カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

オランダも個人主義らしい  ロストID

2016-05-29 | 映画

ロストID/ピーター・ド・バーン監督

 オランダ映画。なんかのコンサルタントの仕事している男が、自転車での帰り道、川に転覆したばかりの車を見つけ泳いで救助しようとするが、一人は助けられた(運転手)ものの一人は死亡。死んだ男はかつての自分の依頼人だった。ところが警察ではそのま少女誘拐の嫌疑をかけられ拘束されてしまう。どうも何者かが自分のIDを利用して犯罪行為を行ったらしい。警察からの嫌疑は完全に晴れないまま、生き残った運転手と共に独自に捜査を展開していくのだが…。
 つくりとしてはハリウッド・サスペンス的なヨーロッパ映画という感じ。スリル展開はハリウッド的なんだが、要所要所主人公たちがとる行動がなんとなく個人主義的で、自己中心的な印象を受ける。敵なのか見方なのかもよく分からないし、離婚して息子との仲は大切にしたいと思っているのに、簡単に捜査上の女とも情事に転じてしまう。でもまあ行き当たりばったりだけど、なんとなく事は自分たちの都合の良いようには転がっていく感じだ。伏線としての事件のように思われたエピソードはそのままほったらかしになってしまったり、無駄な描写もそれなりに多い。印象には残るが、ラストもこれで良かったのだろうか…。
 とにかく変な映画には違いないが、不思議と面白くない訳ではない。ハリウッドでこのような映画になるとそれなりに理屈が分かるというだけのことで、オランダだとその辺はグダグダしてもいいということなのかもしれない。逃げるにしても良く走るが、あまり工夫は無い。結局応援を携帯で呼んで車に合流して逃げているが、それなら何故最初に車から降りたのかよく分からない。監督がそうしたかったからそうなったのかもしれないが、ヨーロッパの個人主義というのは、そのような理解を客に強いるものなのかもしれない。
 この映画を何故借りようと思ったのか動機が思い出せないが、薦めてくれた人が居たのかもしれない。確かにヨーロッパ映画としては少し変わっている感じはするけれど、しかし、むしろさまざまな国で、ハリウッド的なアクション映画が、それなりに人気が高いということを表しているのではないか。それじゃあ、ハリウッド映画でもいいじゃないかと思われるかもしれないが、やはり自国の人気俳優たちが活躍した方が、もっと楽しいということでは無いか。日本や韓国でもそのような映画は数多いが、しかし本家の米国のものとは少しばかりのずれが生じる。映画としては、そういう部分が面白い、ということになるかもしれない。そういえば最近フランスのこのようなアクション映画を見たけれど、フランスでは銃撃がやたらに多かった。オランダでは爆弾やひもやナイフだったので、そういう部分はお国柄なのであろう。
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