◆◇◆『受験勉強は役に立つ』和田秀樹(わだ・ひでき)著(朝日新書)より◆◇◆
受験で身につけた能力は、社会ですぐに使えるものばかり!
はじめは、注目すべき内容のまとめです。
次にアビットからの補足となります。
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②数学が得意な人は仕事ができる
中学生くらいまでは、社会であれ英語であれ知識だけで答えられる科目がほとんどだ。
唯一、覚えたことを加工しなければ解けない問題が頻出するのが数学である。
解法を組み合わせたり加工したりするレベルに達すれば、これは推論のトレーニングになる。
数学が社会に出てから役に立つのは、こうした推論能力が培われるからである。
たくさん定石を持っている人のほうが推論の幅が広い。
たとえば、車をどうすれば売れるかを考える話でも、たくさんの定石を持っている人のほうが、いろいろな組み合わせができる。
値下げと、ショールームにレースクイーンを呼ぶなどを同時にするという組み合わせが考えられるのは、それだけの知識があるからだ。
しかし、どれだけ知識のある人でも、組み合わせがうまくいかなければ、なかなか売れるようにできないだろう。
つまり、重要なのは知識をどう加工していくかである。
知識を持っているということは、推論をよりよくするための条件ではあるが、持っているだけでは意味がないのだ。
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算数・数学の応用力というのは、組み合わせ力のことです。
たとえば、平成23年度、埼玉県公立高校入試の数学を見てみましょう。
大きい問題の「3」は、一見、中3で勉強する「二次関数」の問題です。
でも、この問題を解くには、色々な知識が必要です。
● 中2の「三角形の面積比と高さの比」
● 中3の「相似な図形」
● 中2の「一次関数」
もっとさかのぼれば計算面で・・・。
中1の「正負の数」「文字と式」「一次方程式」も使っています。
● ひらめきがある
● センスがいい
● 本番に強い
・・・これらは、あまり関係ないと思います。
必要なのは、まず個々の基礎的知識があること。
そして、それを組み合わせることができること。
この2つです。
それでは、その組み合わせ力を養うにはどうすればよいのでしょうか?
それは、個々の基礎的知識を反復しているだけでは難しいですよ。
個々の基礎的知識があった上で、組み合わせる練習をすることでしょう。
つまり、応用・発展問題を解くということですね。
埼玉県公立高校入試の数学は、難しいと言われています。
毎年、平均点が満点の半分の50点よりも下になりますからね★
個々の基礎的知識を定着させた上で・・・。
普段から応用・発展問題で組み合わせ力を鍛えましょう☆
「応用力や思考力は、何か特別な力ではない。算数・数学的なものの考え方のいくつかの本質から適切なものを選び出して、それらをシンプルに使って組み合わせる力だ」
(橋本和彦〔はしもと・かずひこ〕 アビット進学指導会・学院長、作家)
・・・次回へ続く。
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