カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

生き延びる王様

2018-01-11 | Science & nature

 アメリカ南西部にあるソノラ砂漠に、リーガルツノトカゲというのがいる。王様の王冠のように立派なトゲがあるという事だが、全身とにかくトゲだらけだ。しかしながら砂漠の中にあってその姿自体がカモフラージュになっているようで、安易に見つけられるものでは無い。体の輪郭に沿ってもトゲトゲがかたどっていて、自分の体と地面との境界の色をあいまいに見せる効果がある。鳥などの空や上からの敵からは、動かなければまず見つからない。さらに暑いときは砂に潜るので見分けがつくわけが無い。
 しかしながら天敵は多く、成長段階で多くが犠牲になる。成体になるまで、大変な経験を積んでいるようだ。
 ガラガラヘビなど動きの遅い蛇などからは、素直にかっ飛んで逃げる。数十メートルなら素早く走ることが可能だ。しかしながら追跡型の蛇というのがいて、長距離追ってくるような蛇だと、逆に背中のトゲトゲを体を斜めに持ち上げて見せつける。相手は舌で大きさや形を確認するわけだが、このトゲトゲを呑み込んでいる途中でトゲが刺さって飲み込めなくなって死ぬような蛇の個体もいるらしい。要するに獲物とて最大限めんどくさい相手であることをアピールするのである。
 また、犬などの哺乳動物などに絡まれると、目から血を噴出し撃退する。リーガルツノトカゲは主に蟻(特に毒の強いヤツらしい)を主食としており、血液の中には蟻酸が混ざっており犬などが嫌う臭いなどがあると考えられている。血は1メートル以上も噴出することがあり、体の三分の一も攻撃のために使うこともあるらしい。
 ものものしいトカゲのようだけれど、砂漠の中にあって多くの天敵に囲まれて暮らす弱者として、このような防衛の手段を身に着けて生き延びてきたという事なのであろう。それでも個体数が圧倒しているという訳では無い。自然界のサバイバルは、小さい隙間の中にあっても独自の進化を促すという見本的な生き物なのではなかろうか。
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