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公安部は対共産主義事件はもとより、労働・学院・選挙・集会・デモ事件などを自らの業務に取り込み、規模と影響力を大きくした。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵政権に至る・・・

2018-07-16 | 韓国の民主化は進んでいく。
「公安」検事から「公益」検事に…公安部、55年ぶりに「看板」変える
登録:2018-07-13 09:59 修正:2018-07-13 12:29

「公益部」に変わる検察公安部 
1963年に公安部新設後、  
対共・学校の時局事件を企画管理  
公安政局の主導検事らは高位職昇進 
 
金大中政府でしばらく鳴りを潜めたが 
李明博・朴槿恵執権後、再び勢力を伸ばし  
法秩序の名分で進歩勢力を弾圧  
                     
最高検察庁、「功利論」まで引用して変更説得  
法曹界「まずは公安事件の反省を」
ハンギョレ資料写真//ハンギョレ新聞社

 「体制守護を政権守護と勘違いする検事がいる。しかし、『正統な公安』は体制守護のために努力する」

 2010年、代表的な公安筋であるファン・ギョアン大邱(テグ)高等検事長は、法曹記者団にこのように述べた。弾劾で終止符を打った朴槿恵(パク・クネ)政権で法務部長官と首相を務めた彼は、「公安検事が政治的で政権の性向に合わせるため、人事で有利になるといわれる。名誉をかけて言うが、事実ではない。政権の性向ではなく、体制に合わせるのだ」とも述べた。

 体制と政権守護の尖兵だった検察の公安部が55年ぶりに歴史の中に消える。最高検察庁は11日、最高検察庁公安部を公益部に変える職制名称変更案を確定した。また、最高検察庁公安企画官は公益捜査支援政策官に、最高検察庁公安1~3課は安保捜査支援課、選挙捜査支援課、労働捜査支援課に変えることにした。16日まで第一線の地検・支庁の公安検事らの意見を聞いているが、変更方針は事実上固まったという。最高検察庁公安部の名称変更が最終確定されれば、第一線の公安部の名称も変わるものとみられる。

 公安部という名称は1963年12月、ソウル地検(現ソウル中央地検)に情報・監察・中央情報部を担当する「公安部」ができ、韓国現代史に初めて登場する。当時、労働法関係事件は「特捜部」の所管だったが、その後公安部は対共産主義事件はもとより、労働・学院・選挙・集会・デモ事件などを自らの業務に取り込み、規模と影響力を大きくした。李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵政権に至るまで公安政局・新公安政局を周期的に披露し、保守政権の国政運営の一軸を担う根強い生命力をつないだ。特捜部とともに検察のエリートコースに通じ、高位職昇進と政界進出の足場となった。

 全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)政権時代に最盛期を謳歌した公安検事らは、金大中(キム・デジュン)政権で初の政権交代後、大々的な「思想改造」を受ける“屈辱”も経験した。体制守護と人権保障の調和を掲げた「新公安」が入ってくると、従来の公安検事らは「旧公安」として退出したのだ。2000年の南北首脳会談以降は、国家保安法の適用にも大きな見解の隔たりを表した。その頃、旧公安検事が新公安部長検事に「部長は大韓民国ではない朝鮮民主主義人民共和国の検事か」となじったエピソードは有名だ。彼は李明博政権に入って旧公安が再び勢いを得ると、検察の高官職に就き新公安政局を主導した。旧公安出身のある代表的な公安筋は、当時を思い浮かべながら「公安的正統性が不足した『新公安10年』は公安の断絶をもたらした。これは安保の空白10年を作り、公安捜査を困難にした」という主張もした。

 公安の全盛期は「左派との戦争」を繰り広げた朴槿恵政権の時に再び訪れた。任期初年度からキム・ギチュン大統領秘書室長、ホン・ギョンシク大統領民政首席、ファン・ギョアン法務部長官に続く「公安トリオ」を全面に立たせ、法秩序の確立を名分とした左派あぶり出しに権力機関を総動員した。統合進歩党解散に続き、2007年南北首脳会談対話録の「記録喪失」ハプニングまで引き受けて起訴するのは公安検事の役目だった。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って南北関係が急速に進展し、既存の公安筋の居場所は狭くなった。最高検察庁は公益部の名称選定理由について「公益は社会一般と社会的弱者の保護を象徴する用語であり、安保・選挙業務全般を併せた名称として適している。親しみやすく暖かいイメージに変貌するのに役立つだろう」と説明した。最高検察庁は第一線の公安検事らの拒否感を和らげるために、ジェレミ・ベンサムとジョン・スチュアート・ミルの功利主義論、ジョン・ロールズの公益概念まで引用した。特に「選挙・労働事件を公安的な見方から偏向して処理するという誤解と批判を払拭する効果があるものと期待する」と明らかにした。労働事件を「社会的弱者である労働者と彼らの社会的基本権保障」と規定するなど、部署の名称だけでなく業務の性格にも“大転換”を試みた。

 ただし、法曹界では公安部の名称変更よりこれまで「公安的な見方」で行った各種の事件処理などに対する反省がまずはされるべきだという指摘も出ている。公安筋ではなく「公益筋」の出現を期待するには、時間が必要と見られる。
キム・ナムイル、キム・ヤンジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )


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