まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

鹿児島で「餃子の王将」を食らう

2010年05月15日 | 旅行記H・九州

この旅行の初日、5月1日の夜のこと。この日は鹿児島出身の会社の先輩社員・K氏と小倉で会い、食事をしに下関まで渡った時のことである。

K氏:「鹿児島に行ったら"餃子の王将"に行ってみたら?」

まつなる:「王将ってどこにでもあるでしょ。何でまた」

K氏:「いやいや、これが鹿児島だけ違うのよ。オレも学生の頃はしょっちゅう通ってたけど、本社(東京)に行って初めて『違う』って知ったんよ」

聞くところでは、私などが知っている「王将」と言えば、全国展開している京都を本拠とする「餃子の王将」と、大阪城の天守閣のマークを使った「大阪王将」の2つである。それが、「鹿児島県限定」で「餃子の王将」が展開されているというのである。京都王将の支店ではなく、あくまで一つの独立した「鹿児島王将」というフランチャイズとして。

「鹿児島王将」が独立した存在となったいきさつは、鹿児島出身の財界の大物・京セラの稲盛和夫氏の存在があったという。稲盛氏の弟・実氏の義姉の弟が「餃子の王将」に勤務していたのだが、独立を希望していた。それを聞いた和夫氏が「餃子の王将」にかけ合い、鹿児島県内限定ということで独立出店を許されたといういきさつがある。

このたびJALのCEOにも就任した稲盛和夫氏。彼の業績というのがこんな意外なところに出ているというのが面白い。鹿児島と京都という土地のキーワードで括られるというのも幕末の「薩摩藩と都」の関係のように見えるし、「鹿児島だけ独立」というのも、何だか一時の「中央政権の支配が及ばない薩摩の国」と想像させるようで、うならせるものがある。ここは「チェースト!」と叫んでおこう。

Dscn9458 さて、鹿児島に2泊するのだから、1泊目(前日2日)はまあ鹿児島の名物を味わうとして、2泊目は「鹿児島の庶民の味」をやるのも悪くないだろう。天文館にある「中町店」の場所をK氏から教わってたどり着く。天文館通と、電車通りから照国神社に向かう道の間の脇道にある。この「メイン通りから一本中に入る」というのが庶民の店としていいかな。

Dscn9459 それにしても看板を見るに、見慣れた「餃子の王将」そのものである。ただその横に「鹿児島王将」と書かれているのが「別な存在でごわす」とアピールしているかのようである。

Dscn9460 中に入る。大衆中華らしいメニューがずらりと並ぶ。そしてこれも京都王将との違いなのだろうか、定食もの、セットメニューというのがなく、全て単品である。テーブルには伝票が置かれており、客はこれに記入して店員に渡すというシステム(追加注文などは「○○ください」と口頭で言っても店員が伝票にチェックしてくれるようだ)。

Dscn9463 餃子の王将に来たのだからと、餃子を注文。6個で200円。こんがりとした焼き上がりで、具もしっかり詰まっていていける。京都王将のそれより餃子がやや長いかなという感じである。たれ、酢を合わせていただく。

Dscn9461 この他には、人気・定番メニューでK氏もオススメだった天津飯に唐揚をいただく。天津飯は普段注文しないメニューであるが、酸っぱい中に甘味もあるあんかけが天津飯の風味を出してくれる。

Dscn9462 また唐揚も薄い色合いでカラッと揚げられており食べやすい。結構いけますな。昔ながらの素朴な(日本風)「中華料理」というのを堪能させてくれる。ただ残念なのは、それぞれボリュームがあって、一人旅の身には一度に味わえる品数に限度があるということで・・・。ただ来年には九州新幹線も全通することから、「京都王将、大阪王将、そして鹿児島王将を食べ比べる」という旅行もありかな・・・なんて考えてしまう。鹿児島王将、九州のグルメ旅の一つに入れていいんじゃないですか。情報をいただいたK氏に感謝。

Dscn9466 さて、南国の夕暮れは遅く(また、王将は居酒屋ではないのだからそう長居することもなく)、外に出てもまだ明るい。ここに来たのだからと、照国神社に参拝する。薩摩藩主の島津斉彬を祭ったという神社。武運長久(現在であればビジネスなどでの「見えない敵」に打ち勝つことかな)を祈念する。

Dscn9469 そして向かったのは西郷隆盛の銅像。やはりここは人気スポットで、記念撮影する人が多い。上野公園の西郷隆盛像とよく比べられるが、私個人としては着流しで犬を連れた西郷像のほうが、彼のおおらかとされる人物像をよく表現していて好きなところである。

Dscn9472  鹿児島といえばシンボルは桜島。西郷像の横道を入ったところで火山灰の収集ポイントを見つけた。普通に家庭ごみを集めるように、灰の収集ポイントが市内のいたるところにあるようだ。ビニール袋の中に黒い物体が詰められて置かれている。こうやって集めた灰というのはこの後どのように処理されるのか気になる。

さてここからは自然歩道を歩く。20分ほどで城山の展望台に到着。暮れ行く鹿児島の市街地を一望できる。ポツポツと灯りがともり、徐々に夜景らしいムードが広がってきた。しばし、ここで街並みを眺める。

Dscn9474 桜島の方角は霞んでいて稜線が辛うじて見えるくらい。展望台にいた地元の人の話では、今日は黄砂がひどく、そのために桜島もほとんど見えなかったとのこと。普段関西にいると黄砂というのは年に数回あるかないかといったところだが、さすが大陸に近い鹿児島、黄砂というのは頻繁にあるということである。黄砂、そして火山灰、鹿児島の市街というのも環境として結構きついようだ。

Dscn9489Dscn9491Dscn9497それでも夜景というのはいいもので、しばしそこにたたずむ。

Dscn9502さて帰りであるが、上りで通ってきた自然歩道は照明がなく真っ暗で、これを歩いて下りるのはさすがにためらわれる。ということで、ちょうど団体客が引き上げるのと一緒に駐車場のほうに向かったのだが、この団体というのがどこかのツアー客というのではなく、鹿児島の市内バスで夜のコースというのがあり、そこでの一時停車で展望台にやってきた人たちであった。バスも普通の運賃で乗車できるということで、それに乗車して鹿児島中央駅まで戻る。途中、西郷洞窟やら鶴丸城やら維新の志士たちの生家の近くやら、ガイドさんの案内を聞くことができる。

なかなかに面白い鹿児島の夜となった・・・。(続く)

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