Riders In The Sky (1)
米国盤 Rounder Records 0147 Cowboy Jubilee
(1)Cowboy Jubilee (2)Ol' Cowpoke (3)Compadres In The Old Sierra Madre (4)Back In The Saddle Again (5)Desperado Trail (6)Red River Valley (7)Ride With The Wind (8)Soon As The Roundup's Through (9)On The Rhythm Range (10)Riding Alone (11)Ojo Caliente (12)At The End Of The Rainbow Trail
現代の人気カウボーイコーラスグループといえばこの Riders In The Skyです。現役バリバリなので「懐かしの~」には当たりませんが、グループのリーダー ”Ranger Doug ”ことダグ・グリーンが ”アメリカの遺産”ともいえる数々の素晴しい Cowboy Song( 前回のジーン・オートリーのような有名な人から多くの無名のカウボーイ歌手に到るまで )の音源に出逢って このグループを立ち上げるようになった・・・・・といったいきさつから採りあげてみました。
彼等は( Doug Green 、Too Slim、Woody Paul の3人組 )1979(昭和54)年頃(?)にデビューしてラウンダーレコードからレコードを出し始めています。メジャーレコード会社からのデビューじゃなくて独立レーベルの雄 Rounder Records から・・・・・というのが現代を象徴しています。 売り込みに行ったものの 「いまどきカウボーイソングなんて・・・・」 とメジャーレコード会社に一蹴されて自主制作のような形で Cowboy Song や Rodeo Song のレコードを出し続けた故 Chris LeDoux (クリス・ルドウ)の例がありますし・・・・・クリスにしろこの Riders In The Sky にしろファンに支持されて人気が出てくるようになってメジャーレコード会社でレコードやCDを出せるようになった訳ですから 逆に言うと大衆の望んでいるものをつかみ切れないメジャーレコード会社の硬直してしまった体質(?)を垣間見るような思いもします。
さてこのアルバムは1981(昭和56)年に Rounder Records から発売の彼等2枚目のLPで、 ジョン・フォード監督の西部劇「駅馬車」で有名になったアリゾナ州モニュメント ヴァレーの風景をバックにテンガロンハット姿の3人をあしらったジャケットはこれだけでカウボーイソングかな・・・・・と思わせる嬉しいジャケットです。
いきなり歯切れのよいベースリズムと swinging fiddle (カントリースタイルのバイオリン)でアップテンポの(1)Cowboy Jubilee で始まります。swing するフィドルが素晴らしい
(2)Ol' Cowpoke もスイングして3人のヨーデルコーラスが聴かれる軽快な曲( Cowpoke は Cowboy の別な呼び方 )。(3)Compadres In~はマイナー調のこれも軽快にスイングする曲で・・・・・数年前に解散してしまった3人組の素晴らしい Swing グループ Hot Club Of Cowtown の音に似ています。
ジーン・オートリーの代表曲(4)Back In The Saddle Again (鞍に戻ろう)はゆっくりめに始まって徐々にアップテンポにしてゆくヨーデルが素晴らしい。
(5)Desperado Trail はマイナー調の曲で・・・・・ちょっとマーティ・ロビンスの Gunfighter Ballad Song のひとつだった ”Five Brothers ”という曲に似ている佳曲、時々このようなマイナー調の曲が西部調の曲にはあって味のある雰囲気を添えてくれます・・・・そうした曲は僕はとても好きです。
カウボーイソングの定番(6)Red River Valley (赤い河の谷間)は誰でも知っている民謡なのでかえって表現が難しそうですが 彼等は生ギターとシンプルなフィドルを伴ってゆったりしたコーラスでやってくれます。(7)Ride With The Wind は2つの名曲 ”Ghost Riders In The Sky” と ”Tumbling Tumbleweeds” をミックスさせたような曲で、レキントギターをフューチャーしたアップテンポのもの。(8)Soon As The~は生ギターで歌われるミディアムテンポのフォークソング的な趣き。(9)On The Rhythm Range はまったくアップテンポにスイングした Jazzy な雰囲気の曲でギター、トランペット、ウッドベースの演奏がなんとも素晴らしい。
(10)Riding Alone はどこか昔のサンズ・オブ・ザ・パイオニアズを彷彿させてくれるスローなコーラス・・・・・ウーンなかなかよい。
(11)Ojo Caliente はカウボーイソングでは時々出てくるメキシカン調の曲。
(12)At The End Of~もパイオニアズを思わせる曲ですがコーラスが3人なので少し軽い感じ。
というわけで、アルバム全体にいえることは ドラムなしでギターとベースだけでこれだけ歯切れのよいスイング感を出せるんですから素晴らしいです。 余談ですが往年のカウボーイコーラスグループ The Sons Of The Pioneers には フィドルの名手 Hugh Farr (ヒュー・ファー)という人がいてボーカルではとても深~いバスを歌っていてコーラスに重厚な響きを添えていましたが、この Riders In The Sky にもそうしたバス音が加わるともっと素晴らしいコーラスになるように思います・・・・・でも ずっと思っていることですが、時代の最先端をゆくアメリカのような国に今でもこのような古い西部にこだわりをもつような (アナクロニズムと云ってもよいような) グループがいて 歌ってくれるのを見ると何だかホッとして嬉しい気がします。 時代は進んでもいつまでもカウボーイは牛を追い、駅馬車が走り、無法者が拳銃を振り回す・・・・・そんなことを歌っているんですから(smile)。Riders In The Sky のようなコマーシャルベースで活躍するグループがないとカウボーイソングは埋もれてしまいますね・・・・・だから貴重な存在です。
僕は2003(平成15)年に熊本 阿蘇のカントリーゴールドに3人が来た時にレコードにサインしてもらいました・・・・・写真の真ん中が Ranger Doug (guitar、バリトン),眼鏡をかけているのが Too Slim (wood bass、テナーボーカル)、左が Woody Paul (fiddle、テナーボーカル)ですが この時はもう1人アコーディオン奏者の Joey, the Cowpolka King が一緒でした(今は正式メンバーのようです)。
出番の後アンコールに応えて名曲「 There's A Blue Sky Way Out Yonder 」を、そしてヒソヒソ相談した後 往年のテレビ西部劇主題歌「ローハイド」を歌ってくれたのが印象に残っています。
なお、このレコードには元サンズ・オブ・ザ・パイオニアズのメンバーだった Ken Curtis がコメントを寄せています。
今ではたくさんのCDが出ていますし有名なカウボーイソングや西部調のほとんどの曲を歌ってくれていますので American Cowboy Song に愛情を持っている人(大袈裟かな?)にはお奨めのグループです。
米国盤 Rounder Records 0147 Cowboy Jubilee
(1)Cowboy Jubilee (2)Ol' Cowpoke (3)Compadres In The Old Sierra Madre (4)Back In The Saddle Again (5)Desperado Trail (6)Red River Valley (7)Ride With The Wind (8)Soon As The Roundup's Through (9)On The Rhythm Range (10)Riding Alone (11)Ojo Caliente (12)At The End Of The Rainbow Trail
現代の人気カウボーイコーラスグループといえばこの Riders In The Skyです。現役バリバリなので「懐かしの~」には当たりませんが、グループのリーダー ”Ranger Doug ”ことダグ・グリーンが ”アメリカの遺産”ともいえる数々の素晴しい Cowboy Song( 前回のジーン・オートリーのような有名な人から多くの無名のカウボーイ歌手に到るまで )の音源に出逢って このグループを立ち上げるようになった・・・・・といったいきさつから採りあげてみました。
彼等は( Doug Green 、Too Slim、Woody Paul の3人組 )1979(昭和54)年頃(?)にデビューしてラウンダーレコードからレコードを出し始めています。メジャーレコード会社からのデビューじゃなくて独立レーベルの雄 Rounder Records から・・・・・というのが現代を象徴しています。 売り込みに行ったものの 「いまどきカウボーイソングなんて・・・・」 とメジャーレコード会社に一蹴されて自主制作のような形で Cowboy Song や Rodeo Song のレコードを出し続けた故 Chris LeDoux (クリス・ルドウ)の例がありますし・・・・・クリスにしろこの Riders In The Sky にしろファンに支持されて人気が出てくるようになってメジャーレコード会社でレコードやCDを出せるようになった訳ですから 逆に言うと大衆の望んでいるものをつかみ切れないメジャーレコード会社の硬直してしまった体質(?)を垣間見るような思いもします。
さてこのアルバムは1981(昭和56)年に Rounder Records から発売の彼等2枚目のLPで、 ジョン・フォード監督の西部劇「駅馬車」で有名になったアリゾナ州モニュメント ヴァレーの風景をバックにテンガロンハット姿の3人をあしらったジャケットはこれだけでカウボーイソングかな・・・・・と思わせる嬉しいジャケットです。
いきなり歯切れのよいベースリズムと swinging fiddle (カントリースタイルのバイオリン)でアップテンポの(1)Cowboy Jubilee で始まります。swing するフィドルが素晴らしい
(2)Ol' Cowpoke もスイングして3人のヨーデルコーラスが聴かれる軽快な曲( Cowpoke は Cowboy の別な呼び方 )。(3)Compadres In~はマイナー調のこれも軽快にスイングする曲で・・・・・数年前に解散してしまった3人組の素晴らしい Swing グループ Hot Club Of Cowtown の音に似ています。
ジーン・オートリーの代表曲(4)Back In The Saddle Again (鞍に戻ろう)はゆっくりめに始まって徐々にアップテンポにしてゆくヨーデルが素晴らしい。
(5)Desperado Trail はマイナー調の曲で・・・・・ちょっとマーティ・ロビンスの Gunfighter Ballad Song のひとつだった ”Five Brothers ”という曲に似ている佳曲、時々このようなマイナー調の曲が西部調の曲にはあって味のある雰囲気を添えてくれます・・・・そうした曲は僕はとても好きです。
カウボーイソングの定番(6)Red River Valley (赤い河の谷間)は誰でも知っている民謡なのでかえって表現が難しそうですが 彼等は生ギターとシンプルなフィドルを伴ってゆったりしたコーラスでやってくれます。(7)Ride With The Wind は2つの名曲 ”Ghost Riders In The Sky” と ”Tumbling Tumbleweeds” をミックスさせたような曲で、レキントギターをフューチャーしたアップテンポのもの。(8)Soon As The~は生ギターで歌われるミディアムテンポのフォークソング的な趣き。(9)On The Rhythm Range はまったくアップテンポにスイングした Jazzy な雰囲気の曲でギター、トランペット、ウッドベースの演奏がなんとも素晴らしい。
(10)Riding Alone はどこか昔のサンズ・オブ・ザ・パイオニアズを彷彿させてくれるスローなコーラス・・・・・ウーンなかなかよい。
(11)Ojo Caliente はカウボーイソングでは時々出てくるメキシカン調の曲。
(12)At The End Of~もパイオニアズを思わせる曲ですがコーラスが3人なので少し軽い感じ。
というわけで、アルバム全体にいえることは ドラムなしでギターとベースだけでこれだけ歯切れのよいスイング感を出せるんですから素晴らしいです。 余談ですが往年のカウボーイコーラスグループ The Sons Of The Pioneers には フィドルの名手 Hugh Farr (ヒュー・ファー)という人がいてボーカルではとても深~いバスを歌っていてコーラスに重厚な響きを添えていましたが、この Riders In The Sky にもそうしたバス音が加わるともっと素晴らしいコーラスになるように思います・・・・・でも ずっと思っていることですが、時代の最先端をゆくアメリカのような国に今でもこのような古い西部にこだわりをもつような (アナクロニズムと云ってもよいような) グループがいて 歌ってくれるのを見ると何だかホッとして嬉しい気がします。 時代は進んでもいつまでもカウボーイは牛を追い、駅馬車が走り、無法者が拳銃を振り回す・・・・・そんなことを歌っているんですから(smile)。Riders In The Sky のようなコマーシャルベースで活躍するグループがないとカウボーイソングは埋もれてしまいますね・・・・・だから貴重な存在です。
僕は2003(平成15)年に熊本 阿蘇のカントリーゴールドに3人が来た時にレコードにサインしてもらいました・・・・・写真の真ん中が Ranger Doug (guitar、バリトン),眼鏡をかけているのが Too Slim (wood bass、テナーボーカル)、左が Woody Paul (fiddle、テナーボーカル)ですが この時はもう1人アコーディオン奏者の Joey, the Cowpolka King が一緒でした(今は正式メンバーのようです)。
出番の後アンコールに応えて名曲「 There's A Blue Sky Way Out Yonder 」を、そしてヒソヒソ相談した後 往年のテレビ西部劇主題歌「ローハイド」を歌ってくれたのが印象に残っています。
なお、このレコードには元サンズ・オブ・ザ・パイオニアズのメンバーだった Ken Curtis がコメントを寄せています。
今ではたくさんのCDが出ていますし有名なカウボーイソングや西部調のほとんどの曲を歌ってくれていますので American Cowboy Song に愛情を持っている人(大袈裟かな?)にはお奨めのグループです。