西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

本 -22-(西部劇入門)

2009年02月14日 | つれづれに
西部劇入門    岡 俊雄 編  荒地出版社 刊  1960(昭和35)年

先日の古本屋さん廻りで出逢って感激してしまったもう1冊の本。実に古い本で、日本で発売になった西部劇関連のものではもっとも古い方に属するのではないかと思います。思うに、西部劇映画ファンの人達でも今ではかなりの年配になっている方達が買われたんでしょう。今日なかなか手に入りそうもない本ですから記録という意味で載せておきたいと思います。
<目次>
1)西部劇の鑑賞 
:西部劇の戦前派・戦後派 (双葉十三郎) 
:回想の西部劇 (杉山静夫)

2)西部劇ベスト・テン(双葉十三郎)・・・・・・「荒野の決闘」「赤い河」「黄色いリボン」「ウィンチェスター銃73」「ヴェラクルス」「真昼の決闘」「シェーン」「OK牧場の決闘」「リオ・ブラボー」「大いなる西部」

3)実説 西部の英雄・銃豪(小林久三)
: ワイアット・アープ ドク・ホリデイ バット・マスターソン ジョン・リンゴー ビリー・ザ・キッド パット・ギャレット ジェシー・ジェームズ ワイルド・ビル・ヒコック カラミティ・ジェーン バッファロー・ビル・コディ 

4)西部の地理と歴史 (岡 俊雄)
: テキサス州 アリゾナ州 ニューメキシコ州 カンサス州 ミズーリ州 オクラホマ州 コロラド州 

5)西部の周辺 
:西部の銃器 (小林久三)
:ガン・プレイ談義 (根本 忠) 
:インディアンと騎兵隊 (石川初太郎) 
:西部劇と音楽 (岡 俊雄) 
:TVウェスタン (津川溶々)

6)西部劇ア・ラ・カルト (小林久三)
: 西部の掟<十戒> /酒 /酒場 /牢やぶり /西部の女傑 /テキサス・レインジャー /二足のわらじ /レディ・ファースト /西部版おしゃれページ /縄張り /カウボーイの生活 /自警団 /西部の町 /北部と南部 /ナイフ 
7)西部劇用語集 
8)西部劇俳優一覧・戦後封切西部劇総目録
9)あとがき(岡 俊雄)

この本を見ているとこれ以降に出版された西部劇関連の諸本が多少とも様式の面でこの本に影響されているのが判ります。 それにしても、映画評論家の双葉十三郎さんが載せておられる西部劇ベストテンの作品群(今から約50年前のことですよ!!)は今日のベストテンでも通用するもので、いかに1940年代、50年代の西部劇が優秀でインパクトのあるものだったか解ろうというものです。
マカロニウェスタンに凌駕されてからのアメリカ西部劇に詩情とか余韻とかがあまり感じられなくて、いつまでも1950年代頃の作品をベストテンに挙げ続けなければならない状況というのは ”映画は時代と共に進歩したと単純にいっていいのだろうか ”・・・・・と 迷ってしまうほどです。

映画が娯楽の王様だった頃の先輩方の評論や感想を読んでいると「なるほどなあ」と感心させられることが多くてとても参考になります。今日 ビデオ、DVDなどで比較的簡単に見ることが出来るようになった西部劇作品群ですが、私達がどんなに背伸びしても経験できないことがありますね・・・・・それは、どんなにつまらない作品でも 先輩方がその当時の時代の風を感じながら 大勢の人と一緒に大きな画面で観た・・・・・という共有感 ではないでしょうか(西部劇に限らず昔の映画に共通することなんでしょうが)。

だから私達が今日 家にいてビデオやDVDで観て面白かった、つまらなかった というのと 当時リアルタイムで観た人達との間には感想の捉え方にニュアンスの違いがあるのは当然だと思います。 一例ですが、故 淀川長治さんがよく無声映画時代の話をされていましたが、それを直接映画館で体験したことのある世代(相当なお年寄り)と ビデオやDVDでしか経験の無い世代には ”そのよさ”が十分に理解できないか 自ずと感想がちがってくる・・・・・というようなことです。
それにしても アメリカ西部の銃器にやたら詳しかった故 根本 忠さんがこんなに古くから活躍されていたんだ・・・・と知ってびっくり。  古色蒼然とした本ながらとても面白いものでした。
コメント
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