5時間半近くの乗車の後、ツアー参加者の行動はそれぞれ。すぐに山陽電車に乗って引き返す人、「帰りはJRにしようか」と言う人、そしてせっかくなので周りをぶらつこうという人である。イベント参加の特典で、姫路城にある大河ドラマの展示館の入場料の割引券というのがついていたが、大河ドラマはいいとしてせっかくなので姫路城に行ってみる。これで、奈良の興福寺・東大寺という世界遺産~甲子園という日本の野球文化遺産~そして日本で最初に世界遺産に認定された姫路城・・・と、文化遺産ラインが完成する。
5年前、姫路城が現在の形に築かれて400周年を迎えたのを機に始められた大天守の大規模な改修工事。大天守が工事用のフェンスにすっぽりと覆われ、屋根の高さから工事の様子が窺えるという、その時ならではの見ものもあったのだが、今年の5月に久しぶりに大天守の姿が披露された。
その様子が「白過ぎ城」ということで一部話題になったそうだ。ただ元々「白鷺城」と呼ばれていたのは漆喰の白さから来ているもので、普段見慣れていたのは経年によるカビや汚れでそれなりに色のついた姿だという。前回の大改修が50年あまり前のことというが、その時の映像でも真っ白な姿を捉えている。
商店街を抜ける。軍師官兵衛にちなんだグッズや土産物を売る店があったり、大河ドラマ館の周りにも官兵衛見物客を当て込んだ店が並ぶ。やはり姫路は官兵衛に姫路城で賑やかなことである。
その城郭に入る。大天守はまだ改修中のため内部に入ることはできないが、とりあえず、行けるところまで行ってみよう。現在は西の丸から化粧櫓の中を歩き、大天守の下まで行くことになる。蒸し暑く感じるがテクテクと歩くことにする。
ここから先は柵に行く手を阻まれて進むことはできない。内部の公開が再開されるのは来年の3月末の予定であるが、またその後も大勢の観光客で賑わうことだろう。その時を楽しみにする。
その代わりといっては失礼だが、りの一櫓にて官兵衛やその家臣団ゆかりの武具が展示されているのを見る。
結構歩き回ったようにも思うが、図面を見ると敷地の半分くらいのものである。改めてこの城のスケールの大きさを感じる。また来てみたいと思う。
さて少し早い時間であるが夕方の食事ということにする。姫路のB級グルメとして有名なのが姫路おでん。生姜醤油で食べるのが特徴ということであるが、甘辛く煮た「関東煮き」の味を調整するためだとか、風味をつけるためだとか、ルーツはいろいろあるという。醤油といえば近くの龍野という名産地があるし、姫路の辺りでは生姜も栽培されていたということもあって、地元の食材を生かしたということもあるだろう。
特に専門店を下調べしたわけではなく、商店街にあった昔風情の居酒屋に「おでん」の文字もあったのでそこに入る。いくつか料理をいただき、締め代わりにおでんを注文。夏におでんというのもどうかと思うが、リーズナブルだし、栄養のバランスも取れるし、アテにもごはんのおかずにもなる。食べ比べをしていないので相対評価はできないが、味はまずまずのものだった。
行きに奈良にJRで向かったこともあり、帰りも目先を変える意味でJRで帰る。新快速は確かに早い。ただあまりに機能的過ぎるように見えることもある。やはり半日私鉄に揺られたからだろうか。明石、姫路、この辺りは往路と復路で目先を変えて、また訪れてみたいものである・・・・。