昨年秋にオープンされた「おか田」さんにやっと伺いました。
お教室の方から、美味しくて、清潔な感じが良いって伺ってて、とても気になってました。
新しく出来たビルの1階です。入口横の壁に看板。
来る方向によっては気が付かない看板です。
引き戸を引き中に入ると正面には
9人掛けのカウンター、個室が一つあります。
すっきりとした店内です。正面には欠けた土器(弥生時代らしい)に苔が入って、ジュズサンゴという枝物が植わってます。とても素敵です。
すっきりと美しい設えです。
飲み物は福島、会津の天然炭酸水。これは以前、星のや東京で初めて頂き、美味しさ、泡のなめらかさにびっくりしたお水です。
やっぱり美味。
お料理はおまかせのコース1本。
1品目
お湯飲み茶わんのような大きさの器に、山菜のうるい、わかめ、のれそれ(穴子の稚魚)に針生姜。軽い土佐酢がかけられてます。さっぱりとおいしいです。立春のお料理ですね。
2品目
御椀です
蟹の真丈、桜井のちじみほうれん草、焼いた原木椎茸。鰹の効いた美味しいお出汁です。蟹真丈はカニの身いっぱい。
ほうれん草の甘み、香ばしい原木椎茸、蟹真丈はほろっと軟らかく、、ほっこりと美味しいお椀。
3品目
お造り。左上は和歌山のクエ、北海道のウニにアオリイカ。赤い人参で赤鬼、水前寺のりで金棒。節分なので。可愛いです。遊び心満載!手前左はちょっとピリッとちり酢、右はお醤油。この他に写真は撮ってませんが、とても変わったお塩。広島呉のプレス工場で作られた、淡雪塩。お塩に米粉を混ぜ、プレスされたお塩です。粉々になってますが、雲母のかけらのようなお塩も混ざってます。薄くって塩辛くないのです、とっても不思議なお塩。このお塩でウニやイカをいただきましたが、塩辛くないので、旨味だけを感じるという、、
クエは4日間熟成させてあります。身もしっかりと美味しい。クエはちり酢が合いました。
お造り、三種類ともとても美味。
4品目
温かい蓋つきのお重のような器。深い緑がとっても美しい。蓋を開けると、
自家製からすみの飯蒸し。ふりゆずがかすかに。からすみのねっとりともっちりお米が美味。柚子が時々香って上品。からすみは薄くスライスしてありますが、枚数多くて重なってるから、食べやすいのだけど、満足感あります。器もお料理も素敵。
5品目
可愛らしい八寸です
ゆずの器の蓋とおかめの蓋をはずして再度撮影。
左上の器には、長芋素麺に花ワサビ、青さノリ。升にはいった器には口福大豆(少し固めに炊いた大豆に糸昆布)。柚子の器は茶ぶりナマコ(番茶で炊かれたナマコのみぞれ和え)。おたふくの器はくるみの甘露煮。手前、梅の小皿には鶏肉松風、自家製厚焼き玉子、松葉には赤こんにゃくと干し柿とクリームチーズの味噌漬けのミルフィーユ。
盛りだくさんです。黒いお膳の上に並べられ、節分の柊の葉も添えられてます。他の方は、織部かな、脚付きの大皿に盛り込まれてました。それぞれとても素敵です。
もう、花ワサビが出てるんですね。驚きました。春の香りを感じます。お豆も固めだけど、お豆の味がしっかりしてて、これぐらいの硬さの方が好きかなぁ。ナマコは軟らかく、くるみも、皮の苦み?えぐみ?も無く、ほんのり甘く美味しい。松風にはなんと干しブドウが。お酒で戻してるので、甘みや香りが薄くなって、生姜風味の松風の良いアクセントになってます。自家製玉子は卵焼きというより、黄身を裏ごしして、お砂糖を加えて固めたような感じ。甘くておいしい。
ミルフィーユはクリームチーズと合うのはわかるけど、和食の間にいただくと、風味の流れがどうなんだろう??っと思ってましたが、味噌漬けになってるから、ミルク臭も感じず、とても調和よく、なるほど~~って思いました。
凄く変わった?突出したものは無いけれども、どれも丁寧に作り込まれたことを感じる八寸。
6品目
フグのつけ焼き。お醤油の香りが香ばしいです。お手拭きも出てきて、手でもいただけます。骨付きなので、身を全部いただけたか、確認しながら、、ちょっと楽しい一皿です。
7品目
山形牛の炭火焼き。串に刺して、焼き鳥を焼くように焼かれてたお肉。部位はももだそうで、シンタマ、マルシン、1頭から2キロ程度しか取れないそうです。蕪のふわふわのソースにわさび。菜の花のお浸しも。
しっかりと歯ごたえのあるお肉で、脂も多くなく、噛むほどに美味しいお肉です。蕪のソースが優しい味でお気に入り。
ごはん
氷魚のごはん。酒盗とのりを和えたものがのせられてます。これを混ぜ合わせてよそってくださいます。
氷魚は鮎の稚魚で今の季節の物だそうです。お魚だけをいただくとちょっとほろ苦くて、、でも癖のない上品な風味です。酒盗海苔がなんともうまみ風味豊か。ついついご飯がすすむ!
お昆布の佃煮も可愛いんです
亀甲やお花、干支のネズミもあるのですが、ネズミはレアだそうで、、ご一緒したかたに入ってました。
お菓子
しのび梅、という名前の椿をかたどったお菓子。卵白を使い、淡雪寒、マシュマロのような、もっとやわらかな食感。梅の風味が忍ばせてあります。上には柚子の蜜。白い美しい椿です。あっさりと美味しいお菓子。
お菓子とお抹茶
ミニミニ三笠焼。直径3㎝ぐらい。出来立てふわふわ、温かです。焼き印も入って、これから定番にするかもっておっしゃってました。
おうす、画像忘れました。お茶わんの柄が相国寺にある、十牛図の柄が一つ一つに入ってます。仏教の教えだそうです。
私はまだ牛すら見つかってない尋牛という名前の柄でした。これから修行の道に入らないとダメなようです。
そう、人生幾つになっても修行だ!!
と、こんなお料理でした。
特別変わったお料理はないのですが、きれいなお料理、とても丁寧に作られてることがわかるお料理でした。まじめで、すっきりとした感じがとても気持ちよく、ところどころに遊び心も潜んでて、それがまたお料理のアクセントにもなり、最後まで、美味しい楽しいひと時を過ごすことが出来ました。
ご主人ははまだまだお若い35歳。
大阪の桝田さんというミシュラン二つ星のお店で16年修業されてたそうです。
これからが楽しみなお店です。初心を忘れず、いつまでも愛されるお店になりますように。
一月ごとに変わるお献立、来月はお雛様だそうです。どんなお雛様なんでしょう・・・
季節を変えて伺いたいです。