カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

料理は旅なのだそうだ

2019-01-26 | ドキュメンタリ

 日本にやってきて活躍しているフランス人シェフのドキュメンタリーを見た。日本語が特に堪能というのではないが、シェフ仲間と将棋を指したりして、いわゆる日本に溶け込んでいる様子だった。そうして、日本の出汁の取り方にも造詣が深く、自国フランスでの出汁の取り方も教えてくれていた。日本のそれとは同じものではないが、シンプルで、しかも基本がゆるぎなく、なんとなく似ているような印象を受けた。そうした基本の出汁をベースにして、斬新な料理を構築する。奇をてらうだけが目的でなく、できるだけシンプルでいて、自由でありながら、雑音の混じらない、鋭利に研ぎ澄まされた料理を作っているようだった。日本より出汁のストックの種類が多く、素材によって使い分けを明確にしているようだが、毎日しっかりとそれらを作ることから始めている。新たなアイディアがあると、仲間と品評しあって味を楽しんでいる。毎日料理を作るのが楽しくて仕方ないという様子である。ストイックな面もあるのかもしれないが、いわゆる修行を積んで苦労しているというより、日本に来て、いろいろな素材と出会って、素直にショックを受けながら、受け入れて、自分に生かす。そういうことを楽しんでいる様子が素晴らしいのだった。高級な料理を作り続けている圧力もあるだろうし、慣れない土地での生活の不安もあることだろう。しかしながらそのしなやかな感じが、何か人間的な強さも感じさせられるのだった。
 日本人が海外に飛び出して活躍する姿も素晴らしいものがあるが、海外の文化を日本に持ってきて、活躍する人たちもたくさんいる訳だ。基本的にそのようなものを受け入れてきたおかげで、日本という場所が豊かになっていくのだろうと思う。もちろん日本になじまず、合わない人もいるのだろうが、日本を楽しみ、受け入れる人だって少なくないだろう。そのようなものと、日本人が付き合うことで、響きあって変化していくことで、逆に伝統というものが守られていくのではなかろうか。時代の人が生きていくうえで、結果的にはそのような化学反応あってこそ、時代に生き延びるものが磨かれていくのではないだろうか。
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