日本と韓国と朝鮮の友好をすすめます・・日朝協会です。アジアと世界情勢を観る。

日本と韓国と朝鮮の歴史・現在から、
平和な未来を切りひらくために....
ご入会ください。1ケ月¥500

20日に就任したジョー・バイデン大統領も、この公式を徹底して守っている。

2021-01-29 | バイデン大統領を追う
真夜中に駆けつけた菅首相、
米大統領との電話会談の”順序”が示す意味は?

登録:2021-01-29 02:01 修正:2021-01-29 07:15


菅首相も帰宅してから公邸に戻り、真夜中に電話会談 
その国の重要度を示すバロメーターというのが外交の現実

      

米日首脳が電話会談を行ったことを伝える日本の放送画面//ハンギョレ新聞社

 外交官たちが頻繁に口にする格言の中に「外交は儀典であり、儀典は順序だ」というものがある。各国の利害関係が鋭く絡み合っている外交の舞台では、一国が同じ主権国家である他国に向かって露骨に「本音」を示すことはできないため、儀典を通じて遠まわしに意思を表明するという意味だ。

 世界最強の国である米国も例外ではない。儀典の中で最も重要なのは首脳会談だ。外交は儀典であり、儀典は順序であるため、米大統領がまず誰に電話をかけるかは、米国外交の優先順位を示す正直なバロメーターとなる。そしてこの順序には、それなりの公式がある。第一に隣国、第二に欧州の主要同盟国とイスラエル、第三にアジアの主要同盟の順だ。

 20日に就任したジョー・バイデン大統領も、この公式を徹底して守っている。バイデン大統領は就任3日目の22日に隣国カナダと、23日には国境を接するもう一つの隣国メキシコと「特別な同盟」の英国、24日と25日には欧州の主要同盟国フランス、ドイツとそれぞれ電話で首脳会談を行った。続いて26日には「新戦略兵器削減条約(ニュースタート)」延長という重大懸案がかかっているロシア、27日にはインド太平洋地域の主要同盟国である日本の菅義偉首相と電話でやり取りをした。この順序は今後もなかなか変わらないだろう。

■ジョー・バイデン米大統領の各国首脳との電話会談の順序

- 22日 カナダ - 23日 メキシコ、英国 - 24日 フランス - 25日 ドイツ - 26日 ロシア - 27日 日本

 米中の戦略競争によって次第に重要度が高まるインド太平洋地域における日米同盟は、同地域の平和と安定を守る最も重要な第一同盟だ。そのため米国は、日米同盟の重要性を「礎石(cornerstone)」という言葉で表現する。過去4人の米大統領の前例を見ても、新大統領は韓国の大統領よりも日本の首相とまず電話会談を行っている。対面での首脳会談の順序も同じだった。日本の首相は新大統領就任直後の2~3月に米国を訪問して首脳会談を行うが、韓国はそれより遅れて5~6月に会談を行ってきた。唯一の例外は2001年の金大中(キム・デジュン)大統領だった。当時、金大中大統領は新たに就任したジョージ・ブッシュ大統領に太陽政策の長所を説明するため、3月初めに首脳会談の日程を組んだ。しかし、米国の対北朝鮮政策が十分に検討されていない状況で行われたこの訪問は、最悪の外交的失敗に終わってしまう。

■歴代米政権発足後の韓-米、米-日の首脳電話会談の順序

▽ブッシュ政権1期目 
2001年1月24日 ブッシュ-森 
2001年1月25日 ブッシュ-金大中

▽オバマ政権1期目 
2009年1月28日 オバマ-麻生 
2009年2月3日 オバマ-李明博(イ・ミョンバク)

▽トランプ政権 
2017年1月28日 トランプ-安倍 
2017年1月30日 トランプ-ファン・ギョアン(大統領代行)

▽バイデン政権 
2021年1月27日 バイデン-菅 
? バイデン-文大統領

 果たしてバイデン大統領はどうだろうか。新型コロナウイルスへの対応の成功などで最近、韓国の国際的地位が急激に上昇したことから、バイデン大統領が韓日首脳と少なくとも「同じ日」に電話会談を行うだろうとの予測が主流だった。米国にとって韓国は、自分たちが血を流して守り抜いた同盟国であり、民主主義と経済成長という二兎を得ることに成功した「模範生」だ。そのため、米国は韓米同盟に「要(linchpin)」という特別な用語を使う。韓国の国際的地位は最近さらに高まり、世界の主要民主主義国家の集まりである「D-10」に入る主要国家へと成長した。実際にバイデン大統領は、当選後の就任前には韓国、日本、オーストラリアなどインド太平洋地域の同盟国首脳と同日(2020年11月11日)に電話会談を行っている。日本とは電話会談を行ったのに、なぜバイデン大統領はまだ韓国とは行っていないのか、という不満が出る理由がここにある。

 しかし、いまだバイデン大統領から連絡がないのはなぜなのか、正確な理由は分からない。一部は、韓米首脳の電話会談が予想される中で、26日に韓中首脳の電話会談が先行したため、米国がこれに対する「不快感」を表していると解釈している。一理ある話だが、ジェイク・サリバン国家安保担当大統領補佐官が、自分の前々任者であるジョン・ボルトンのようにホワイトハウス内部の意思決定過程を残らず暴露する回顧録を書かない限り、正確な真相は公開されないだろう。

 面白いのは、米日首脳の初の電話会談を伝える日本メディアの反応だ。日本のメディアは28日、バイデン大統領がアジアで最も先に日本に電話をかけたという事実を伝え、安堵のため息をついた。産経新聞は、菅義偉首相が自身の住まいである「東京・赤坂の衆院議員宿舎に帰宅していたが、同日深夜になって首相公邸に向かった」と報じた。実際に27日の日本の首相動静を確認すると、菅首相はこの日夜11時47分に公邸に戻り、1時間後の28日0時47分に電話会談に臨んでいる。この通話が行われる直前ですら、日本政府の高官は電話会談について「いつやるか分からない」という反応を示していたという。米国が「それこそ」いきなり電話会談を提案してきたことを推し量ることができる部分だ。米国が真夜中に他国の首脳を呼び出すという一種の「外交的非礼」を犯した理由について、日本経済新聞は、78歳で高齢のバイデン大統領の年齢を挙げている。米日の時差を考慮すると、バイデン大統領が最も快適な状態で通話できる午前10~11時を選んだというのだ。

 米国は、韓国大統領府には何時ごろに電話をかけてくるだろうか。今夜にでもホワイトハウスから突然電話がかかってくれば、文大統領も帰宅していた菅首相のように電話機の前に呼び出されるかもしれない。米国の大統領が「電話しよう」と要請しているのに、「もう遅いから」と言って断れる国は世界のどこにもないというのが冷徹な現実なのだ。
キル・ユンヒョン、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。