風音土香

21世紀初頭、地球の片隅の
ありをりはべり いまそかり

「つるかめ助産院」

2013-03-05 | 読書
南の島は
人に自然や命や人との触れ合いを
改めて感じさせてくれるところのような気がする。
魂の根源を実感させてくれる気がする。
なぜかはわからないが、
だからこそ人々を惹きつけて止まないのだろう。

NHKでドラマ化された物語の原作。
ドラマは見ていなかったけれど、気にはなっていた。
シチュエーションはちょいと劇画的だし、
内容的にはスピリチュアルなところもあって、
正直あまり好んで読むジャンルではないが、
この物語は大丈夫。
心が温かくなる素敵なストーリーだ。
命ってのは素晴らしい。

「長年こういう仕事をしていると、
 ふと感じることがあってね。
 神様みたいなでーっかい目ん玉で見たら、
 生まれることも死ぬことも、
 そんなに変わらないんじゃないのかなーって。
 生まれる現場と亡くなる現場って、
 不思議なんだけど空気のトーンが一緒なのよ。
 厳かっていうか、神聖っていうか。
 とにかく人間の手にはどうしたって及ばない
 神様の領域って気がするよ。
 サバサバしているようだけど、
 死ぬ時は死ぬし、生まれる時は生まれる。」
               (作中より)

「つるかめ助産院」小川糸:著 集英社文庫
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