西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

小紀行 ( 豊前 角牟礼城を訪ねて )

2012年11月04日 | 歴史はロマン…九州の歴史を中心に
   
豊前 角牟礼城を訪ねて


平成24年10月13日(土)大分県の湯布院に近い福岡県寄りにある戦国時代の古城 角牟礼城(つのむれじょう)を訪ねた。以前から一度行ってみたいと思っていたところだった。
久留米から日田、湯布院を経て大分に到るJR久大線の駅の中に 「 豊後森 」 という小さな駅がある。 この駅からすこし山沿いに入ったところに小さな城下町がある・・・・・江戸時代の久留島氏1万4千石の城下町 森だ。 恐らく九州内の旧大名の城下町では一番小さいのではないでしょうか。この森町の後ろにそびえる独立した標高577メートルの山頂に角牟礼城(つのむれじょう)がある・・・・・江戸時代には廃城。
途中まで車で行けるので登ってみた・・・・以下道なりに写真で追いかけることにします
森町の狭い街道を通って左手に上ってゆくと途中に看板が立っていた、そこを写真のような山道を上がる。晴天なのに所々木に覆われて暗い道もあった。 
上がりきったところが駐車場になっていて周辺に昔のままであろう低い石垣が組まれている、案内板があった・・・・・角牟礼城の三の丸とのこと。  

ここからは歩いて登って行く。5分くらい行くと立派な石垣が見えてきましたが ここまでが角牟礼城三の丸らしい 石垣はそんなに高くはないけれど戦国時代の山城らしい趣きである。石垣の間の道を登るとちょっとした広場になっていて隅のほうに流れてくる山水(湧き水?)を貯めた水場がありました(井戸曲輪跡と書いてあった)、このような山城にとってはまさに命の水となる場所だったと思われます・・・・・”不落の水”という説明板が立っていました、溜まり水は見た目は汚い感じながら流れてくる水はきれいでしたので一口飲んでみました・・・・・こんな山頂に湧き水、どんなところから湧いてくるのか不思議です。
      

そこからさらに登ってゆくと道中に地元の人が置いたと思われる小さな不動明像がありました(これは本丸に到るまで何箇所かにポツポツと置いてありました)。道の左手に石垣も見えます


やがて後方の景色が見える広場に出ました、 ここが二の丸とのことで 立派な石垣があり そこから遠く後ろの山あいの平地が臨まれます。山を挟んで森町の丁度反対側が見える位置に居ることになりますが、急斜面に石垣を組んだような形なのでまあ絶壁のようになっています。ここに大手門とほかの建物群があったらしく、そこここに礎石が見られます。
    

そこからさらに5分くらい山道を登ってゆくと左手に小さな神社( 角牟礼神社 )がありました。落ち葉道をさらに行くと急に視界が開けて森の町が見渡せる所(展望所)に出ます。ここから眺めると 久留島氏1万4千石のほんとに小さな城下町-というのが実感できる場所です。
  

さらに登ってゆくと山頂の広場にでました。ここが角牟礼城の本丸というわけです。何にもありませんが周辺に高木さえなければ見晴らしの利く場所です・・・・・見ることはできませんでしたが 本丸北東部に6mにも及ぶ高石垣があるそうで、そこに櫓が立っていたことが発掘調査でわかったとのこと。

案内板によると1585~86(天正14~15)年に懸けて薩摩の島津軍が九州制覇の一環として豊後の大友氏の玖珠地方を攻めた時に攻防戦の一つになった場所なんだそうですが、島津軍六千に対して大友氏の玖珠(くす)衆一千が角牟礼城に立て籠もって奮戦し、唯一落城しなかった城だったそうです・・・・・そんな訳で難攻不落の城として後世に語り継がれる所以なんでしょうか。
前方(森町側)がややゆるやかなほかは周囲が切り立った形になっているので守るに易く攻めるに難い山城、織豊時代のまさに実戦向きに築かれた城址という印象でした・・・・・・強兵(つわもの)どもが夢のあと・・・かな!!

平成17年3月に国指定史跡になったそうです・・・・・それを記念に地元の有志の方達が編纂された 「 角牟礼今昔 」 という本を 訪ねた記念に買ったのでした

<ひとこと> 僕はこのような歴史的場所を訪ねる時はいつも故 司馬遼太郎さんならどんな訪ね方をするかなぁ-と考えて行ってみる。司馬さんは作家なので歴史的場所(紀行文など)を書く時に人に興味を起こさせるような想像的な視点があると思う。そこが事実だけを調べ述べる歴史家と違う点だと感じる・・・・・司馬さん的見方をしていくとほんの些細な歴史的遺跡も想像が膨らんで興味の対象になっていくから不思議だ。 今回の角牟礼城探訪も司馬さん的視点で見るとそこに息づいていた昔人の生活を想像できる気がした
コメント
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