カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

次の言葉は控えている(のかどうか)

2022-04-19 | ことば

 最近は何でもかんでもホームレスって単語に置き換えられていれば良いような風潮になっていて、テントのようなものを張っている人だとか、一応小屋のようなものを組んで住まいのようにしている人なんかも、おしなべてホームレスになってしまった。特にそれらの人からの抗議が無いのかもしれないが、何か勝手に気を使ってそういっているような感じもする。そういう気の使い方をして表現したものが、適当なのかどうかは、つまるところよく分からない。無難、というところなんだろうか。
 しかしまあそうなってからそれなりに長い時間が経過したにもかかわらず、やっぱりいまだに違和感をもってしまうのは、どうしたものだろう。ホームレスって言葉を使って、かえって馬鹿にしてるような気分を読み取ってしまうからではないか。
 もちろん以前はふつうに馬鹿にしても良い風潮があって、乞食だとか浮浪者だとかは、それなりの侮蔑の気持ちがこもった人が実際に使っていた。しかしながらそうだけれど、当時の爺さん婆さんのような人にとっては、そういう言葉しかなかったから、別段差別的な意味を伴わない単語としても使われていた。文脈とか語感から、そういうものは感じ取ることができて、ああ、何か事情があるにせよ、ある程度の困り具合と距離感が、そこには感じられるものだった。それ自体もあっさり否定してしまったようなホームレスは、ただ単に距離ができただけのような気がしないではない。そうしていずれはこの語感に差別感を嗅ぎだして、別のもの置き換わりはしていくのだろう。
 先にそういうことを別の機会に書いていて、そういえば別にルンペンってのも以前は普通に聞いたものだけどな、と思い出した。Lumpenと書くようだが、この度改めてドイツ語だと知った。ボロ切れなど意味らしくて、要するにそういうみすぼらしい服装というような見た目をさして使っていたのだろう。僕は田舎暮らしなので、そういう人のいない世界(要するに田舎では何のつながりのない本当の孤独な人は、道端などには居なかった。しかし本当に住居としてはどうなのか? という小屋に住んでいる怪しげなおじさんはいた。途中で役場の人などに連れていかれたのではないかと推測するが……、本当のことは今となっては知らない)に住んでいたので、読んでいる漫画などで存在を知っていたのだと思う。でもまあ公園で酔っぱらって寝ている人はたまに見ていて、今考えるとアル中とか精神系の人だったかもしれないな、とは思う。近寄ると怖そうなので、あまりかかわりを持ったことはなかったけど。
 それで何気なく類語の中に英語のloafer ってのを見つけた。ローファーって靴のローファーである。僕の通っていた高校の靴がそういう種類の奴だったので、何も考えてなかったけど、デッキシューズの上等な奴をそんな風に言うのかな、程度にしか思ってなかった。そんなことも知らずにこれまで生きてきたのか。というか調べろよ当時の俺! バカ。って感じっすかね。
 このローファーってのが紐靴でないから、怠け者、プー太郎、さぼり、浮浪者、といったような意味のようなのだ。これってカジュアルなニュアンスがあるんで、なんかホームレスってのよりいいんじゃなかろうか。まあ結局横文字に逃げてる感じは付きまとうけど、次の候補として控えていてもらおう。控えのまま出番ないかもしれないけれど……。
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