プロ野球に欠かせないものの一つに「背番号」が挙げられるだろう。
現在のイメージとしては主力野手が一桁、主力投手は10番台というのがあり、入団当時に大きな番号を背負っていた選手が一軍での活躍で若い番号を勝ち取るというのがある。同一チームである番号の系譜を見ると、それは歴代の4番打者やエースが背負っている伝統のあるものであったり、その番号を与えることで球団の選手に対する期待の大きさを示すというのもある。
一方で、イチローや松井秀喜の活躍で「51」や「55」がメジャーな番号となり、最近は「自分の番号」ということであえて若い頃の番号をそのまま変えないという選手もいる。野球ファンというもの、選手の顔よりもまず背番号でその選手を知るということも。
そんな背番号にまつわるあれこれを番号ごとに取り上げたのが本書である。『プロ野球は「背番号」で見よ!』(小野俊哉著、光文社新書)。
本書は「背番号別ランキング」というのが特徴で、野手なら出場試合数、投手なら投球イニング数をベースとしている。複数のチームにまたがって同じ背番号をつけた場合は通算するし、同じ選手でも別の番号での試合はカウントしない。例えば背番号1ならランキング1位は2831試合出場の王貞治、2位は2055試合の高木守道、3位は1950試合で若松勉・・・といった具合である。必ずしも打撃成績の順番とはならず、より長く、多くの試合でファンにその番号を披露してくれたランキングである。
本書はそうした選手の紹介や背番号にまつわるエピソード、そして背番号に対する考え方や価値観の歴史もわかる。別の書籍ではいろんな画像を交えたり、各球団各年度の各番号の選手一覧もあるので、それと合わせて読むのもいいかもしれない。
先日、ポジション別にプロ野球のベストイレブン(9人プラスリリーフ投手と指名打者)を投票するという日本テレビの企画があったが、そんな感じで「背番号別ベストプレーヤー」をファンの主観で選んでみたらどうなるだろうか。99まですべて埋めるのは難しいから、0~30までは各番号、後は31~35、36~40・・・などと5番刻みで選ぶとか。
ただそうすると、背番号1で早速悩むことになりそうだが。
また書く機会があれば、少しずつマイベストプレーヤーを書いていくことにしよう・・・・。