Jimmy Bryant (1)
イギリス盤 Stetson Records HAT-3978 Jimmy Bryant / Country Cabin Jazz (原盤はUSA キャピトルレコード)
*(1)Frettin' Fingers *(2)The Night Rider (3)Deep Water *(4)Jammin' With Jimmy (5)Whistle Stop (6)Stratoshere Boogie *(7)Pickin' Peppers (8)Pushing The Blues *(9)Rolling Sky (10)Yodeling Guitar (11)Bryant's Sounce *(12)Hometown Polka
ジミー・ブライアント(1925 ~1980年 ジョージア州出身 )は往年のカントリーギター名手の一人に挙げられる人です。詳細はよく分かりませんが、けっこう気難しい人だったらしく 誰れか有名なカントリー歌手のバンドに所属していたような形跡はなくて セッションマンとして色々な歌手のバックをつとめたりレコーディングに参加したりの活躍だったようです。
このLPレコードは1960(昭和35年)年発売のアメリカ盤を後年イギリスのステットソンレコード社が原盤を借りて再発売したものです。 彼お得意の早弾きは(1)Frettin' Fingers、(6)Stratosphere Boogie、(7)Pickin' Peppers、(12)Hometown Polka で聴かれますし、(2)The Night Rider、(5)Whistle Stop、(10)Yodeling Guitar はスイング調です。(3)Deep Water はボブ・ウィルス(Western Swing の王者)のとは同名異曲でスローナンバー、(9)Rolling Sky もスローナンバー。
全般的にはジャケットがカントリー的である割りにはジャズ志向の強いアルバムといえるでしょう。Contry Jazz=Western Swing といっていいかも知れません。私がカントリーギター的だと感じた曲に*印をつけてみました。プロデュースは米キャピトルレコード社の名プロデューサーだった Ken Nelson ( Country Music Hall Of Fame にも選ばれている人です )で、Joe Allison という人が解説を書いていますのでそのまま訳して載せてみます。
「 ギターサウンドで構成されているといってもよいカントリー ミュージックはアメリカの優れた才能があって完璧ともいえるギター奏者たちに活躍の場を提供してきました。このアルバムでけたはずれのテクニックと技術を発揮しているジミー・ブライアントが好例です。ジミー自身はカントリー畑の多くの偉大なギター奏者達の伝統をもとにギターを独習した人です。
彼を Master of the guitar(ギターの名手) たらしめている傑出した才能と技術というのは持って生まれた資質とギターへの純粋な愛情、そして多くの時間をかけてきた単調なハードワークの積み重ねによる賜物(たまもの)なのです。この Country Cabin Jazz というアルバムの中でジミーは自作の12曲のスイング曲を自分流に器用に弾きこなしています・・・バックアップ陣にスティールギターの Speedy West、ピアノに Billy Liebert、 リズムギターに Billy Strange、ベースの Cliffie Stone、ドラムに Roy Harte といった人達が起用されています。
これらの多才なミュージシャン達はたくさんの Country & Western スター歌手の中でもトップクラスの歌手にバック演奏を提供してきたのでした。 その彼等自身が感じるところのサウンドを、ジミー・ブライアントのギター演奏を中心にして自由闊達に演奏するチャンスを得て発表したのがこのエキサイティングなカントリー即興演奏集ともいえるアルバムなのです 」・・・・・・以上。
Jimmy Bryant (2)
日本盤 東芝EMI ECS-70071 Speedy West And Jimmy Bryant / 2 Guitars Country Style (原盤はUSA キャピトルレコード)
(1)Hop, Skip And Jump (2)Old Joe Clark (3)Blue Bonnet Rag (4)Low Man On A Totem Pole (5)Georgia Steel Guitar (6)Bryant's Bounce (7)Country Capers (8)This Is Southland (9)Arkansas Traveler (10)Swingin' On The Strings (11)Serenade To A Frog (12)Midnight Ramble
こちらは前のアルバムよりも時代的には古い1959(昭和)年のもので、1973(昭和)年に米キャピトルレコードの Country Music Hall Of Fame シリーズの中の1枚として日本盤が出されました(それ以前にも発売されたことがあるかも知れません)。 先のアルバムと似たような内容ですが よりカントリー的だと思います。 早弾きは(2)Old Joe Clark や(9)Arkansas Traveler 等の有名フィドル曲(カントリースタイルのバイオリン)で聴かれます。ジミーは若い頃からフィドル(カントリースタイルのバイオリン)も上手かったようです。
録音メンバーも前記のアルバムとほぼ同じではないでしょうか(?) スティールギターの Speedy West と2人で作り出すサウンドはお洒落な-というよりは陽気なアメリカ人的な音といった方がいいかな・・・・・ラジオを聴いているとお知らせコーナーみたいなつなぎのところでバックに流れているギター曲なんかがありますが そんな感じです。 構えて何曲もじっくり聴くとちょっとダレてしまいそう・・・・・いつも誰れかの歌手のバック演奏をつけている腕利きミュージシャン達が自分達の腕前を自由に発揮して作ったようなアルバムではないでしょうか、いわゆる Musician's Music かなぁ。
決して古臭い感じはありませんのでカントリーギターやジャズギターを弾く人達には参考になる音源ではあると思います
私自身がカントリーギター的で好みと感じた曲に*印を付けてみました・・・・・ただし主観なので聴く人によっては違うと思いますが。
確信はないのですがいまでは両方ともCDとして発売されているのではないでしょうか・・・・ジミーには他にピエロのジャケットのギターアルバムがあって知人に聴かせてもらったことがありますがそれもなかなかいいアルバムでした。