梶哲日記

鉄鋼流通業会長の日々

日頃の積み重ね

2014年10月04日 10時40分39秒 | Weblog
わが社の営業を統括している役員から、最近このような報告を受けます。新たに販売を開始する切っ掛けとか、その取引の仕組みも以前とは大分違って来たとの内容です。以前は新規開拓と称して自らお客様に飛び込んでいた、昔のわが社との比較でもあります。

どのように変わって来たのかと言いますと、頻繁ではありませんが、既存のお客様からの紹介を頂いて取引が繋がるケースが増えました。新たにわが社を起用して下さるお客様は大よそ、従来の仕入先に満足をされていないとか、何か問題を抱えている背景があります。また、紹介して下さるお客様にわが社が嫌われていたのなら、この事は起こりません。

従来の新規開拓で繋がるケースは、納期対応や品質精度の他社との比較もありましたが、殆どか価格競争でした。逆に考えれば安い価格でしか他社を蹴落とせないのが実態であり、これを競争相手(同業他社)と繰り返したら、業界の大きな損失となりメリット等決してありません。

またその取引の仕組みの変化とは、複合的な要素で絡み合うケースです。例えば仕入れ先の商社の依頼で、新たな加工先の販路が確保されることがあります。わが社が使う材料は、その商社から継続的に仕入れることになり、その商社はその販売先にわが社以外の鋼材も納入しているケースです。わが社も商社も相互メリットが生じます。

わが社の12年前は厚板素材しか扱っていませんでした。今日自社加工していなければこの取引は成立していません。最近は自社で在庫する鋼材や自社で加工する以外の品種や加工が相当扱えるようになり、過去絶対に無かったような引き合いが増えました。

その役員は、お客様からの注文や新たな引き合いも、極力断ることをしてこなかった結果ではないかと、振り返ります。無理難題を達成出来た時の喜びも、営業や業務に携わっている者からすると、大きなモティベーションであることは間違いありません。

新規開拓ばかりを重視して、既存の販売先をないがしろにする。そのような愚はよくある話しです。小さなことでも他社が出来ないことを積み重ねる、日頃や日常を大切にすることをわが社の信条としなくてはなりません。
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