梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

ある忠告

2007年07月08日 10時11分24秒 | Weblog
前にもこのブログ上で紹介させてもらいましたK氏に、私の所属する勉強会に講師として話をしてもらうことを依頼しました。

そのK氏とは、岩手県から15歳の時集団就職で上京して、人に言えない苦労をしながら現在社員百名を越す運送会社を育て上げ、他にも関連会社など手広く運営されている方です。3年前に社長は長男に譲ったものの、ご自身は私塾を去年開設し、ますます使命感を持ちチャレンジを続けています。

その塾とは、過去の社員教育や人との出会い自分の行き方などの集大成でもあり、後世に善いことは広めたい実践することの難しさを克服させたい、そんなK氏の強い願いが込められています。

その塾の研修は具体的には、公衆トイレの掃除とお茶や礼儀作法の習得で、ほぼ一日を費やします。ただしいくら私がこの紙面で説明しても、実際参加してみないと、何がその目的か成果かは、皆さんには分からないかもしれません。

しかし一つだけに絞ると、人間の傲慢と言うものはあらゆるものの障害になり、特に二代目三代目には、これが会社経営では大変危険だとK氏は訴えています。この塾はそんなものを取り除くチャンスにしてもらい、それより陰徳を積んだらどうかと説いているのです。

もし梶さんが事業などで、どうにも説明が付かない様なよい結果が出たとしたなら、それは過去に積んだ善い行いの成果ですよとK氏は仰います。長年やっている会社の周りの掃除はそれですねと言い切ります。(最近忙しく間引きしてあまりやっていない私の心にぐさりと来ました)

その講演の打合せを先週行なった際、K氏は私にこう言いました。「梶さんはもう勉強会など多く出ている時ではないです。自分の経験したよいことは世間に伝えなさい」「よいことは自分に溜めるのではなく、どこかいい出口から出しなさい。溜めるだけだと濁ります」

何かが私の心に届きました。これを聞いて、若手を集め勉強会などする気は毛頭ありませんが、身近な我が社の社員によいことを広めているかと言うと必ずしもそうではない、強要してはいけないという気持ちが先行していたのも事実です。

K氏曰く「よいことに理屈などありません!」
コメント (1)
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