羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

トップランナー・服部有吉

2007年06月18日 09時53分51秒 | Weblog
 土曜日のクラスの方から、一枚のDVDを手渡された。
 先ほど見終わった。といっても最後の数分が切れていたので、全部ではない。
 しかし、なんだか凄く嬉しくなった。

 なぜって、身長が162センチしかないダンサーの話なのだ。
 トップランナーの名前は「服部有吉」。
 クラシックバレエを習い、13歳で単身ヨーロッパへ、バレエ学校を優秀な成績で卒業したものの、背が低いことが理由でバレエ団への入団が決まらない。
 そりゃそうでしょ。バレエの世界は厳しいのだ!
 200度の開脚ジャンプが出来ても背丈がなければ初めからはずされていくのが、プロの世界というわけだ。
 (『テレプシコーラ』の物語は、そこを描いているから、ついつい読まされてしまう)

 なぜ、嬉しくなったのか。
 それは最近の腹立たしい出来事・驚くべき事件の連続、嫌なことばかりの報道に辟易している日常に、コンテンポラリーダンスの世界で大きな飛躍を遂げた日本人青年のすがすがしい生を知ったこと。
 ステージ映像がいくつも流されるが、舞台芸術として完成度の高いパフォーマンスが繰り広げられている。振り付け師でもあるという。

 本人の素質と環境とひたむきな努力、そしてたったひとつ欠落していたものが身体的条件だった。背が低いという、致命傷なのだ。しかし、そこからどうやって今の道を見出したのかを聞こうとしたら切れてしまった。
 まぁ、そこは想像で補っておこう。
 一つ彼の話からわかることは、ヨーロッパのダンス学校がもっている教育システムは凄そうだということ。基本を・基礎を徹底的に身につけさせる。それがあって、今の服部有吉の舞台がある。
 何を基礎とするのか。伝統とは何か。
 楽しく考えさせてもらった。
コメント
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