カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

変な人ばかり出てくる普遍性   パーマネント野ばら

2016-11-28 | 映画

パーマネント野ばら/吉田大八監督

 原作は西原理恵子の漫画。母親がやっているパーマ屋さんに、出戻りの子連れの娘が帰ってくる。客が男運の悪い女の巣窟のようなところになっており、皆いかに苦労したかを愚痴り合っている。それでも男がいないよりまし。彼女らにとっては男というのは娯楽のようなものらしい。いや、そういうサガというやつか。それでまあ、群像劇のようなことになっていて、特に飲み屋のママさんをしている小池栄子のような人は、確かにいるような気もした。まあ、だからヒモというような男が昔から生きていけるのだけど。
 普通ならグダグダの変な話になりそうなところなんだけど、これがかなり面白いことになったという感じはした。イタい話が続くのだけど、そうしてまともそうな人が一人も出てこないのだけど、泣けるのである。主人公の出戻り女なんかは、そういう女たちと一定の距離を保ってまともそうに見えるのだが、最後の衝撃のどんでん返しである。驚いたというか、泣けてしまった。いい映画じゃないですか、これは。
 正直言って設定的に妙なわざとらしい特殊社会という感じがして、苦手かもしれないと思いながら観ていたのだが、杞憂だったというか、むしろその特殊な世界に普遍性があるような気もしてきて、まあ、そうだよな、と納得してしまう自分がいる。いや特段カッコつけて差別化している訳でもないが、いくらなんでもパンチパーマのおばさんに知り合いなんていないし、こんな会話なんてものも聞いたことも無いのだけれど、リアルさが感じられない訳ではないのである。
 勢いでつい原作の漫画も注文してしまった。これは名作ではなかろうか。
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