旦那の居ない巡業は最高(逃)」ってヤツ?

7月28日(金)14:00、18:30 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
 発売:(未掲載)(チケ松あり)
7月29日(土)14:00 岡山市民会館
 会員先行:4月12日(水)~4月25日(火)
 先行予約:5月9日(火)~5月25日(木)
 前売販売残席が出た場合のみ市民会館で独占販売
7月31日(月)12:30、17:00 穂の国とよはし芸術劇場PLAT
 会員:04月22日〜
 一般:05月06日 ~

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