韓国史上初の検察総長への監察に現実味…
法相と検察総長の対立、破局に突き進むか
登録:2020-11-19 06:01 修正:2020-11-19 10:29
法相と検察総長の対立、破局に突き進むか
登録:2020-11-19 06:01 修正:2020-11-19 10:29
法務部、19日午後の対面調査への協力求める公文送ったが
最高検察庁「相当な理由と根拠を提示すれば協力する」公文書で対抗
チュ・ミエ法務部長官(左)とユン・ソクヨル検察総長//ハンギョレ新聞社
法務部がユン・ソクヨル検察総長の監察のため、監察官室の検事らを送り、調査日程の調整を試みたが、最高検察庁の反発で実現しなかった。ユン総長に対するチュ・ミエ法務部長官の監察指示が現実化し、両者の対立が極限に突き進んでいる。
18日のハンギョレの取材を総合すると、法務部監察官室の派遣検事2人は前日午後2時頃、最高検察庁を訪れ、ユン総長の監察調査日程が書かれた文書を渡そうとした。数回にわたって事情聴取の日程を調整しようとしたが、最高検察庁側がこれに応じなかったため、「19日午後2時」に事情聴取の日程を通知しようとしたという。2人の検事は、チュ長官が指示したユン総長の監察事案について説明した後、ユン総長に調査日程が記された文書を直接渡す考えを示した。しかし、チョン・ムゴン最高検察庁政策企画課長は「手続きに則って説明を求められれば書面で答弁する」という立場を伝え、彼らを法務部に返した。最高検察庁は彼らからの総長の面談要求書も法務部監察官室に返したという。
最高検察庁は今回のことについて公式な説明を控えているが、法務部監察担当官室の一般検事たちがユン総長との面会を申し出たこと自体を“侮辱”と受け止めている雰囲気だ。検事たちの間では「パク・ウンジョン法務部監察担当官の指示で最近第一線から派遣されたL検事とY検事が総長に対面監察調査面談を要求し、総長が『手続きに則って、説明を要求されれば書面で返事する。これは違うのではないか』という意見を伝えると、検事たちが法務部に戻った」という書き込みが広まった。この文には「侮辱しようとする意図があると見られるが、公職に対する最小限の尊重さえなく悔しい」という内容も含まれていた。
これに対し法務部は「検察総長に対する訪問調査予定書を渡すためであって、一般検事を送ってユン総長に対する監察を試みたわけではない」と反論した。「監察官室が16日、検察総長秘書官に総長に対する調査が必要なので希望する日程に訪問するという意思を伝えたが、答弁を拒否された。それを受け、17日午前に最高検察庁に訪問の意思を伝えた後、午後に法務部監察官室派遣検事2人が調査予定書を渡すために行ったが、受付を拒否されて戻ってきた」と説明した。法務部は「検察総長への礼遇として、最大限礼を尽くして手続きを進めている」と強調した。同日、ユン総長の監察に関する内容が公開された後、法務部は「19日午後2時、最高検察庁でユン総長の対面調査を行う計画だ。協力してほしい」という内容の公文書を最高検察庁に送った。これに対し、最高検察庁は「監察規定上、対面調査に必要な相当な根拠と理由を提示すれば、それをみて協力する」という内容の公文書で対応した。
チュ長官の今回の指示で、ライム事件捜査指揮▽ソウル中央地検長時代のオプティマス事件容疑なし処分▽「朝鮮日報」や「中央日報」社主との会合の件などについて、法務部がユン総長を直接取り調べる意志が強く表明されたわけだ。検事懲戒法において検事懲戒権を持っているのは検察総長だが、検察総長を懲戒する主体は法務部長官だ。監察業務の経験がある検事長出身の弁護士は「法務部がすでに資料収集段階を終えたため、ユン総長の面談調査を試みたのだろう」とし、「被監査者に対する調査後に懲戒にするか、嫌疑なしで終結するかを判断することになる」と説明した。
法務部の検察総長監察の試みは今回が初めてではない。2013年にファン・ギョアン法務部長官は「婚外子疑惑」が浮上したチェ・ドンウク検察総長に対する監察を指示したが、チェ総長が辞任したことで監察は実行されなかった。しかし、チュ長官とユン総長の対決局面が固着化した状況で、ユン総長に対する監察指示がユン総長に圧力を加える“政治的レトリック”にとどまらず、実行に移されたことで、史上初の総長監察は秒読み段階に入った。ソウル地域検察庁のある検事は、「今後どのような状況が起こるか全く予想がつかない。対立が注目される雰囲気の中、真面目に働いている現場の検事たちはため息ばかりついている」と語った。
ペ・ジヒョン、オク・ギヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)