銚子・角巳之・三代目

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何をして...⑤

2008年01月20日 | 日記・エッセイ・コラム

Img_2394 勝てなければ負けのロシア。当時の一流国として君臨しております。欧米列強も心情的にロシアに近い。何も極東の小国の味方して、自らを不利な状況に追い込むことは無い。わが身大切だ....。ロシアと戦えと盛り上がる世論に対して、伊藤博文は問い返す、私が聞きたいのは皆さんの勇ましい言葉ではなく、カネと大砲に相談しとるんじゃ。ロシアと戦って勝てるのかね....。その間も刻々とロシアは南下を続け日本を挑発する。伊藤は最も信頼する同じ長州出身の児玉源太郎(陸軍)に問う。ロシアとの戦争を避ける手段は無いのか? 児玉...残念ながら....。事ここに至れば国運を賭して戦う他ありません。で、勝算は?ロシアは慢心している、死力を尽くして五分五分に持ち込む。恐らく日本兵の半数以上は死ぬでしょう。私もそして閣下にも死んで頂きます。この状態で頃合を見ながら、奉天(現在の中国)あたりで一大決戦を挑みます。この決戦に何が何でも勝利し、その一戦の勝利を持って、世界の世論に訴えて頂きたい。恐らくアメリカが鍵かと。アメリカが仲裁に入ってくれるよう今から準備して頂きたい....。児玉源太郎はありとあらゆる手段を尽くす....。実際、アメリカ国民の同情を喚起するよう人を派遣したり、ロシア本国で起こっている革命運動(レーニン革命)へ秘密裏に工作を仕掛けたり、....。とにかくあらゆる手段を尽くす。で、何をして勝ちとするか?ロシアと日本の実力差数十倍。この敵に対して、遠くロシアの首都を陥落させ、ロシア国民の拍手を持って入城することなど、もとより考慮外。あらゆる手段を尽くし、状況を五分五分に。少しでも有利な状況になったら第三国の仲裁により和平を。とにかく負けなければ勝ちである...と。そこには滅びの美学とか、一億総玉砕とか、地に足が着かない精神論はなく、負ければ植民地。勝つなんて事は微塵も思わず、ただ負けない...。したたかに生き抜く逞しさを感じます。勝つと思うな、思えば負けよ。なんて歌も有りました。スポーツの試合でも絶対に勝つ。という精神状態より、負けるもんか?という精神状態のほうが結果が良いような気がします.....。