私が東京で就職したのが1993年。前年にガット・ウルグアイラウンドの妥結を受け、段階的に関税を引き下げる、いわゆる牛肉・オレンジ交渉というものがあったと思います。93年は冷夏で米の大凶作。タイ等から緊急輸入が行われたりしてました。そんな最中に食品の流通に携わり、配属先が食肉。新しい制度の下、みんな必死で勉強してました。本当にワクワクする毎日で、社会人1年目をこういう環境で過ごせた事、本当に感謝しております。当時50%だった牛肉の関税が、7年後の2000年には38.5%に下がる。しかも折からの円高で、内外価格差が非常に大きくなっており、この価格差を日本の消費者に還元する事は正しい事だと思いました。が、もしかしたら、これ以前掲載しました合成の誤謬(昨年9月掲載)だったのかもしれません。しっかりとした哲学を持って、行動されていた方も多いと思いますが、別に効率の悪い一次産品なんか作らずとも、そんなものは海外から買えば良いんだ。そういう社会の空気を感じてはおりました。で、今。食糧・資源エネルギーの多くを海外に依存。しかも世界は食糧・エネルギー争奪戦を激化させている。国内ではそれに気付き、“もったいない”とか、環境とか、多様性とか、そういう言葉が浸透しつつありますが....。価値をお金だけで換算すると、見えなくなるものが有ります。昨日の花筏さんの照明。お金を出して買えますが、こういう作品の価値は金額の多寡ではない。一次産業も食糧を作るだけの産業では無いことは明白。GWの印旛でその一端が見えると思います。是非お越し下さい。