西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

懐かしのカントリー&ウェスタン 128 [ ハンク・ウィリアムス (2)]

2010年01月01日 | ハンク・ウィリアムスを歌う
謹賀新年
Hank Williams (2) 米国盤 Country Music Foundation CMF-006 Hank Williams / Just Me And My Guitar 
(表ジャケットに次のような副題が書いてあります・・・・This collection conveys the conviction, emotional intensity, and vocal technique which earned Hank his legendary place in country music.)

(1)Jambalaya (2)Heaven Holds All My Treasures (3)You Better Keep It On Your Mind (4)Lost On The River (5)Your Cheatin' Heart (6)A House Of Gold (7)Honky Tonk Blues (8)Help Me Understand (9)'Neath A Cold Gray Tomb Of Stone (10)There's Nothing As Sweet As My Baby (11)Fool About You (12)The Log Train


今年もハンク・ウィリアムスからスタートします・・・・・ハンクが亡くなったのが1951(昭和26)年1月1日未明ですから59年たっています。今日のレコードは1985(昭和60)年にアメリカの Country Music Foundation というところから出されたもので全く commercial recording とは関係のない生のハンクの歌を聴くことが出来る内容になっています。 自身のギター1本で歌うハンク・・・・自宅で自分のためだけに歌っているような雰囲気は ギター好きの人なら誰でもがするであろうもので ハンクの姿が目に見えるようです。 そのわけは ジャケットに書いてある解説を2回に分けて載せてみますので知ることができます。 少し補足もしましたが、私自身の感想は2回目の最後に載せたいと思います。

「 カントリーミュージックはふつうは洗練された形で聴かれます。手の込んだレコーディングセッションと きめ細かなプロデュースによってほとんど完璧な作品に仕上がるのです。しかし、数々の country song は始めは大抵よりシンプルな形でレコーディングされます・・・作者が自身のやり方で演奏した demo record とか demo tape とかいわれるものがそれです。 このアルバムにはカントリーミュージック界で最も有名なシンガーソングライターだった Hank Williams の珍しい12曲のデモ録音が収められています。 
デモ( demonstrations recording からきている語 )というのは曲の作者が新しい作品を出版社や歌手に提供する前のオーディションの道具といってもよいと思います。 今日ではデモ作品は録音されてテープに採られて廻され、それも簡単なギターやピアノの伴奏での録音のものから豪華な楽器群とバックアップコーラス付きの録音のものまで及んでいます。しかし、 Hank Williams の時代はデモ作品は直接アセテート盤に録音されたのです。追加コピーが必要になるとオリジナルのアセテート盤から複製されるか 作者が演奏を繰り返し行なって追加の盤を作る・・・・といった具合でした。このように1940年代後期のデモ作品はひとつの楽器伴奏にボーカルという簡単なものがほとんどでした。

ハンク・ウィリアムスはほとんど自作の作品を自らレコーディングするという優れた歌手でしたし、ハンクの曲の出版者であった Fred Rose がレコードプロデューサーでもあったことから デモ作品を大量に作る必要がほとんどありませんでした。実際にほとんどのハンクの作品にはデモテープというものが存在していないように思われるのです。多分ハンクの多くの作品にはデモ盤は作られなかったのでしょう。 Acuff-Rose 社の Dean May によって発掘されたこのアルバムに収録された十数曲だけではないでしょうか。ハンクのデモ録音曲とコマーシャルベースで出された曲を比べると幾つかの面白い variation があることが判ります。 例えばハンクが MGM レコード社で録音して1952~53年にかけて28週間チャート入りした cajun novelty song の(1) ”ジャンバラヤ”の歌詞についていいますと ハンクのデモ盤や他の歌手が歌ったものには入っている歌詞の last verse がコマーシャルベースで発売されたハンクのレコードでは歌われていないのです。似たようなことが(8) ” Help Me Understand ” と(7) ”Honky Tonk Blues ” にも当てはまります。

さらに、MGM 社に妻の Audrey Williams と一緒にレコーディングした(4) ”Lost On The River” もこのデモ盤ではソロで歌っていますし、歌い始めのところで間違ってやり直してもいます。デモ盤の(5) ”Your Cheatin' Heart ” は MGM の正規盤のよりも時々メロデイックな傾向がみられます。このレコーディングは original acetate デモ盤からのダビングのためか音質に不備なところがみられますし、Original acetate 盤の所在も判っていません。

このアルバムにある残りの7曲はハンクがコマーシャルベースのレコーディングをしなかったものです(つまりデモしかない)。そのうちの3曲はハンクの死後 曲に伴奏をオーバーダビングしたものが MGM社 から発売されました。その3曲のうちの2曲はここにオリジナルの形で入れてあります。
(11) ”Fool About You ”は1950年代末にロカビリースタイルにオーバーダビングしたものが1961(昭和36)年のアルバムに収録されて発売されています。(3) ”You Better Keep It on Your Mind ”には Fred Rose が1953(昭和28)年にプロデュースしたハンクのバンド The Drifting Cowboys の伴奏がオーバーダビングされて1954(昭和29)年にシングル盤として発売されています。ここでのデモ盤には他の人の声がいっており、Hank Snow かあるいはこの曲を共作したVic McAlpin かも知れません( 私にはどう聴いてもハンク・スノウに思えます )。」・・・・・・・次回に続く
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする