梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

基盤の整備から

2015年04月11日 11時46分06秒 | Weblog
東鉄連の一日研修会で、大田区羽田にあるクロネコヤマトの“クロノゲート”を見学しました。巨大な物流ターミナルでした。クロノゲートの意味は、ギリシャ神話の時間の神「クロノス」と門・出入り口「ゲートウエイ」を組合せたものであり、新しい時間と空間を提供する物流の玄関とのこと。

ここだけで年間に捌く荷物は16億個だそうで、一日にすると438万個。それを聞いただけでも、圧倒されます。単に宅急便の荷捌き・発送だけではなく、一部家電製品の修理、医療器具の洗浄・メンテナンス、パンフやDMの印刷まで行なっています。

ヤマト運輸が、関東一円において宅配便のサービスを開始したのは昭和51年1月、初日の発送個数は11個。そのヤマト運輸は、平成9年11月に小笠原諸島で扱いを開始して、全国ネットワーク計画が完了した。と沿革にあります。

約40年間の歳月をかけて、巨大で且つ細やかな全国配送システムが完成したのです。この基盤が整備されているからこそ、現在クロノゲートで行われている付加価値の高いサービスを提供することも可能なのです。たった11個の荷物から挑戦した精神も、また見逃せません。

佐川急便とローソンは新会社を作って、コンビニエンスストアを拠点にする宅配サービスで業務提携する。とのニュースが最近流れました。店舗を拠点に、近くの消費者へコンビニの商品と宅配便を一緒に届けるネットワークを築き、高齢者や働く女性への利便性を高めるとのこと。

店舗の半径500メートル以内の配送範囲で、その店舗へ深夜自宅で受け取れなかった宅配便を取りに行ったり、逆に配達員にコンビニの弁当を宅配便と一緒に自宅に届けてもらったり、その際配達員は他の注文を受ける御用聞きの役割もする。そのようなものがサービス内容です。

今や生活インフラとなった、身近なコンビニをベースとするからこのサービスは可能です。クロネコヤマトと同様、基盤が整備されているからこそです。

以上は、我々の鉄鋼流通には全く関係が無い話でしょうか。確かに扱っている物も、量も、配送エリアも全く違います。しかしどのような商売においても、基盤を整備することは大事です。

例えばわが社のケースです。出来ない加工は外注先を駆使するとか在庫していない素材を他から調達するとか、そのネットワークを作ることは、引合いを下さったそのお客様の御用聞きになるためには絶対に必要です。

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