動員がかかっていたので弁論大会というのを見に行った。
最初の挨拶では、今日は大人も子供の声に耳を傾けようということだった。
中学生と高校生の代表がそれぞれ弁論をふるったのだが、まあ、内容はどうでもいい様なくだらないものだった。というか久しぶりにこういうものを見て、なんだか気持ち悪いなあと思った。こんな感じが好ましいなら、いっそのこと演劇部か何かの部員にやらせればいいのだ。論旨としても社会認識がまるでなっていない。子供だから仕方ないというか、教育の現場は相変わらずくだらないものだと思った。
高校生の二人ほどはそれなりにまともだったが、明らかに弁舌のさえた人は優勝を逃した。まあ、審査員もその程度かということだ。会場からは信じられないというようなため息が漏れたが、本人だって信じられない思いだったろう。人間不信にならないように今後の人生を生きていって欲しいものだ。
しかしながら審査の時間にアトラクションがあって、地元高校生のブラスバンドが演奏した。これが思いのほかいい演奏で、最近の高校生の表現力はなかなかのものだと感心した。アンコールまでかかって、指揮を取っていた先生は困惑して退場したが、なんだかリーダー格の太った女生徒が変わりに指揮を取ってアンコールに応えた。才能と自信のバランスが世界を切り開くのかもしれない。
弁論大会には二度と行きたくないと思ったが、ブラスバンドは応援していいと思ったのだった。