西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

カウボーイ ソング (の古典) [ ジュール・アレン ] 続き

2010年06月16日 | カウボーイ・ソング
Jules Allen の CD
イギリス盤 BACM CD D-250 Jules Allen  The Singing Cowboy / Complete recordings 1928-1929

(1)Little Joe The Wrangler (2)Jack O' Diamonds (3)Po' Mourner (4)Somebody But You Don't Mean Me (5)The Days Of Forty Nine (6)Home On The Range (峠の我が家)(7)The Texas Cowboy (8)A Prisoner For Life (9)The Gal I Left Behind Me (10)Zebra Dun (11)Cow Trail To Mexico (12)The Old Chisholm Trail (13)Cowboy's Love Song(Red River Valleyと同じ)(14)Sweetie Dear (15)Long Side The Santa Fe Trail (16)Two Fragments (17)The Cowboy's Dream (カウボーイの夢)(18)The Cowboy's Lament (カウボーイの哀歌)(19)Little Old Sod Shanty (20)When The Work's All Done This Fall (秋の終わりに)(21)Punchin' The Dough (22)The Dying Cowboy


解説訳の続き・・・・・・・ジュール・アレンはレコーディングとわずかばかりの映画出演(西部劇?)のほかにラジオにも出ていたようです・・・それもたぶんに広範囲にわたるものだったようですが今では正確に把握することは困難になっています。 Mike Parris という人が 、Jules Allen はダラスとロサンジェルスのラジオに出演していて、少なくともそのいくつかは 彼がレコードを出すよりも以前のことだったのではないか・・・・・と再発売LPレコードのライナーノートに書いています。博物館の催しで1926(昭和元年)の San Antonio Light 紙に ”午後の番組で一連のカウボーイ ソングを歌う Longhorn Luke -”なる記事が見られましたが、この ”Longhorn Luke ” というのはジュール・アレンがラジオ出演時に使ったニックネームだということが判りました・・・ですから、おそらく1926(昭和元)年までには既に彼の名前はテキサス中の聴衆にはおなじみだったものと考えられます。San Antonio Express 紙がWOAI局の ”Medicine Show of the Air ”で毎週歌っているジュールのことについて言及していることからすると1931(昭和6)年までには(Jules Allen のことが)知れ渡っていた というのは確実でしょう。
あるコラムニストが1933(昭和8)年2月に書いたものの中に ”ラジオ放送された中で自分 だけが唯一生粋のカウボーイ歌手であるー とジュール・アレンが主張していたといった趣旨のこと ”・・・・・が載っています。そして、同じ年の暮れに San Antonio Light 紙が Jules Allen はいまや全国的に聴かれている- と満足げに宣言していました・・・・・すなわち、”NBC放送をお聴きの皆さんへ・・・・我が局が皆さんに最高のプロフェッショナル正統派カウボーイ歌手をお届けすることができることを喜びたいと思います~”と。

ジュール・アレンはまた自分の得意とする分野から選んで説明するようなことも行ないました。すなわち、カウボーイの専門用語について論じたり 牛などに押す焼印に関してのユーモラスな事例やエピソードについて話をしたりです。これらのことは1933(昭和8)年5月にテキサス州サン・アントニオの Naylor 社から出版されたジュール・アレンの本「 Cowboy Lore 」にもなりました。 そこでは 派手な真珠入りの銃把の二挺拳銃を振り回し、インディアンから幌馬車( prairie schooner と表現 )を救ったり、やがて牧場主の娘と結婚することになる・・・・・といったストーリーの映画やラジオドラマの中に出てくるフィクションとしてのカウボーイ(fictitious range-rider)と実際のカウボーイ(the true story of the cowboy)の違いについて説明したりしています 。「Cowboy Lore」は1950(昭和25)年までに7版を重ねた後 絶版になりましたが 1971(昭和46)年に再版されました。

ジュール・アレンは1929(昭和4)年以後は二度とレコーディングはしませんでしたが、彼が1920年代末にビクターレコードに録音したレギュラー盤22曲のうちの半分は1930年代中頃に廉価レーベル Montgomery Ward から再発売になって5万枚以上売れたとのことです。 しかし、彼のキャリアもそれ以上には続きませんでした。

カリフォルニア州 Sawtelle に移り住み、その後1942(昭和17)年3月初めにアリゾナ州ツーソンへ移って同年3月19日にその地で亡くなりました・・・・・・・・・・・・・以上、解説から。

ここに載せたCDに1928年と29年にビクターレコードに吹き込んだジュール・アレンの全曲が入っています。全て簡単なギター弾き語りで、時にフィドル(バイオリン)の伴奏を伴っていますが素朴なCowboy Songそのものという趣きです・・・・・これくらい古いものになるともうアメリカの歴史的、文化的遺産といっていいと思います・・・そんなに極端な昔というほどでもないのに正確なことが判らないほどになっていることに驚きます(2010年6月14日記す)
コメント
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