オリックス・バファローズの開幕3連勝はマスコミでもそれなりに取り上げられているようで(といっても、関西では阪神の10分の1しか報道してもらえませんが)、やれ岡田監督の采配的中とか、カブレラのわがままを封じ込めたとか、良しにつけ悪しにつけ「野球の監督」というのは注目されるものである。
さて、同じ「野球の監督」でも、一人の監督の発言が物議を醸しているとか。
選抜高校野球で、中国地区代表の島根・開星高校の監督が初戦で「21世紀枠」出場の和歌山・向陽高校に敗れたのを受けて、「21世紀枠に負けるとは末代までの恥」と発言したということ。
うーん、これがプロの勝負ならいくらでもある発言(かつて、「巨人はロッテより弱い。そんなチームに負けるのでは他のパのチームに申し訳ない」と言ったとされる近鉄の投手もいたし)と思うのだが、これが高校野球だけにまずかったですな。
野球観戦は好きなのだが、高校野球はほとんどといっていいほどテレビでも観ない私。高校野球を取り巻く環境は限りなく「プロ」に近いのに、一方で「さわやか」「青春」「教育の一環」という言葉が随所に出てくる。その「随所」というのは「何かしらトラブルが起こるとき」ということを指すのだから、余計にそれらの言葉が空虚なものに感じる。
そんなことを書くと全国の高校野球ファンからクレームが来そうだが、まあ1日の訪問者数もわずかな、細々としたブログなもんで別にいいでしょう。
レベルの差はあれ全国各地方の大会を勝ち抜いたチームと、「21世紀枠」だの「希望枠」だの、どういう基準で選ばれたのか(毎日新聞派の私も)もう一つ納得できないチームが対戦するというのも「どうなの?」という気がする。その「選抜」が果たして公平かつ客観的な基準のものなのか。そりゃ「21世紀枠がなんぼのもんや」という気持ちも出てくるだろう。
開星高校の監督の発言は案外多くの学校の監督が本音として思っているのではないかと思う。そりゃ、勝負の世界に身を置いているわけだから。ただこれが「高校野球」だということを忘れていたのだと思う。そういう、特殊な世界だということを。もっとも、「末代までの恥」というのは言いすぎかな。せめてあなた一代の、この春に限っての恥ということで・・・・。
一方では甲子園最多勝の記録を更新した智弁和歌山の高島監督のように「そりゃ、あと10でも20でも勝ちたい」という方もいらっしゃるわけで、こちらも本音でしょう。高校野球が教育の一環というのなら、こういう「勝ちにこだわる宣言」も批判されるべきだと思うのだが、そうはならないでしょ。
そんなにマスコミが目くじら立てて取り上げるほどのことでもないと思うのだが・・・・。