カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

欲望の二次元世界   楽園追放Expelled from Paradise

2015-12-31 | 映画

楽園追放Expelled from Paradise/水島精二監督

 未来世界では地球が廃墟になっており、多くの人間はネット社会のような電子の世界でデータとして生存する世界に住んでいるらしい。そういう世界を管理するコンピュータにハッキングしてきた者を追って地球に派遣された女性捜査官と地球現地の捜査官と共にハッキングしてきた者を追うことになる。もともとデータとなって電子社会の楽園で暮らしている女性(これも良く考えると女性である必要もそんなに感じないが)が、地上で操作するために借りの肉体を持って活躍するというところも、それなりに見どころのようだし、さらにその肉体を使ってメカを操るというのが、アニメ的に面白いという感じかもしれない。メカニックはガンダムが洗練されてスマートになってとにかく早く動きすぎるということもあるが、なるほど、という感じ。そうしてその欲望のまま、ほとんど女ばかり出てきて、裸にペインティングしただけといっていいコスチュームでアクションを繰り広げるエロ世界である。顔は童顔でかわいくて、しかし肉体はグラマラスでいろいろ揺れるという男の欲求に徹している。性行為が無いポルノと同質だろう。それくらいストレートにオタク世界を表現しており、設定がどうだということ(今やこれはありふれているSF世界だし)よりも、オタクの男が視覚で、2次元だから楽しめるということに徹して作品を作っていることが、開き直って素晴らしいということになるんであろう。ほとんどアニメに興味が無く、しかし映画として面白いと聞いて借りてみた僕のような別の方面のオタクめいた人間としては、この臆面もないストレートさに、かなり戸惑って観ることになった。ちょっとやりすぎだけど、例えば女装専門のバーに背広姿でお邪魔したような、ちょっと居心地が悪いながらチラチラしてしまうような感じなのかもしれない。
 とにかく典型で水戸黄門的な展開なんだけれど、これがどういう訳かそれなりに慣れてくると、確かにまあ、いいのかもしれないとは思う。それは男の悲しさもあるのかもしれないけれど、子供の頃にかっこいいなと思えたものがちゃんと存在し、そうしてそれなりに展開にも破綻なく進んでいくように思えるからかもしれない。強すぎる女は弱いところがあるし、最後は仁義という名の友情めいた感情で、理屈を超えて頑張ってしまう。要するにふだんはなんとなくさえてない日常を送りながらも、いざとなったらぜんぜんおいら違うんだからね、というような少年の精神性がカタルシスのように洗われる感じなのかもしれない。まあ、僕の場合は悪いけどちょっと違ったんだけどね。
 ということで、つれあいはまったく関心を示さず一人で観てました。なんとなく馬鹿にされている感じもあったので、男のみなさんは一人で観るようにしましょう。
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