まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

熱いぜ松本!DeNAベイスターズ対中日ドラゴンズ観戦記(後)

2012年08月13日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

Dscn6054信州松本での野球観戦。DeNAが中村ノリの2点タイムリーで同点に追いつき、続くラミレスの内野ゴロの間に1点追加して3対2と逆転。続く筒香の大きな当たりは惜しいところで失速したが、DeNAもなかなか健闘を見せるものだ。

Dscn6050ただその喜びもつかの間。4回、先ほど自らの四球が逆転のきっかけとなったブランドンがピリッとしない。松井、堂上直に連打を浴びると、投手・山内がセンター前にポトリと落ちる当たり。これで3対3。その後も代打・藤井にタイムリーを浴びて4対3と中日に再逆転を許す。さすがにブランドンはここで降板。

その後代わった林から岩崎がタイムリーを放ち4対3、続く和田のところでは暴投で1点、そして犠牲フライでもう1点。この回だけで4点で6対3となった。レフトスタンドからチャンステーマが延々と流れる中、「こういうのって、やはり最下位のチームの野球やのう」と静かにぼやく。先ほど「いけるんじゃないの?」と喜んでいたスーパーカートリオの皆さんも「やっぱりダメだよなあ。いつものこと」と。その林は5回も投手・山内のヒットなどで満塁のピンチを招く。ここは岩崎を何とか討ち取って0点にしのぐ。

5回で2時間という長い展開。それでも松本の夜は涼しく、夕方にはうちわでバタバタやっていたのがこの頃になるとその必要もなくなってきた。

Dscn6059ただ試合はここから熱くなる。5回裏、代打で登場は元楽天のルイーズ。当たったら飛びそうな体格だが・・・・それが当たった。しかも場外へ。いくら外野スタンドが低いからといって、場外というのはインパクトある。これで6対4と追い上げを見せる。まだまだわからないし、いよいよ混戦・乱戦モードになってきた。

Dscn60626回表のDeNAは加賀美が登板。ランナーは出したが伸びのある直球と、チェンジアップのような緩いボールを効果的に使い0に抑える。「いい!いい!流れこっちきてるよ」と、スーパーカートリオの皆さん。

Dscn6064その流れがDeNAのものとなったのは6回裏。今度はラミレスが左中間の一発。4番の一振りと例のパフォーマンス(ベンチの陰で見えなかったが)は、6対5とまだ1点リードは許しているが、逆転も十分あるなと思わせるものだった。

ただ中日も必死。7回も加賀美を攻め立てるが無得点。それにしても毎回のようにランナーが出ているが、中日が拙攻なのか、DeNA投手陣が粘るのか。ただ加賀美のチェンジアップはこのひ効果的だった。やはり流れはDeNAにあるのかな。

Dscn60697回、中日のマウンドはセットアッパーの田島。中畑監督は終盤で代打攻勢。金城、下園が連打と采配的中。荒波もポテンヒットで無死満塁。とうとう流れが来たかな。

Dscn6073ここで内村。一・二塁間のボテボテの当たりだったが、中日内野陣が前進守備を敷いていたことがあってこれがラッキーに抜けていく。6対6、再び追いついた。私も思わずスーパーカートリオの皆さんともハイタッチ。

そして中村ノリ。やはりこの男のところに回ってくるのか。DeNAファンの皆さんは敬意を込めてノリ「さん」と呼ぶ。近鉄時代は、ファンはノリ、ノリと(けなすわけではなく関西の呼び捨て文化として呼び捨てにしていたようだが・・・。「ノリさんといえばなでしこの佐々木監督だよね」という声も聞こえるが、ここで一発・・・なんてことになったら話としてもでき過ぎ。

Dscn6082フルスイングの当たりはセンターへ。ネット裏からはいい角度で飛んだように思ったが失速。しかし犠牲フライには十分で、7対6とまた逆転。やはりこの男が決めてくれたか。この後、筒香にもタイムリーが出て8対6とリードを広げる。終盤に来ての粘り、とても最下位を独走するチームとは思えない戦いぶりである。

8回の中日の攻撃、森野に2塁打が出て食い下がるが8回の藤江の前に無得点。するとその裏に登板した高橋聡から森本の死球を皮切りにまたも満塁の場面をつくり、打席は先ほど同点打の内村。今度は押し出しの四球で9対6。もうこれで勝負は決まっただろう。最後は中村ノリが豪快に一発・・・・までもう少しのレフトへのフライ。ただこれも犠牲フライとなり10対6。ノリの一発は見られなかったが4打点の活躍。私としてはまだまだ元気にやっている姿を間近で見られたことで満足である。

Dscn6084最後は山口が3人で締めて、熱い松本での試合はDeNAの勝利。

Dscn6096お立ち台はノリではなく、同点打や好守で守り立てた内村、そしてチェンジアップで流れを呼び込み今季初勝利のついた加賀美の2人。内村といえばBCリーグからNPBへの第1号選手であることもあり、今季移籍となったが何とか定位置を確保して頑張ってほしい。

Dscn6087それにしても乱戦だった。スコアボードに表示されなかったのでホテルに着いてからチェックしたのだが、安打はDeNAが12、中日が17、四死球がDeNAが7、中日が1・・・地方開催ということでグラウンドに慣れていないこともあるのか、塁上を賑わせるのは夏休みの大盤振る舞いというところだろうか。

松本市野球場から少し歩いた最寄のバス停からの臨時バスで駅に戻る。2台やり過ごして乗車。駅前にはDeNA、中日両方のユニフォーム姿の人であふれかえっていた。横浜、名古屋から泊りがけで来た人も多いようで、駅前の居酒屋ではこれから二次会、反省会をやろうかというところだろう。前の週の松本は恒例行事「松本ぼんぼん」で賑わったというが、この夜は野球で沸いたこと。

いつもの本拠地での定番コースもいいが、たまにはこういう地方開催もいいし、町が活気付く。ここはオリックスも、ガラガラの大正ドームばかりにこだわるのではなく、ファン開拓のために地方開催を復活してはいかがかと思うのだが・・・・(え?今や神戸が地方開催の扱いって・・・?)。

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熱いぜ松本!DeNAベイスターズ対中日ドラゴンズ観戦記(前)

2012年08月13日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

前の記事では11日に奈良井宿を訪れるまでのことを書いた夏の旅行記。ここで一気に12日夜までワープ(というか先に書くことに)して・・・。

Dscn5963夏の旅行の計画を立てるにあたり、BCリーグの信濃グランセローズの試合が長野のどこかで行われていれば、というくらいのつもりで日程表を見ていたのだがあいにくと合わず。ただふとネットの検索の中で、12日夜に松本市野球場で横浜DeNA対中日の一戦が行われるとあった。お盆休みの時期に合わせて信州(14日が長野で阪神戦)で興行を行うとは、DeNAも考えたものである。そして相手は中日。信州という土地柄、横浜からでも名古屋からでも帰省や旅行を兼ねてきてください、ってなもんだろう。

Dscn5986かくいう私、DeNAといえば元近鉄の「あの男」の活躍を見てみたい。こういう地方開催とか、普段パ・リーグの試合を見ている者としては新鮮な「DHなしの野球」というのを見るのもいいだろう。

Dscn5961_3松本市野球場。松本駅からはバスで20分くらいかかるところにあるが、浅間温泉からは徒歩圏内。浅間温泉に宿泊して、夜は涼みがてらナイターを観戦する・・・なんてのもいいだろう(ちなみに私は松本駅前のホテル・・・かろうじて空いていた・・・に宿泊だが)。DeNAファン、中日ファン、いずれを見ても私にとっては新鮮に映る。ただ数の上では中日ファンのほうが多いかな。レフトの芝生席はビッシリ埋まっていたし、ほぼ満席となった内野指定席でも中日ファンのほうが若干多いかなというところ。

Dscn5968入場前にはベイスターズのマスコットにチアリーダーがご挨拶。それにしても、このマスコット、今はやりのゆるキャラ系だが、思ったより小さかった。チアのお姉さんと同じくらいの背丈だから、中に入っているのは女性かな?

Dscn6024私が今回座ったのは一塁側のネット裏席。内野フェンスが低いので自由席エリアのほうがネットが邪魔にならない分いいかなとも思ったが、せっかくなのでこのまま座ることに。隣には屋舗、高木、加藤の「スーパーカートリオ」のそれぞれの大洋ユニに身を固めた人たちが座る。結構濃いなあ。

Dscn5980地方開催となると飲食物の販売がどのようなものかわからなかったが、今回については「近くのコンビニでビール等も含め調達したほうが正解」であった。売店はあるのだがメニューもほとんどなく(ただ、缶ビールやペットボトルはそのまま売られていた。恐らく移し変える手間のほうが惜しいのだろう)、長い行列ができていた。私も今回は飲食のほうはペットボトルのお茶くらいにしておいて、その代わりグッズショップでベイスターズのうちわや中村ノリのタオルなどを購入する。

試合前には、昨日急逝した中日の稲葉2軍コーチの追悼ということで黙祷がささげられた。外野を見て、なぜ半旗になっているのか知らなかったのだがそういうことがあったそうだ。今の中日の1軍にいる若い投手たちも恐らく指導を受けていることだろうから、この試合は何としても負けられないところだろう。

Dscn6026さて試合。DeNAは左腕のブランドン。たださっそくに先頭の大島に内野安打を許す。続く岩崎がバントをすると、捕手の高城が二塁への野選。

Dscn6030これには中畑監督がバント処理をめぐって守備妨害ではないかとの抗議。一死一塁と無死一・二塁では展開はガラリと変わる。中畑監督の後ろから抗議についてきた高木コーチが「あなたは抗議する権利ないでしょ」とばかりに審判に後ろに下がるように言われていた光景が面白い。

その後満塁となり、5番井端の併殺くずれの間に中日1点先制。早速に「燃えよドラゴンズ」の合唱である。

Dscn6056序盤は中日ペース。毎回ランナーを出してチャンスをつくる。何だか毎回チャンステーマが流れているように思うが、中でも一塁コーチのこの選手の現役時代の応援歌をベースにしたテーマは面白い。レフトのコアなファン層が2小節ごとに右に左に移動する。ちょうど昔の真弓とか清原の応援時の光景のようだ。普段ナゴヤでもやっているのか松本だから急に盛り上がっているのかは知らないが、その回を追うごとに地元の子どもたちも混じってスタンドを右に左に移動する人の数が増える。まあ、それだけ中日有利の展開だったということかな。事実、3回にも井端のタイムリーで追加点を上げ、2対0で中日リード。「今日もダメなんだよな・・・」という声が一塁側からは漏れる。

ただそれでも常に明るさが漂うベンチとスタンド。これは中畑監督をはじめ、みんながつくった明るいムードなのかな。それに引き換え同じ最下位のオリックス・バファローズときたら、あの暗さは何やねん・・・と、思わず心の中でつぶやいてしまう。

Dscn6034そのためだろうか、3回裏にDeNAが中日先発の山内をつかまえる。きっかけは9番・ブランドンの四球。「9人野球」ならではの「投手のところで攻撃のリズムが一旦ストップする」というのが見慣れていないだけに戸惑うのだが、バットを持って立っているだけの投手に四球とはね・・・。ここを足がかりに、荒波、内村に連打が出て迎えるは3番・中村ノリ。

Dscn6046ここは本塁打狙って「いてまえ!」というところだが、ランナーのいるところではそのような打撃をしないのがこのところの中村の特徴。うまくセンター前にはじき返して2対2の同点。試合が振り出しに戻り松本市野球場はなかなか沸く。

・・・ただこれがこの後終盤までもつれる展開になろうとは。続きはこの後で・・・・。

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アーバンライナーから木曽路へ

2012年08月11日 | 旅行記D・東海北陸

夏の旅行はまず難波からアーバンライナーに乗車。

Dscn5758ニュースでは高速道路や新幹線の渋滞のニュースをやっているところだが、近鉄特急ともなるとよほどのことがない限りは満席にならない。難波から名古屋までの2時間15分、シートで快適に過ごす。天候が心配ではあるが関西地区は何とか持ったようである。

名古屋に到着。朝9時を回ったところであるが暑さがじわっと漂ってくる。駅周辺の温度計を見るともう33度。本当にどうにかならないのかというところである。

Dscn5760そんな中ではあるが、朝食と昼食との間のつなぎでホームの端にあるスタンドできしめんを食べる。みそ煮込み風のきしめんがあったのでこれを選択。名古屋の名物の一つにきしめんにみそ煮込みうどんがあるのだが、ありそうでなかなか見つからないのが、この二つを取り合わせたみそ煮込みのきしめん。八丁味噌の独特の風味を楽しむ。

Dscn5766さて、今回の旅の目的地は信州である。名古屋から中央線に乗車するが、先発する快速や普通列車をやり過ごして乗車したのは「セントラルライナー」。名古屋~中津川間を結ぶ快速列車であるが、乗車には座席指定の整理券(310円)が必要であるが、座席保証で快適に移動できるのがよい。それにしても、なぜ中央線だけなのかなと思う。

まずは名古屋近郊の区間を走るが、その区間を過ぎるとトンネルや渓谷も楽しめるところ。名古屋から30分やそこらで渓谷風情に接することができるのも意外なところである。

Dscn5768中津川に到着。多治見と並び、中京圏内で猛暑のスポットとして知られるところ。セントラルライナーから下車した客が有人改札に行列する。なかなか抜けることができない。客たちを見るに、その手には「青春18きっぷ」。そう、この先の中央線は本数が少ない区間であるが、名古屋から、あるいは関西方面から鈍行で木曽路を駆け抜けようという客であふれかえっているのだ。

一旦駅から外に出て、身体に堪える蒸し暑さを感じる。ただその次の瞬間にはまた駅に戻る。とてもではないが、ここからどこかに歩こうなどという気になれない。それよりも早くホームに戻り、次の松本行きの座席を確保しなければ。

ホームにはセントラルライナーからの乗り継ぎ客、そしてその後にやってきた快速列車から乗り継ごうという客で、通勤ラッシュのような混雑である。ただそこにやってきたのは・・・わずか2両。単純にいえば、6両でやってきた客を2両でさばこうというのだから、そりゃ混雑するわな。

それにも増して、ワンマン運転、出入口が1ヶ所だけというのはいかがなものだろうか。

これあるを見越して早くにホームに来たから座席にはありつけたが、ここで選択の誤り。進行方向右側に席を取ったのだが、こちらだと木曽川の眺めを見ることがほとんどできない。有名な寝覚ノ床などの渓谷は進行左側へ。そのためにほとんど山の斜面を見るような形となり(中央線の上り線路がついたり離れたり、別区間を走ったりするのを見るのは面白いが)、何だか消化不良である。

Dscn5776このまま松本に向かってもいいのだが、せっかくなのだからと途中下車をする。この木曽路は谷間の通行路が狭いこともあり、鉄道と昔の宿場町が比較的接しており、かつ、宿場も昔ながらの風情を残しているところが多い。その中で、駅から至近で町並みもきれいに保存されている奈良井宿を訪ねることにする・・・・。

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旅立ちは近鉄アーバンライナー

2012年08月11日 | 旅行記D・東海北陸
これから東へ向かうべく、近鉄アーバンライナーに乗ります。

今回、天候が今一つで雨の予報なのが気になります・・・。

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どうなる消費税と解散

2012年08月09日 | ブログ
世の中、オリンピック報道で賑わう一方で、ひそかにではあるが伝えられる国会の動き。この国会の行方如何ではこの国の今後のあり方まで問われるというのだから、もっと注目しなければならないのだが・・・。

とはいうものの、ベンチからごっそりメンバーが抜け、一見危なそうに見えながらもノラリクラリの軟投を見せる野田投手に対して、ど真ん中のストライクを見逃したり、塁に出ても内野フライで先の塁にも進めず結局得点に至らない自民クリーンアップ。


グラウンドの試合よりも、スタンドの観客の橋下や石原のヤジのほうがウケていたり。

かと思えば選手がスタンドに上がってファンと一緒に流しソーメンしてたり(どこの球場や)、試合中にFA宣言したりメジャー挑戦を表明したり。


・・・まあ、そんなもんでございましょう。


ただ、与野党がガチで消費税について議論する、本当に増税が解決法なのか、あるいは逆に、もっと税率を欧米並みに上げないといけないのか、どうも雰囲気が伝わってこない。政局ではなく、政策で丁々発止やってこそ、国民の関心を呼ぶのではないだろうか。


だらけた試合をやっているグラウンドには客が来ないのと同じでは。


何かこの調子でズルズル時間切れ引き分けみたいになりそうだし、結局解散もなく任期満了まで続いていたりして・・・。


・・・・てなことを、目の前で繰り広げられる貧打戦を観ながら思うわけですわ。


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『むかしの汽車旅』

2012年08月07日 | ブログ

昨日6日から本日7日にかけて出張で東京に行ってきた。移動は新幹線「のぞみ」ということになるが、大阪から東京まで2時間半、空いていれば快適に利用できるのだがそこは日本の大動脈ということでいつ乗ってもほぼ満席という状態。夏の湿気の多い時期ということで往復とも富士山が見えなかったのは残念である。

さて、そんな車窓のお供に持参したのが読みさしだったこの一冊。

『むかしの汽車旅』(出久根達郎編 河出文庫)。

2012080618150000_2これは汽車旅に関する作品を集めたアンソロジーであるが、いわゆる鉄道紀行作家とかレイルウェイライターとかいう人たちのものではない。阿房列車の類でもない。寄せられた作家たちを見ると、森鷗外、夏目漱石、正岡子規、泉鏡花、石川啄木、芥川龍之介、林芙美子、太宰治・・・という、明治以降の文豪たち。このほかの作家、文筆家を入れて合計30編が収められている。

こういう文豪たちが書いた随筆なのだが、よくこれだけのものをかき集めてきたなというのが第一の感想である。汽車に乗るために旅に出たということではなく、必要があっての旅に出てこういう苦労をしたということのネタとか、あるいは人間描写の舞台として汽車の中というのを選んだというものが多いが、「この作家って実は結構鉄道ファンの気があるのではないか」という人もいる。

自然や車窓の描写よりは、車内にいる人たちの仕草や習慣など、当時の車内の様子がうかがえるのが面白い。車内で売られているものとか、毛布を持参して乗車するとか、車内で客の前で授乳するとか、現在では考えられないことも一般的に行われていたことがうかがえる。

個人的に面白かったのをいくつか挙げる。小田原から熱海までの「人車鉄道」から軽便鉄道、そして現在の東海道線ができるまでの鉄道の発達の様子と自らの家族の変化をリンクさせて描いた牧野信一の『熱海線私語』。シベリア鉄道の三等車で出会ったさまざまな人たちの描写や「ものの値段」の細かな観察が生き生きとしている林芙美子の『シベリヤの三等列車』。芭蕉の奥の細道を鉄道で追いかけようと奥羽を回った(かなり我流になっているが)高浜虚子の『汽車奥の細道』。山陽から山陰への難所の光景がよい大町桂月の『迎妻紀行』・・・といったところだろう。

これらに限らず、どこかの線に乗ることがあったとして、当時のことに思いを馳せてみるのも面白いだろう。たださすがに新幹線では早すぎて・・・ここはやはり在来線のほうがいいかな・・・・。

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「近鉄」対ロッテ、「10・19」の復刻ならびに大和人さんの追悼試合

2012年08月05日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

5日に行われたオリックス・バファローズ対千葉ロッテマリーンズ戦は80年代の近鉄バファローズの復刻ユニフォームを着用しての試合。私もこのために帽子をはじめとしたグッズを買い込んだり、ユニフォームを誂えたりして楽しみにしていた試合である。内野自由席に、「混戦BB会」の鈍な支障さんとともに現れる。

Dscn5594「80年代」とはいうもの、今季の復刻イベントでのメインテーマは1988年の川崎球場での「10・19ダブルヘッダー」、そして翌年西武ライオンズを破っての優勝、この辺りである。近鉄いてまえ打線がパ・リーグに、いや日本中に旋風を巻き起こした時期と言っていいだろう。

・・・そして、私たちにとっては、本来であれば一緒に観戦するはずであったが先月に急逝した大和人さんの追悼試合の意味合いがある。バッグには彼の写真を忍ばせてきた。以前の記事にも書いたが、これまで共に観戦した試合では「引き締まった投手戦で短時間で試合終了」というためしはなく、たいがい乱打戦か、投手交代ばかり見せられるだらけた試合か、延長戦、4時間超え、さらには何かミラクルかトラブルが起こるといったところである。果たしてこの日もそのようなことになるのだろうか。

Dscn5628さて試合前のメモリアルピッチ。「10・19」の第一試合、代打で同点二塁打を放ったお祭り男・村上隆行氏の登場である。現在も関西独立リーグで監督を務めるだけあってまだ若く、試合前のトークでは「135キロ出す」とか言っていたそうだ。

Dscn5631結局125キロというスピードガンであったが、キレのある投球でスタンドを沸かせる。

「10・19」か・・・。試合前、試合中には当時の場面や選手たちの証言が流れる。ABC安部アナウンサーの「ディス イズ プロ野球!!」という名実況も聴けた。

Dscn5634メンバー紹介が終わり、ふと審判の名前を見ると「二塁 佐藤」とある。この佐藤純一塁審は元近鉄の選手。「10・19」の第一試合で代走で出場し、鈴木のヒットで本塁に戻ろうとするも間に合わず、結局三本間に挟まれて憤死、涙を流したという選手である。立場が審判となった今、この復刻試合にどのような気持ちで臨んでいたのだろうか。そんな話も鈍な支障さんと交わす。

Dscn5641さて試合。オリックスはフィガロが先発。「速いボールあるのに何で勝てないのかな」などというが、初めからどうもコントロールが決まらない。確かにスピードはあり、150キロは軽く超え、最高で155キロまで行く。打者のほうが打ち損じてくれて序盤は無失点でしのぐ。

Dscn5643一方のロッテ先発はプロ初となる中郷。こちらもなかなかイキのいい投球であるが、スケールズ、後藤がそれぞれ詰まりながらも連打を放ち早速チャンス到来。

Dscn5659ここでT-岡田が二遊間を破る先制タイムリー。この日大勢の近鉄ユニフォームで埋まったスタンド(といっても、上段席は内外野とも「80年代のパ・リーグのような光景」であったが・・・)が沸く。

Dscn5661続くバルディリスもライトへ。ちょっと浅いかなとも思ったが二死でランナー後藤ということで三塁コーチは躊躇なく腕を回す。そこで本塁に突っ込んだが送球のほうが早く追加点ならず。歓声がため息に変わる。何だかこの後嫌な展開になりそうな・・・。

Dscn5638_2この後はフィガロ、中郷ともランナーを許すが何とかしのぐ投球。それにしてもボール数が多く、イニングの終了に時間がかかる。「ひょっとしたら、また4時間ペースでしょうか。また波乱含みで」と支障さんと話す。

Dscn5675そんな直後の4回、ロッテの4番ホワイトセルがちょこんと当ててレフトへ。するとこれが意外にも伸びてスタンドに入る。あっさりとロッテが1対1の同点に追いつく。

Dscn5684これでリズムが崩れたか、続く角中、サブローに連続四球。犠打で進塁したところを8番田中が前進守備の間を抜くタイムリーで2点追加。田中は二塁を欲張って狭殺プレーでアウトになったがこれで3対1。何だか嫌な展開になってきた。

Dscn5690そして、乱戦模様となったのがその裏。先頭のバルディリスが左中間への大きな当たり。私たちのいた一塁側上段席からはフェンス上の看板のところで入ったように見えた。1点差となる一発でスタンドは大いに沸いたが、その直後に怒号に変わる。二塁塁審が二塁打という判定をしたのだ。

Dscn5691審判団が集まり、ビデオ協議に入るという。二塁といえば・・・そう、佐藤塁審。「佐藤純一!絶対入っとるやろ!」「お前も近鉄の選手やったやろ!」というヤジが飛ぶ。私たちも「あの10・19のことで何かわだかまりを持っているのかな」などと話す。「こんなところにも10・19があったんやな・・・」

それにしても、ビデオ判定をやるのはいいのだが、バックスクリーンには大型ビジョンもあるのだし、凡打でもリプレーをやるのに、こういう時に限って何もやらないのはどういうことだろうか。テレビで見る分には何回も繰り返し映し出されるが、球場に足を運んでいる客に対しては失礼なことではないかと思う。

結局、判定は覆らず無死二塁で試合再開。ただこの後、竹原、伊藤が続けて大きな外野フライ。タッチアップ2回でバルディリスが生還して3対2と詰め寄る。まあ、結果は本塁打と凡打2つと変わらなかったが・・・。

フィガロは4回で降板、5回に二番手の古川も井口にタイムリーを打たれて4対2とリードが広がる。俊足バッターを配置し、ヒットをコツコツ続けて得点を挙げるロッテらしい攻撃にオリックスは劣勢。

Dscn5705その裏、ロッテも先発の中郷から橋本に交代。2点を追う展開ながら川端が死球、スケールズのヒットで無死一・二塁と追い上げのチャンス。ここで後藤の打球はレフトへ。角中が懸命に突っ込むがわずかの差でワンバウンド。急いで二塁に送球すると、二塁の佐藤塁審がアウトのコール。この展開にまたスタンドが騒然とする。何がどうなったのやら。ここで岡田監督が抗議にでる。

Dscn5711岡田監督、審判団、ロッテの内野陣の言い争い。しばらく審判団と話していた岡田監督はベンチに引き揚げてきたが、今度はロッテ内野陣が納得いかない感じで審判団に詰め寄る。そこに西村監督も登場。うーん、「10・19」の時も近鉄・中西コーチが鼻をかみながら審判に詰め寄ったり、ロッテ・有藤監督の「制限時間が迫る中での9分間の抗議」もあったなあ。「佐藤!またお前か!」「有藤出てこい!」というヤジも飛ぶ。何もそういうところまで復刻しなくても・・・。

主審の説明もよくわからなかったが、帰宅後にテキストを確認したところでは、レフト前のワンバウンドで打者後藤はセーフ、セカンドへの送球で、一塁走者のスケールズがフォースアウト、直接捕られたかと思い二塁に戻ってきた川端はセーフ。ということで一死一・二塁で試合再開。

こうなればスタンドのファンも熱くなる。次は主砲・李大浩。しかし空振りの三振に倒れる。いやそれでも浪速の轟砲・T-岡田がいる・・・。

Dscn57153球目を鋭く振りぬく。すると打球は一直線に右中間スタンドへ。ゴタゴタしたムードにケリをつけるべく、一発で決めた逆転3ラン。

Dscn5717・・・T-岡田が戻ってきた時、私の目には涙があふれていた。「・・・これは、大和人さんが打たせてくれたんだ」と。別にT-岡田には関係のない話ではあるが、何だか大和人さんが今日はスタンドのどこかにいて、「やっぱり我々が来ると試合がもつれるんですね」と言っているような気がするのである。

Dscn5728これで5対4と試合がひっくり返る。後は中継ぎから平野、岸田とつなぐ展開。そして迎えた7回表。この回から4人目の中山が登板。一死一塁から角中の二遊間への当たり、ショートの安達が回り込んで一塁送球・・・が低くて李大浩が後ろにそらす。これで二・三塁となったところで平野が登板。

Dscn5730ところがサブローが鮮やかに流し打ち。これで2者が生還して6対5と再びロッテがリード。ここまでシーソーゲームになるか。

「近鉄バファローズの歌」が流れた7回裏、いてまえ打線の逆襲。まずは先頭の川端が二塁打、「スケさん、こらしめてやりなさい」のスケールズが四球で続く。後藤凡退で李大浩がストレートの四球。一死満塁というまたとない場面で迎えるはT-岡田。当然、もう一本期待するところ。大和人さんの奇跡は再び起こるのか。

Dscn5736・・・ところが、現実はそううまくはいかないもの。ここで交代した薮田の前に力のない二飛、続くバルディリスも遊ゴロに倒れ、スタンドからは悲鳴があがった。

Dscn5749オリックスは岸田も投入し結局6対5のまま9回へ。ロッテのマウンドは薮田に代わって抑えを任されたルーキーの益田。サイドスローからの投球に「李大浩まで回せ!」の応援もむなしく川端、スケールズが凡退。後藤も空振り三振・・・・がファールの判定となり一度は命拾いしたが、最後はライナーに倒れて試合終了。3番手の南昌輝がプロ初勝利、最後の益田にプロ初セーブがついた。ヒーローインタビューは逆転打のサブローではなく、プロ初勝利の南。和歌山出身ということで「大阪の皆さんの前で勝ててよかったです」というコメントであった。

Dscn57509回までで3時間53分。「やっぱり、我々らしいドタバタした試合になりましたね。大和人さんも喜んでますよ」と鈍な支障さん。残念ながら白星をプレゼントすることはできなかったが、「らしい」試合ということで、追悼試合としてこれからも私たちの心の中に残るのかな、という気がした。

・・・これからも天国で、「熱戦」を見守っていてほしいと思う・・・・。

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結婚披露「飲み会」?

2012年08月04日 | ブログ
本日4日は、大学時代の同級生であり、現在は和歌山有田にてみかんの栽培に携わっているI君こと、伊藤嘉昭君の結婚披露と祝福を兼ねたパーティー(飲み会)に参加した。


出会って2ヶ月で入籍まで至ったということで、我々参加側からみれば、「どこをどういう感じで好きになって、それで結婚まで行くとなると好きな気持ちをどう高めていったのかな?」というのが気になる。先に集まった大学時代の友人たちの間で、逆にこちらのほうが緊張してたり。

そんな中、初めてI君のお相手と対面したわけだが、本当にしっかりしているというか懐が深いというか、よくもI氏と結婚を承知したなという感じである。

お互いには「フィーリング」ということを強調していたが、結婚相手を決めるというのは、最後はそういうものなのかと。婚活やってて、やれプロフィールカードがどうの、釣書の内容がどうのというのは、相手にビビッと来る要素とはまた違うのだろうな。

話もしっかりした感じだし、これから幸せな家庭が築かれるのではないかと思う。私も酒席のことでいろんなアホなこと、そして失礼なことを言ったかもしれないが、二人の門出を祝福する気持ちには何ら変わるものがない。

また、みかんの成る頃にでも(農園の手伝いはそれなりで)また訪れたいと思う。

これから大変なことがあるだろうけど、この二人なら乗り越えられると思う。お互いとの絆を大切に、これから素晴らしい家庭を築くことを願ってます・・・!

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空と海とが呼び合って・・・

2012年08月04日 | 旅行記E・関西

南紀勝浦を訪れた2日目の話の続き。

Dscn5420勝浦漁港でのマグロの競りを見た後、予定の列車まで時間があるので、すぐ近くから出航する紀の松島めぐりの遊覧船に乗ることにする。

Dscn5423朝からジリジリと暑い天候だが、船が滑り出すと涼しい風が入ってくる。勝浦の老舗であるホテル浦島に中の島ホテルを両側に見る。

Dscn5430紀の松島という名前は宮城の松島から取ったものであるが、あちらほど島が数多く浮かんでいるわけではない。入り江の先端にいくつかの島が並ぶ程度である。洞窟が貫通して穴になっているところもある。穴が開いているといえば、白浜の円月島だったか「穴が風化でボロボロになって上のほうが崩れそうなので補修工事を行っている」というニュースを聞いたことがある。ただ、そもそも穴が開くに至ったのも長年の自然の波風の作用によるものである。ならば、それが進めば穴の形も崩れるのも当然で、そういうのを生きた教材として見せるのがよいと思うのだが、それに人間の手を加えるのはいかがなものだろうか。

Dscn5454Dscn5468そんな島々を過ぎると外海に出る。陸地には浸食の影響でできたいくつもの洞窟がある。この中の一つにホテル浦島の忘帰洞の温泉がある。その向こうにそびえる熊野の山々には一面雲がかかっており、その向こうの神秘性を感じさせる。

Dscn5466一方、海のほうに目を転じれば果てしない黒潮の海。西方浄土を目指す那智の補陀落渡海はこの海に漕ぎ出していったわけだが、その先に見えたものは果たしてなんだったのだろうかと思う。

島々の眺めもよいが、水平線の先まで遮るものがない景色というのもよいものである。

音声案内が「空と海とが溶け合うような雄大な景色でございます・・・」とある。天候と合わさってまさしくそのような景色に見える。

Dscn5442そこで頭に流れてきたのが、「空と海とが呼び合って 生まれた強い力たち 波しぶき舞う遠い冒険・・・」という歌詞。そう、オリックス・ブルーウェーブの「リトル・ネプチューン」。

今では球場で流れることのないナンバーであるが、ある意味「プロ野球らしくない」この曲、ごく普通に海で聴くのもいいかもしれない。ということでバッグからウォークマンを取り出して選曲。

Dscn5479しばらく外海を走り、再び入り江に戻る。ラクダ岩、ライオン島などの奇岩を見た後にやってきたのは太地。

Dscn5482太地といえばクジラ、イルカ漁で知られるところである。少し前は映画『ザ・コーブ』という、とんでもなく主観の入ったドキュメンタリーものがあったが、あれを観た後では余計にイルカというものを食べてみたいなと思ったものである。勝浦の店ではマグロにこだわったが、もっとよく探せばイルカを出す店もあったかもしれない。

太地で下船することもでき、クジラの博物館を見てもよかったのだが今回はそのまま乗船することに。もうしばらく、潮風の心地よさを楽しむことにする。

Dscn54891時間弱の遊覧を終えて勝浦に戻る。陸地に上がると暑さがジリジリとやってくる。この日はこの後で実に暑いことになった・・・・。

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勝浦まぐろの競り市

2012年08月01日 | 旅行記E・関西

Dscn5359海の日の南紀紀行のことを書いていたのがしばらく中断する形となっていた。ちょうどこの記事を書いていた時に大和人さんの訃報を受けたからだが、やはり途中で終わるというのも落ち着かない話で、彼も続きを読んでくれるかなという思いで、二日目の続きを書くことにする。

その海の日の朝、南紀勝浦で朝を迎える。窓の外は隣の建物の壁というビジネスホテルでも朝の訪れは早く部屋も明るくなる。

ということだが朝早い列車に乗るのではなく、まず向かったのはホテルからもほど近い魚市場。勝浦といえばマグロの水揚げの多い港であるが、遠洋漁業の冷凍ではなく、近場の延縄漁法で獲ってきたマグロが朝には市場に並ぶ。勝浦はこの生マグロを町の売り物としており、観光客にもっとマグロに親しんでもらおうと、その競りの様子を、市場の2階のデッキから誰でも無料で見学できるというので行ってみた。市場は日曜が休みなのだが、祝祭日の月曜は動いている。土日の旅行でなく、日月の旅行だからできたことでラッキー。前日の夏祭りといい、現地での思わぬ形でイベントに出会うのも旅の面白さである。

Dscn5362パンフレットでは朝7時からと書いていたのでその時間に行ったのだが、ちょっとうかつだったのは、朝の7時にはすでにマグロは並べられていること。船から揚げて、重さを量り、それを次々に並べていく様子を見ようというのならもっと暗いうちから行かなければならなかったということ。着いた時にはすでに何百本ものマグロがきれいに並べられており、その間を問屋・販売店の人たちがいろいろと回っているところであった。

Dscn5370マグロがこれだけ並ぶのをナマで見るのは初めてである。よく、ベッドの上においてそういう女性のことをマグロと呼んだり、デブばかり(私のようなもの?)が大部屋で雑魚寝しているのをマグロ漁港のように言い立てることがあるが、これだけ並ぶとそういう女性とかデブとかいう言葉はどこかに飛んで、口を開けるばかりである。

Dscn5372Dscn5373無秩序に並べられているように見えて、ちゃんとマグロの種別に分けられている。さすがにクロマグロは数が少ないが、メバチマグロ、キハダマグロといったところが主力。あとは頭を切られたビンチョウマグロ。この4種が勢力を占めるといったところである。デッキの壁にマグロの種類のイラスト付き解説があり、これで種類がわかる。マグロといえば切り身でお目にかかることがほとんどだと思うので、こういう姿を見るというのも貴重な経験である。それにしても、これだけのマグロが日々人々の胃袋に収まっていくのかと思うと、「消費」という文字の重みを感じる。

Dscn5387時刻は7時を回り、デッキにも見学客の姿が増えてきた。チャイムが鳴るというわけではないが、マグロの間にワゴンがやってきた。それまでマグロの間をぐるぐる回り、時には尾のあたりを手鍵で引っ掻いて身の付き具合を確かめたりしていた仲買人たちだが、ワゴンに行って小さな黒板を取ってきて、マグロのところで何やら書き、それをワゴンに放り込む。

 

Dscn5405それが入札のやり方で、何回か繰り返されるのを見た限りでは、マグロ一尾一尾ごとに番号が貼られていて、マグロの列やブロック単位で競られるようだ。頃を見てお兄さんがワゴンに入れられた札を出して並べて、「○番、何百何十何円、××(仲買人名)」と次々に読み上げていく。ある仲買人が連続して呼ばれるというのも結構あり、もう各業者の間で「この列はあなた」という暗黙の了解でもあるのだろうか。それともガチで落としにかかっているのか。もっと殺気だってるのかなと思いきや、結構淡々と進んでいる。この値段はキロ単価なのだろうか?ならば安い。市場ではこんなもんで、消費者の口に入る頃にはキロ単価で何倍になっていることやら・・・。

Dscn5393マグロの原価と末端価格(麻薬とは違うが)の差の大きさとか、漁師と仲買人の力関係がどうのとか、その手の話は大間と築地の関係を聞き書きしたもので見聞したことがあるが、勝浦と関西の関係も似たものだろうか。だいたい、仲買人が一番エラソーな態度を取っているのが第一次産業の衰退の一因ではないかと思うが・・・。

Dscn5408それは置いといて、買い手のついたマグロ、実に鮮やかに引き取られていく。ノコギリのような包丁で尾を切られ、手鍵を口と尾に掛けられ、運ばれた発泡スチロールに次々に放り込まれる。

Dscn5407そして仲買人のラベルを貼られ、その上から氷を投げ込む。これで勝浦直送のマグロの出来上がり。この夜、どのくらいの人がこの勝浦マグロを賞味したことだろうか。

それはそれとして、せっかく市場に来たのだから新鮮なものを食べたい。そういう観光客の願いに応えるかのように、市場の前にはいくつかの店が出ている。開店準備の時間があるようで、それまで目の前の足湯につかっての時間待ち。見るに、土産物だけではなく、揚がったばかりのマグロを食べさせる店もある。せっかくなのでメバチマグロの赤身に、中落ちをメインとしたミニ丼、そして紀州の携行食であるめはり寿司を買い求め、朝食ということに。

Dscn5417・・・いや~、これはたまりまへん。思わず朝からビールを飲みたくなるラインナップ。

さてこの後は、せっかく紀伊勝浦まで来たのだからと紀の松島めぐりの遊覧船に乗る。これはこれでまた素晴らしい景色を楽しむことができたが、それはまた別の記事にて・・・・。

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