まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

鉄道博物館開業

2007年10月14日 | まち歩き

10月14日は、鉄道の日。そして、今年の鉄道の日に合わせて大宮に開業したのが、鉄道博物館である。昨年5月に閉館になった交通博物館の後継が、いよいよ開業である。JR東日本がCMを流したり、中の様子を紹介したテレビや雑誌などの影響、あとは鉄道ブーム(という言い方は嫌いなのだが)とやらの影響とやらで、開業前から話題になっていた博物館である。

Pa144243前身の交通博物館の最終日にも見学に訪れたのだが、鉄道博物館の開業初日に訪れるかどうか、実は迷っていた。むちゃくちゃ混むのは最初からわかっているし、もう少し落ち着いてからにしようとも思う。ただ鉄道の日ということで、どこかで鉄道に触れようと朝から出かけたのだが、あえて大宮とは逆方面の列車に乗った。ただ、やはり初日ならではの雰囲気というのを味わいたいなという思いが強くなり、途中で引き返して大宮駅に到着。

Pa144231鉄道博物館へは、大宮から出ているニューシャトルという乗り物で1駅なのだが、歩いても20分ほどで行けるようなので、大宮の車両センター沿いの道を歩く。途中でSLや電気機関車を屋外展示していたり、JR東日本の車両の写真パネルなどあり、歩いても退屈しない。むしろ、1駅分の運賃を払うより歩いたほうが楽しいのではないだろうか。

そして博物館に到着したのが、開館時間を回った10時20分頃。ゲートをくぐって行く見学客の姿が見えるが、その後ろには・・・・。

Pa144237こんな感じ。駐車スペースに行列、行列である。いやよくこれだけの人間が来たものだ。十重二十重という言葉がぴったり。博物館の建物は遥かに遠く、果たして入場できるのはいつのことやら。そう思う間もなくすぐさま私の後ろにも行列ができる。行列は予想できたことだが、それを上回るほどの人数。後で聞いたところでは徹夜組も多数出たとか。まあ、博物館の敷地は広く、収容人数はそれなりに多そうだから、今日のうちには入館できるだろう。電車の中で読むように持ってきた文庫本を読みつつ、列が少しずつ進むのに任せる。

Pa144241待つこと1時間半あまり、読みさしの文庫本を読みきった正午近くになりようやく順番が回ってきた。チケット売り場でICカードタイプの入場券を買い求め、これを改札機にタッチする。この改札機、Suicaに対応しているという。前身の交通博物館が、自動券売機で切符タイプの入場券を買い求める方法だったのと比べて、時代の移り変わりを感じる。(このICカードは、退出時に返還しなければならない)

館内も人、人、人で、何をするにも行列である。特に鉄道模型ジオラマや運転シミュレーターは子どもたちを中心に長い行列である。ミュージアムショップで買い物をするのにも順番待ち。まあ、私の見たいのは「実車」が中心なので、それを見られればよいか。

Pa144256まずは2階に上がり、実車の展示ゾーンを俯瞰する。ターンテーブルに乗ったC57を中心に往年の電車、機関車、気動車が並ぶ一大ショールーム。その周りを、大勢の見学客がカメラ構えて行ったり来たり。その様子を眺め、まずはここで日本の鉄道の歩みを記した年表に、その時代の鉄道部品や列車のヘッドマークほかの資料を見学する。

Pa144323ただそれよりも楽しみなのは、「実物」だろう。それも車両の頭だけちょん切ったというものではなく、1両まるまる。いずれも昨今のステンレス軽量車両ではなく、鋼鉄の、ゴツゴツしているが力強そうな連中ばかりを取り揃えている。

Pa144276Pa144320電車、客車タイプの車両には実際に乗り込んで、座席に座ることができる。これもこの博物館の売り物の一つ。これだけ多い見学客も一つの車両に何時間も居座るというわけではないので、いろんな座席を試すことができる。その座席、実際に座ってみると何だか今の車両のほうが硬く感じるように思う。

Pa144282本日は開業日ということでマスコミの取材も多く、車両の中でレポートを送っていたり(数秒のコメントだが何回もやり直ししていたぞ)、見学客にインタビューする光景も見られた。ひょっとすれば私の後姿もテレビに映っていたりして・・・?

Pa144315それにしても、いろんな車両に実際に乗り込んでみたが、本当にこれに乗ってどこかに行きたくなるような気がする。車両のメカニズムのことはあまり興味がないのだが、やはり鉄道趣味の中でも「乗ること」が好きなんだろうなと自分で思う。

Pa144307貨物列車のコーナーもあり、EF66系に牽引されたコンテナ車に冷蔵車を発見。コンテナが現在の標準型の19DやUF15Aのほかに「国鉄コンテナ 戸口から戸口へ」の旧型も混じっていたのはご愛嬌だが、仕事で貨車の実車にも触っていたこともあり、やはりうれしいもんである。これだけのものが見られるならば、並んだ甲斐があったというもの。

Pa144246このほかにも展示物はいろいろ見て回ったが、初日の雰囲気ということもあり今日のところは本当にさらりと見たという感じだ。2時間以上館内にいたが、とてもじゃないが展示物をじっくり見られたということはなかった。どうしても実車展示のほうに目が行き、その周りにもあった資料関係もほとんど見ていないし、鉄道技術に関するゾーンはほとんど触れていない。まあ、開業したてということもあり、これから折を見てまた来ればよいことである。鉄道に関する書籍や資料を収めたライブラリーもあるとか。

この鉄道博物館、大宮という、元々鉄道を中心として発展してきた街にふさわしいスポットである。鉄道に特化したことで、交通博物館にあった自動車や航空機、船舶、さらには人力車に駕籠といった、鉄道以外の乗り物がどこかに行ってしまったが、ここはこれでいいのだろう。

Pa144338初日まずは十分に楽しんだ後、せっかくなのでニューシャトルに乗車。上越新幹線の高架沿いに走る路線であることは車窓から知っていたが、乗るのは初めて。時折新幹線に抜かれたりすれ違ったりして、終点の内宿まで往復し、大宮駅に戻る。

Pa144344その大宮駅では、案内放送と張り紙で「本日の鉄道博物館の入館はできません」という案内が繰り返しなされていた。あまりに多くの客が押しかけたため、11時30分に新たな客の受け入れを中止したのだという。そういえば、12時に館内に入ったときに後ろの行列が短くなっていたように思ったが、11時30分までに敷地に入っていなかった人は行列に加われなかったということである。昼から来ようなどという考えではどうも無理のようだ。それにしても、ここまでの騒ぎになるものか。入れなかった人たちが暴動を起こしてやせんかと気になるなあ・・・・。

また、ゆっくり来るとしよう。

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青海川駅へ

2007年10月14日 | ブログ

長岡から信越線の直江津行きに乗車。丘の上にそびえる寶徳山稲荷大社の神殿を仰ぎ見(一度、長岡が実家という方に連れて行ってもらったことがあるのだが、商売気丸出しの巨大な神社です)、内陸の山を越えて柏崎に向かう。沿線にはまだ屋根にブルーシートがかけられている家も点在する。

20057_01120057_00620057_008柏崎はこのまま通過し、2つ先の青海川で下車する。「日本一海に近い駅」ということで、CMやドラマのロケ地となったことのある駅として有名だが、先の新潟県中越沖地震で、この駅が土砂で埋まってしまったニュース映像は、この記事を読む皆さんの記憶にも新しいところだろう(その後2ヶ月近く不通となった)。私もそのロケーションが好きで何度か途中下車したことある駅だけに、その後どうなったかを見てみようというのが目的である。

列車は青海川駅に到着。ホームには同じような駅見物の客の姿も見られる。列車が直江津方面に去って改めて駅を見渡すと・・・・。

うーん、こんな姿になってしまったか・・・。

Pa074120上段の写真は2年前に訪問した時のものだが、それと比べてえらく変わり果てた表情になってしまった。斜面がやけにスッキリしたように見えるが、それだけの土砂が崩れたということだ。丘の上に家が見えるが、よく崩れ落ちなかったものである。

Pa074115また駅舎も取り壊され、今は3畳ほどのスーパーハウスがポツンと建つだけ。果たして、新しい駅舎を建てる予定はあるのだろうか。またホームも新たに造り直したため、海に面して立っていた「おうみがわ」の駅名標も撤去されている。あの駅名標のバックに海という組み合わせが好きだったこともあり残念だ。

Pa074128駅の周りはどうだろうか。一部崩れたり、ガラス扉に「危険」の張り紙がされた家屋を見る。また、この集落をまたぐ国道の巨大な橋脚があるのだが、幸いにしてこの橋脚には被害はなかった。もしこれが折れたりしたら大惨事を引き起こしていただろう。駅の横から小道を登るとこの国道に行き着くのだが、地震で斜面が崩れたために立ち入れなくなっている。

Pa074134海岸に出る。この日の海は実に穏やかで、姿をすっかり変えた陸地とは対照的に変わらぬゆったりした風景だ。

青海川の駅には昔から駅訪問ノートが備えられていたのだが、9月の営業再開に合わせて新しいノートが用意されていた。中を見てみると、変わり果てた姿に驚いたというコメントが多数。中には、「もうこの駅がドラマの舞台になることもないだろうな」というものも。

Pa074132ういう書き方は不謹慎かもしれないが、この風景というものも、中越沖地震の象徴というか、記憶にとどめるために目に焼き付けておく必要があると思う。今も斜面の補強工事を行っているし、駅舎もいずれ新しいものが建つのだろうが、中越沖地震があったことを後々まで語り継ぐ「何か」があってもよい。

下りの長岡行きで青海川駅を後にし、柏崎で下車。駅前のイトーヨーカドーの中にある書店に立ち寄る。ここで、中越沖地震の報道写真集があったので購入。売り上げの一部が義援金となるということだ。改めて写真を見て、被害の大きさを認識する。うーん、長岡から信越線で来るのではなく、少し早起きしてでも越後線に乗ったほうがよかったかな。より被害が大きかったのはあちらの地域だったし。

東京で中越沖地震に関するニュースはもうほとんど聞かれることはなくなったが(たまに、刈羽原発に関することくらい)、まだまだ復興の道半ばである。これからもみんなで支援しなければ・・・・。

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